離婚届に印鑑を押す前に取り決めておく事柄

 Aさん夫婦は協議離婚しようとしているのですが、離婚届に印鑑を押す前に、どんなことを取り決めておくべきでしょうか。
 離婚に際して取り決めておくべきこととしては、主として子の監護養育に関する問題、夫婦共同生活を支えた財産の分配に関する問題、有責配偶者の慰謝料支払いの問題、祭具等の承継の問題、離婚後の戸籍の問題があります。

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 子の親権者を誰にするかという問題を除けば、離婚に際して取決めを欠いても離婚自体はできるのですが、話合いをスムーズに進めるためには、取決めができるまでは協議離婚届に印鑑を押さないという態度が賢明でしょう。
 さて、未成年の子がある場合の、その子の監護養育については、親権者を父母のいずれにするかを決めなければなりません。この点を取決めて離婚届に記載しなければ、離婚届は受理されません。
 親権というのは、未成年の子の監護養育について最終的に責任を持つ地位とでもいうべきもので、婚姻中は夫婦が共同して行使するのですが、離婚後は、いずれか一方のみが親権者となるのです。なお、この親権者とは別に、現実に子を手許に置いて監護する者を定めることもできます。協議離婚に際し子の親権者は父とするが、現実の監護者は母として、母がその子を引き取って育てるという取決めがされる例は多くあります。
 親権者をどちらに定めようと、現実の監護者として母が子を育てる場合などにおいては、父からの養育費の支払いについても、きちんと取り決めておくことが不可欠です。
 つぎに財産の分配については、民法上も、離婚した者の一方から相手方に対し、財産分与請求ができるとされています。原則としては離婚成立後に請求すべきものなのですが、離婚届に印鑑を押す前に、どういう財産をどのように分与するかを、はっきり取り決めておくべきです。その額は婚姻中、財産形成に寄与した度合いと、離婚後の生活維持の必要性とを考慮して決定されることになります。
 不貞行為などの離婚の原因を作り出した責任がある離婚当事者は、相手方に対して慰謝料を支払わなければなりません。その額は、ここに述べた財産分与額も勘案したうえ、総合して決めることになります。婚姻中に祭具、墳墓等を承継して祖先の祭祀を主宰していた者が、離婚によって旧氏に復す場合には、その後に祭祀を主宰する者を決めておかねばなりません。
 最後に、戸籍の問題ですが、離婚すれば婚姻の際に氏が変わった者は旧氏に復することになります。それに伴って戸籍も婚姻前の戸籍に戻るか、それとも自分のための新戸籍を作成するか選択しなければなりません。これは相手と相談して決めることがらではありませんが、本人は離婚にあたって決めておくべきことです。
 なお、旧氏に復した母が子を引き取る場合でも、原則として子の籍は父の戸籍に載ったままですから、子の氏も父の氏を名乗ることになりますが、家庭裁判所の許可を得れば、子の氏を母と同じにすることができ、戸籍も母と同じ戸籍に移すことができますので、その点は離婚当事者でよく話し合うべきでしょう。

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