結婚が無効や取消されるのはどのような場合か

私のアパートに引っ越してきたA夫の妻B子は、どう見ても一五、六歳にしか見えません。大学の法学部にいっている息子がいうには、まだ結婚可能な年齢に達していないはずであり、結婚は無効だといっています。結婚の無効とか、取消しとは、どういうことでしょうか。

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結婚が成立するためには、いろいろな要件があります。これに違反すると取り消すことができます。無効の場合もあります。
 取消しができる原因としては、(1)不適齢、男が満一八歳未満、女が満一六歳未満、(2)重婚、(3)待婚期間経過前、女が前婚の解消または取消しの日から六か月以内、(4)近親結婚、直系血族または三親等内の傍系血族間、直系姻族間、養親子関係者間、(5)詐欺、強迫による結婚、などがあります。(1)〜(4)は、優生学的、社会倫理的立場からの取消しですが、(5)は当事者の保護を目的とした取消しです。
 無効原因は、人違いその他の理由によって、当事者間に結婚をする意思がないときです。一方的に、勝手に婚姻届を出されてしまったときが典型といえます。
 前記の(1)〜(4)などは、結婚届を出すときに添付する戸籍謄本から、注意すればわかることなので、あやまって受理されたときに生じます。その他の場合は、形式さえ満たされていると受理されて、結婚による新戸籍がつくられてしまうから、取消しや無効原因があれば、手続きをふんで、戸籍を訂正する必要があります。
 結婚を取り消すには、必ず家庭裁判所の調停を経て、審判を得るか、人事訴訟により地方裁判所に訴え出て判決を得なければなりません。内容証明郵便で、取り消す旨の通知などしても意味がありません。
 取消原因によっては、期間の制限があって、不適齢者が適齢に達したり、女が離婚の翌日結婚しても六か月経過してしまったり、詐欺を発見したり、強迫が去って、三か月過ぎてしまうと、取消しの請求ができなくなります。
 無効と取消しはどうちがうか。無効は、初めから当然に効力のないもので、裁判所の審判や判決は、そのことを確認するにすぎません。しかし、取消しの場合は、審判や判決で、取り消すといってはじめて、将来に向かって効果が消滅します。取り消す前の状態は、合法的な結婚と同様に扱われ、たとえば生まれた子は立派な嫡出子です。
 したがって、結婚の取消しは、離婚に似ているから、そのあと始末には、復氏、子の監護者の決定、財産分与の問題などは、離婚の規定が準用されます。ただ、結婚によって財産を得たときは、取り消原因があることを知っていた場合は、得た財産に利息をつけて返済すべきであり、知らなかった場合は、現在残っている分だけを返せばよいことになっています。
 結婚の無効とか取消しは、滅多にあるケースではありませんが、ことが起きたら、どうしても裁判所の手を経なければなりません。まず、とり急ぎ家庭裁判所へ、というのが法律面での知恵といえます。

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