遺言をした方がよい場合

自分が死んだ後のことを、家族の者に言い残すことを一般的に「遺言」とよんでいます。
 しかし、親族間の交際、社会的儀礼、家事の整理などといったことは、遺言をした本人にとっては大切なことであっても法律的には意味がなく、また遺言されたことか守られなかったからといって、法律上の保護を受けるというものではありません。
 これから述べる「遺言」とは、あくまでも法律行為としての遺言です。というのは、誰しも生存中であれば、品物を売買をしたり、財産の贈与をしたり、あるいは未成年の子について親権を行使したりすることは自由にできるわけです。同じように、自分の死後の財産のことに関して、あるいは身分上のことに関して本人の死後、その意思どおりにさせるために法律が助力しようというのが、民法で認めている遺言制度なのです。
 ただ、アメリカやヨーロッパなどでは、人は遺言であらかじめ死後の処置をしておくべきだという考えが社会全体にいきわたっているのに対し、日本では、遺言というと、死を予期した忌み嫌うべきもの、あるいは縁起の悪いものという考えがあるため、遺言制度が欧米ほど活用されていないのが実情です。
 しかし、遺言書か残っていたために相続財産の分配が、何ら紛争を起こすことなく、すんなりと決まる例は結構あります。相続を初め、死後の紛争予防のためにも遺言制度はもっと活用されることが望ましいといえます。

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財産が分散すると困る場合、たとえば個人会社の社長が死亡して相続が開始した場合、会社の財産である機械とかのれん、商品といったものが、相続人の数に応じて分割されるということになります。これでは誰が会社の跡を継いでも経営を続けてゆくことは非常に困難になります。
 このようにならないために、各相続人の相続分とか分割の方法を遺言しておくことが必要なわけです。
 これに該当するのは、農業、商店、漁業、工場などの場合で、かつ相続人か何人かいるという場合です。
 夫婦に子どもがいない場合、また、子供のいない老夫婦の場合、夫が死亡すれば妻は全部遺産を相続できると思っていたところ、夫の兄弟姉妹から相続財産を分けてくれといわれゴタゴタするといった例もあります。子どものいない夫婦間では、特に遺言は大切です。この場合も遺言があれば妻は遺産全部を相続できたのです。
 世話になった人がいる場合
 息子の嫁が病気の間、親身になって献身的な看護をしてくれたなどという場合、息子の 嫁には相続権はありませんから、何らかの形でその恩返しをしたいと思うときには、ぜひ遺言を活用して、財産の一部なりとも残してあげたらどうでしょう。全く身よりがないという場合も、国家に財産を渡すより、遺言によって世話になった人に残した方かよいと思います。
 また、内縁の妻には相続権は全くありませんので、内縁の妻に財産を残してやるには遺言を活用するのがよい方法です。
 先妻の子どもがいる場合、先妻の子と後妻との間というのは、夫の死後、トラブルの起こる例は、世間には結構多いものです。
 これは血のつながりがないこと、法律上も親子関係のないことなどや、子としては父が再婚しなければ財産は自分が全部相続できたのに、などという理由でトラブルは起こっています。このような場合も、遺言は有効に活用できるはずです。
 民法でいう遺言をする場合、遺言によってできる事項は限定されます。これを大まかに分けるとつぎの三つになります。
 (1) 財産の処分に関する事項
 (2) 相続に関する事項
 (3) 身分に関する事項
 この三つに該当しない、いわゆる遺言をしても法律的に意味のない遺言になります。
 また民法では、遺言によらなければ法律上効力をもたないという事項も定めています。
 民法で定めた相続分によらないで相続財産を分配させる場合(相続分の指定)
 遺産を分ける場合の方法(遺産分割の指定)
 未成年者の後見人を決めること(後見人の指定)
 遺言を執行してくれる者を決めること(遺言執行者の指定および指定の委託)また、遺言によっても、あるいは生前の行為によってもできる事柄があります。
 認知、相続人の廃除および廃除の取消し、贈与(遺贈または死因贈与)、寄付などがこれに当たります。

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