別居先にいる子供を引き取りたい

A雄、B子夫婦は、B子と姑との不和などが原因で別れ話となり、子の引取問題で協議離婚に至らないまま、B子は実家に去り別居中です。B子は四歳の一人息子を引き取りたいが、A雄は頑として拒否し、勤務の都合上、両親に預けて身の回りの世話をさせています。
 B子は、息子が幼稚園の帰りか遊んでいるところを待ち伏せして、強引に連れてこようかとも思っていますが、どうなのでしょうか。

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父母の婚姻中は、原則として、父母が共同して親権を行ないます。親権の中身は、身上監護権と財産管理権に分かれます。身上監護とは、子の身のまわりの世話をしたり、しつけをしたりすることであるから、子の引取問題の核心をなすものです。親権者はふつう監護権者でもあるわけですが、監護権だけを他の人に委託することもできます。A雄が、子供を両親に預けて身の回りの世話を頼んでいるのも、監護の委託とみられないことはありません。
 親権者、監護権者が、勝手に子を連れ去られたときは、相手に対し、その子の引渡しを請求する権利があります。
 しかし、A雄、B子夫婦は、離婚話が進行中で別居状態です。離婚のときは、必ずどちらか一方を、親権者と決めなければ離婚届は受け付けられません。親権者が即監護者と話がつけば結構ですが、別に監護者を決めることもできます。話合いがつかなければ家庭裁判所で決めます。
 離婚に至らなくても、別居状態になれば、どちらかが引き取って監護しなければなりません。現状では、A雄にも、C子にも、親権者として、監護する資格があります。話合いがつかなければ、離婚の場合に準じて、家庭裁判所できめてもらうこともできるますが、時間がかかります。
 そこで、最近い人身保護法による引渡請求が利用されます。この制度は、不法な身体拘束に対する自由の回復を目的とするものですが、裁判手続きが簡易迅速なので、幼児の引渡請求に活用されます。
 物事の判断のつかない幼児を監護することは、必然的に幼児の身体の自由を制限するから、拘束されていることになり、それが違法かどうかは、拘束中の者(A雄)と、引渡しを請求する者(B子)のどらの手許に置いた方が、子供にとって幸福かという点から判断されます。
 そして、裁判所の傾向としては、園児以下のような幼児の場合、母親が、病気、貧困、醜業従事、放置、虐待など、子の人格形成に悪影響を及ぼすような特別の事情のないかぎり、母の膝下で監護養育するのが子の幸福だ、として母の引渡請求を認めています。
 しかも、実力で子を奪った別居中の妻に対する人身保護請求で、その後、平和に養育している以上、強いて、夫の手許に返す必要はない、として夫からの請求を斥けた例もあります。
 引渡命令の判決にもかかわらず、引き渡さないとき、強制執行ではきないが、法による救済を妨げる行為をした者として、二年以下の懲役または五万円以下の罰金があります。

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