離婚すると子供の姓はどうなるか

A子の夫は、業務上横領罪の容疑で、指名手配中です。会社の経理課長をしていたのであるが、三年の間に六〇〇〇万円ほどの金を横領したというのである。子供が二人もいるのですが、その横領金をほとんど女遊びに使っていたということがわかったので、彼女は離婚するつもりです。
 離婚する以上、彼女は子供を引きとり両親に面倒見てもらうことにして、氏名も旧氏名になおしたいと思います。子供の姓を彼女の離婚後の姓に変えるための手続きはどうすればよいのでしょうか。

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A子は、夫に対する信頼の度合いが大きかったからこそ、その反動で離婚まで決意したものと思います。しかし、指名手配中の夫を相手に離婚することは、事実上不可能です。協議離婚をするにも相手に会えなければ相談することもできないし、裁判離婚を申立てても、相手を呼出しできません。いずれにしろ、夫が出て来てから、手続きをすべきです。
 そこで、彼が無事に居所がはっきりして出てきた場合に、あなたの離婚したい気持にも変更がなく、正式に離婚することができたとします。その場合には、あなたはもとの旧姓に復することができます。
 しかし、子供の氏は、当然にはA子の旧姓と同じにはなりません。離婚をする際未成年の子供があるときは、その子の親権者を決めなければなりません。親権者は父または母であるから、A子のような場合、子供を引きとるつもりだろうから、当然A子が親権者となるはずである。しかしこの場合でも、子供の姓は当然には親権者たるA子と同じ姓にはなりません。必ず家庭裁判所の許可を得てからしなければなりません。
 したがって親権者の姓と子供の姓は必ずしも一致しないことがあります。そんなことは、A子とすれば、感情的に好ましいことではないでしょうから、離婚をしたならば、すぐにその旨を家庭裁判所へ申し出て、手続きをとることです。
 一方、子供は未成年者であるから、このような手続きは自分ではできません。したがって、これはすべて親権者たるA子がやることになります。ただし、一五歳になれば一人でできます。なお、この姓の変更は、親権者の個人的感情も加わって変更するものであるから、成人した子供に常に好ましいことばかりはいえません。そこで、子供が二〇歳になった場合に、もう一度母親と同じ姓でもよいか否かを子供自身に考えさせ、考えた結果、父親と同じ姓の方がよいとの結論に達すれば、子供の希望をきいてやらなければなりません。
 ただしこれも、二〇歳になってから一年以内に限り許されます。年齢はすべて誕生日を規準にして満で数えます。このように民法はすべて子供本位に考えているから、ある時期には、必ずしもA子さんの意思通りにはいかないこともあり得るわけです。
 もし離婚するときに、胎児がいたとすると、その生まれる子供は、離婚前の姓すなわち、たいていの場合は、すでに別れてしまった男性の姓を名乗ることになります。その後の氏の変更や復氏については、先に説明したことと同様です。

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