婚姻中に生まれた子の嫡出を否認するには

夫の太郎は一年前に妻花子と結婚式を挙げ直ちに届出をすませました。花子は結婚してから、一か月目に長男一郎を生みました。しかし花子は太郎と結婚する前に次郎とも交渉があったことがわかりました。太郎としては一郎を自分の嫡出子であるとはとうてい考えられません。どの場合一郎は誰の戸籍に入れるのか、また太郎は自分の子でないことを明らかにするにはどうすればよいのでしょうか。

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結婚届がなされた日から二百日以後に生まれた子は、その結婚によって妻が懐胎したもの、したがって夫の子と推定されるから、太郎が何と思おうと、いちおう一郎は太郎と花子の嫡出子として届出をしなくてはなりません。届出は太郎または花子がするものと定められています。
 しかし、太郎は反証をあげて一郎は自分と花子の間の子でない、つまり嫡出子でない、と否認することができます。そうして否認の方法は太郎から一郎、または花子に対する「嫡出子否認の訴」を起こすことによって行ないます。一郎または花子といったのは、もし一郎自身に被告として訴に応じる意思能力があれば一郎が単独でできるが、こういう能力がない場合は、一郎の親権者である母親の花子が一郎の法定代理人として被告になるということです(事実上あとの場合が多い)。
 この訴の管轄は一郎の住所地の地方裁判所に属します。また訴を起こすに当たって注意すべきことはつぎの通りです。
 親権を行なう母親もいない場合は、子の住所地を管轄する家庭裁判所によって選任された特別代理人が被告の代理人となる。
 太郎が一郎に対して、いったん自分の子であると承認したときは、太郎と一郎の間の嫡出親子関係は絶対に確定し、太郎も第三者も否認することができなくなる。
 否認の訴を起こす前に申立人太郎より、一郎もしくは花子を相手方として、一郎の住所地を管轄する家庭裁判所に対し「嫡出子否認の調停」を申立てる必要がある。
 「否認の訴又は調停」の申立は太郎が一郎の出生を知った時(出生の時でもなく、一郎が太郎の子でないことを知った時でもない)から、一年以内に手続をしなくてはならない。これを怠ると一郎は太郎の嫡出子であるという身分は確定します。ただし、このような場合でも、例外的に親子関係不存在確認の訴を提起することが認められる場合もあります。

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