遺留分割協議書に印鑑を押すときの注意

 相続人間で遺産分割協議書を作り、印鑑を押すときには、どんな点に注意すればよいでしょうか。
 遺産分割協議には、必ず相続人全員が参加しなければならず、一部の相続人が協議に加わらないまま協議書を作成しても、まったく無効というほかありません。認知された婚外子がいて、そのことをほかの相続人は知らなかったとしても、協議のやり直しはやむを得ないところです。分割協議が調った後に認知を受けた子に対しては、分割協議はやり直さずに、その子の相続分に応じた金額を支払えば済みます。

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 したがって、遺産分割の協議をするにあたっては、戸籍簿の記載をたどって相続人を調査することはもちろん、戸籍に載っていない婚外子等の存在にも注意して、相続人が残らず協議に参加するようにしなければなりません。
 つぎに遺産としてどのようなものがあるかくわしく調べ、財産目録を作成する必要があります。さらにそのうえで個々の財産を具体的に評価していかなければなりません。いずれの財産も、そのときの取引市場価格を基準にして、できれば全員の合意で評価していくことです。さて、いよいよどの財産をどのように分けるかという協議に入るわけですが、民法につぎのような規定があります。
 「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の職業その他一切の事情を考慮してこれをする」。
 たとえば遺産が農地であれば、これを農業経営を継ぐ者に与えて、他の者には金銭を与えるというふうに、なるべく個々の遺産が有効に生かされるよう分割するのか望ましいのです。ある財産については何人かの相続人の共有としたり、あるいはまた売却処分して、その代金を分配することにするなど、事情に応じていろいろな分割方法があります。
 その意味で、分割にあたっての法律的な助言を得、さらには正確な協議書を作成してもらうためにも、信頼できる弁護士に、オブザーバー的な立場から、協議に立ち会ってもらうのも良い方法です。できれば相続人の調査、遺産目録の作成なども、そういう法律専門家に任せる方が間違いがないでしょう。もっとも、相続人間によけいな摩擦を生じさせないよう、全員にある程度信用される弁護士を選ばなければなりません。
 分割によってある相続人が取得した財産に、協議のときには気付かなかった欠陥があった場合は、他の相続人か、それぞれの相続分に応じて埋め合わせをしてやらなければなりません。
 ある相続人が遺産のなかの債権を取得したが、その後、債務者が倒産して、その債権はほとんど価値のない不良債権になってしまったというような場合も、同様です。その意味では、債権、とくにまだ弁済期のきていない債権については、分割しないままで弁護士等に取立てを依頼し(場合によっては訴訟をしなければならないこともあります)、その取立金額を分配することにするのも一つの方法です。
 なお協議書への署名押印をする場合、必ず各相続人が住所氏名を自筆で書き、実印で印鑑を押すことです。その方が協議が調ったことについての証明力が強くなるばかりでなく、たとえば遣産のなかの不動産について、協議に則って登記手続をする際には、実印を押した協議書が必要となり、印鑑証明書も要求されます。

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