未成年者が結婚する場合

民法三条では、満二〇年をもって成年とすることを規定し、また、満二〇歳になれば成人として成人式に出席したり、あるいは祝福されたりしていますが、この例外が二つあります。
 一つは、天皇、皇太子、皇太孫で、これは特別扱いがなされ、満一八歳で成年者となるとされています。他の一つは、未成年者が結婚した場合です。
 では、未成年者でも結婚すれば選挙権は取得でき、夫婦二人で酒も飲めるか、というとそうでなく、やはり満二〇歳にならなければ選挙権は与えられず、また酒を飲むのは未成年者飲酒禁止法という法律により禁止されています。同様にタバコについても未成年者喫煙禁止法により禁止されています。
 したがって、ここでいう未成年者が結婚すれば成年になるとは、たとえば父母の親権がなくなるとか、財産上の取引が自分の考えだけでできるといったように、私法上の事項について成年の扱いがされるということをいいます。
 このように、民法では未成年者の結婚を認めているわけですが、では果たして何故になれば結婚できるのか、親に無断で結婚できるのか、あるいは無断で結婚したらどうなるのか、といったことを含め、ここでは未成年者の結婚にスポットをあててみます。

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一般にいう結婚適齢期と、ここでいう婚姻適齢とは若干ニュアンスが異なります。前者は、結婚するのにふさわしい年頃という意味合いですが、後者はこの年齢に達すれば法律上の結婚が可能になるという意味です。
 法律上、結婚できる年齢として定められている年齢は.男一八歳、女一六識です。このような規定を設けたのは、早婚を防止するためです。
 では、この規定に違反して、男が一七歳で、あるいは一五歳の女の子が結婚しようとしたらどうなるでしょうか。
 結婚が法律上有効に成立するためには、結婚の意思が双方にあることと、法律の結婚の禁止条項に該当しないことが必要な条件です。この場合は後者に該当します。
 この場合は、結婚成立の形式的な要件である結婚届が受け付けられず、その結果、法律上の結婚はできないわけです。もし、この結婚届が間違って受け付けられた場合には、結婚当事者、その親族または検察官が、家庭裁判所へ結婚取消しの請求をすれば、結婚は取り消されることになります。
 この場合、検察官に取消請求を認めているのは、婚姻適齢にならない者の結婚は社会的秩序の維持からみて好ましくないから、これを消滅させるべきで、消滅させることを目的として、社会の代表者として検察官に取消請求権を与えてあるのです。
 しかし、誰も結婚の取消しを請求しないまま、男が満一八歳、女が満一六歳の婚姻適齢に違した場合には、誰も取消しを請求できなくなります。ただし、間違って受け付けられたために結婚が成立している夫と妻にかぎり、適齢に達した後三か月間は取消しの請求が認められています。
 婚姻適齢に達している未成年者が結婚をする場合には父母の同意が必要と定められています。そのわけは、未成年者には十分な思慮判断が伴わないから、軽はずみな結婚をすることかないように父母の同意が必要なのだ、と説明されています。
 父または母のうち一人か賛成しないとき、父または母が意思を表明できないとき、または、父または母のうち一人かいないときは、父または母のどちらかの賛成を得ればよいとされています。
 また、結婚をする子が養子の場合には、もちろん養父母のうちの一方の同意があればかまわないわけですが、たとえば養父母共に結婚に反対した場合に、実父母のうちの一人の同意があれば結婚できるかどうか、です。
 学者の中には、この同意権が親権の一部であるから、親権のない実父母には同意権はない、という説もありますが、離婚して親権を持たない父(または母)でも同意権があることを考えると、この説には反論の余地があり一般(通説)には、実父母の同意でもよいと解されています。また、父母共にいない場合は、この同意もいりません。
 しかし、父母共に結婚に反対で、同意が得られない場合には、その結婚届は受け付けられません。戸籍法三八条によれば、未成年者の結婚の場合は、結婚届に、その同意を証明する書面を添付することになっています。この書面については別段の制約はないので、自由に作ってもっていけばよいでしょう。
 もし、間違って、同意のない結婚届が受け付けられた場合には、その結婚は有効に成立し、しかも後から取り消すことはできないことになっています。
 それでは、婚姻適齢に達しない者、あるいは親の承諾が得られない未成年者が、何か何でも結婚したいという場合どうするか、です。この場合には、残念なから法律上の結婚は、前者については適齢期に達するまで、後者については成年に達するまで待つしかありません。ただし、結婚式をあげ一緒に夫婦 生活を送る事実上の結婚まで法律が禁止しているわけではありません。

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