男関係が多いことで認知を拒絶できるか

A子さんは、銀座のある高級クラブに勤めていましたが、B氏という会社重役と知り合い、四年間ぐらい関係を結びました。
 この間にA子さんはC子さんを生みました。C子さんはB氏の実子であるから、A子さんはC子さんに代って、B氏に対しC子さんを認知してくれるよう頼みましたが、B氏はA子さんが当時彼以外の男性ともつき合っていたから、C子さんが果たして自分の子であるかどうかわからない、といってどうしてもこれに応じてくれません。
 A子さんはC子さんがB氏の実子であることは絶対に間違いないと確信している。どうしたちよいものでしょうか。

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A子さんは一日も早くC子さんの法定代理人として、B氏を相手方として家庭裁判所に対し認知を求める調停を申し立てるべきです。
 B氏はなかなか応じる気配がなさそうであるが、家庭裁判所の調停を経るのが原則であり、調停の手続きで親子関係の鑑定を求めることもできるし、裁判官や調停委員の面前で公的に話し合いをする場合、B氏の言動がどう変わらないとも限りません。
 まず筋を通して手続きを進めることが必要です。それでもどうしてもB氏が認知をしないならば、地方裁判所に対し「認知請求」の人事訴訟を起こさなくてはなりません。なおこの申し立もしくは訴は、父(ここではB氏)が死亡すると、その日から三年以内に手続きをしないと永久にできなくなります。
 さて認知を求める手続きでいつも問題となるのは、申立人あるいは原告側でB氏との情交の事実を証明することまでは比較的容易であるが、C子さんの懐胎当時B氏以外の男性と情交したことがC子さんの側で証明できない場合ば、必ずしもC子さんがB氏の子であると断定できなくなるということです。
 そこでもし、あとの点を逆にB氏に証明させる、つまり、C子さんを懐胎したと認められる期間中に、A子さんが他の男性とも情交していたからその男性の子であるかも知れない、ということをB氏に反証させることとし、もしこれを尽くせない場合は、Aさんの主張を正当と認める、ということにすれば前記の難点は解決できます。
 裁判側は、以前は申立人あるいは原告であるC子さん側に困難な立証の責任を負わせていましたが、昭和三二年の最高裁判所の判決は以上説明した通りC子さん側の立証責任を軽くする見解をハツキリ打出し、これに反する以前の判例を変更する旨を宣言しています。
 したがって、A子さんも十分に自信をもって主張を貫くように、頑張ることです。認知の問題は、結局、証明の問題につきるもので、科学的な証明方法もかなり発達してきているけれど、まだ全面的に信頼するわけにいかないことを付け加えておきます。

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