親権者の資格を失う場合とその手続き

中学二年生のA君は、成績は優秀で彼の両親に対し、トンビがタカを生んだと世間ではいっています。それというのも父親は昼日中から酒びたりという中毒で、世間でも鼻つまみのうえ、母親は父親のいうなりという意思薄弱な両親から産まれたからです。高校進学を望んでいるA君の家庭をみていて親類の者たちは心配しています。
 親権を行なう父または母(あるいは両親)が親権を乱用したり、著しい不行跡があるとき親権を喪失する、といわれていますが、具体的ににどういう場合でしょうか。また、親権を喪失させるにはどのようにすればよいのでしょうか。また、親権を喪失させるとどのような実益があるのでしょうか。

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現代のように生存競争がはげしいと、生まれ落ちて物心がつくようになると、早くも両親の愛児に対する愛のムチ打ちがはじまります。親権といわれるものの内容は扶養、監護教育、居所指定、懲戒、職業許可、財産管理と代理などに子供の成長に必要ないっさいの分野におよびます。
 人の親の大半が、当然の義務としてこれらの仕事を処理するのに、一部の親権者にはこれが期待できないとして、あえて家庭裁判所が介入して「親権喪失の宣告」をしなければならない場合があります。この場合の「親権の乱用」または「著しい不行跡」とは、よほど目に余る度合のものと考える必要があります。倫理的に非難される親が、必ずしも不適当な説とはいえないのみならず、子供を他の者にまかせるよりはましだ、という場合は案外少なくないと思われます。
 要するに、子供にとって精神的または肉体的に福祉が害され、そのままでは健全に成人させることができないほど不当な行為をすることが、ここで問題とされる親権喪失の原因と目されるものなのです。
 なお親権の内容の一つである財産管理が当を得なかったために、子の財産が滅失または減少する危険が生ずれば、管理権(のみ)を喪失します。そうして親権や管理権喪失の宣言を請求することができる者は「子の親族又は検察官」であり、その親権や管理権の喪失の宣告は、家庭裁判所が審判でもってします。
 親権を喪失した親も、子が無資産である場合には、親としての扶養義務を負うことはいうまでもありません。
 両親が健在であれば、親権は共同行使することが原則ですから、父親のみ親権喪失すれば母親が単独で親権者となり、親権者が全くいないことになれば後見が開始します。
 また親権や管理権は、いったん喪失が宣告されても、その原因が解消すれば「本人又はその親族の請求」によって、失権の宣告を取り消すことができます。
 この場合も裁判所に請求し、裁判所が取消すのです。ただし、取消請求権者には検察官は入りません。

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