姑との不和解消に夫が非協力だと離婚事由となるか

A子は、自動車会社に勤務する農家の跡取息子である彼と結婚しました。結婚当初は家業の農業経営に従事し、彼の両親と円満に暮らしていました。しかし間もなく農作業の不手際が原因となり、彼の両親の彼女に対する小言が次第に多くなり、A子が栄養短期大学の入学書類を取り寄せたことが発覚してから彼の両親はA子に一層つらくあたり、A子が正月に実家に帰った際に、彼の両親から帰ってこなくてよいといわれ、夫と別居せざるをえなくなりました。その間夫は自分の両親のいいなりになり、A子と自分の両親の間のもめ事を見て見ぬふりをしていました。A子は彼と当然に離婚できるでしょうか。

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現行民法は、婚姻を継続し難い重大な事由を離婚原因として認めています。この規定は、抽象的な規定であり、要するに、夫婦関係が破綻し、いまやその復元の見込みがないことです。
 旧民法は、配偶者の直系尊属からの虐待または重大な侮辱を離婚原因としていました。今日でも、子供夫婦が親と同居する習俗とともに同居せざるをえない住宅事情から、A子夫婦のように夫婦関係の破綻を導く例は少なくありません。
 A子の場合には、A子と彼の婚姻関係の円満を欠くに至った原因が、A子と彼の両親との不和によるもので、A子と彼との間にその端緒があるわけではない。しかし、彼が無間心な態度を改め、積極的に家庭内の円満を取り戻すように努力しない限り、婚姻関係の平和を維持することは困難です。
 そのうえ、彼にはそのような誠意ある態度は全然みられず、現在においては、A子との婚姻関係を続けていく意思さえもないのであるから、A子と彼との結婚生活は婚姻関係を継続しがたい重大な事由があることになり、A子は離婚を請求することができます。
 さらに離婚にあたっては、その離婚の直接原因がA子と彼の両親との不和にあるとはいえ、彼の冷淡な非協力的な態度に負うところが多いので、離婚によってA子がこうむった精神的苦痛に対して慰謝料を請求することもできます。
 また、婚姻関係は短かったといえ、家業に従事し共同して家を助け、支えてきたのですから財産分与も請求できます。姑らに対する慰謝料については、このような婚家先の家族との不和は世間によくあることで、いわば双方の人間性に由来する宿命のようなものであって、いずれか一方のみにその責任があるというわけにいきません。程度の差こそあれ、A子側にもその原因を与えていないとは断言できないので、これは請求できないとしています。
 A子のようなケースは、世間によくありますが、事前に夫とよく話合い、彼の両親を説得してもらい、それでも不和が解消できない場合は、調停を申立て、調停の段階で、彼の両親と別居する等の打開策を講じておけば、最悪の事態は避けられたのではないかと思われます。

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