隠し子を妻子に内緒で認知できるか

Aさんは妻と四人の子と平和な暮らしをしています。しかし、最近、一五年前におかした過ちで他の女性に生ませた男の子の認知について、その女性から、時おり電話がかかって悩んでいます。
 今ごろになって、家庭の平和を乱されたくないという気持ちもあり、何よりも、相続のことも心配です。子供を認知すると、自分の戸籍に入ることだし、そうすると、妻や子供たちの承諾を得なければならないときいているので、なるべく内緒で、しかも、その女性の申し出も受けてやりたい気持ちがあります。どうしたらよいのでしょうか。

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他に子供をつくりながら、一五年間も、放流しているA氏は、まったくのんきな人だと思われます。またこの子の母親もこれまたずい分と今まで、寛大なやり方をしてきたものです。
 妻に生ませた子であろうと、その他の女性に生ませた子であろうと、父親たるものは、当然その責任をとる意味でも、道義的にも、ただちに認知をして、届出をすべきものです。
 認知するということは、子の父であることを認めることであって、父なし子をなくす意味でも、ぜひともやらなければならないことです。だれが父親か不明であり、父の血統について争いのある場合と異なり、ただちに認知すべきです。
 ところで認知の手続きですが、任意認知と強制認知があります。本件の場合は、父であることを認めているのだから当然任意認知すべきです。認知をするについては、妻や子供の承諾を要するかのごとく考え違いをしているようですが、認知は自分がその子の父であることを認める単独行為であるから、だれの承諾も必要ではありません。妻の同意も家族の同意も必要ではありません。その母親である女性の承認も必要ありません。
 もちろん認知を予定されている子の承諾も不必要です。ただ、認知しようとする子が胎児であるときはその母の、またその子が成年に達しているときはその子本人の承諾が共に必要です。母や成年者の意思を尊重するためです。
 本件の場合は、一五歳の子供であるから、だれの承諾も必要としません。
 認知はある程度、こっそりとできます。認知は戸籍法の定めるやり方で役場に届け出る方法でできるからです。この認知しようとする子の本籍地の役場へ、認知届書を出せばよいのです。この役場では、その子の父がだれであるかを戸籍簿に記入した後に、父親の本籍地の役場へ、彼が子供を認知したことを連絡します。連絡を受けた役場では、何月何日に彼がだれを認知したかを、その者の戸籍欄に付記することになっています。
 したがって、これらの手続きだけからすれば、ある程度だれにも知られないで認知の届出ができるわけです。しかし、後でだれかが、その父親の戸籍謄本をとってみれば、認知したことが記入されているから、一見して判断がつくようになっています。本妻や子供に対しては、時期を見て、よく納得のゆくような説明をすべぎです。 

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