葬儀、告別式での弔問

本来葬儀は、遺族を中心に、近親者、特に親しかった友人で行なうものですが、どうしても参列したいときには、遺族にそのことを伝えて最後に焼香させてもらいます。
 葬儀の最中に、遺族の所まで出かけて行き、わざわざお悔やみをいう必要はありません。決められた時間で葬儀を終わらせるためには、余分なことは混雑を増すだけですから避けましょう。心を込めた会釈だけで、十分に哀悼の意は通じますから、特に遺族に挨拶をする必要はないでしょう。ゆっくり言葉をかわしたい場合は、日をあらためて、落ち着いてからうかがうようにします。
 告別式は決められた時間内なら、いつ焼香をしてもかまいませんが、会葬者の数が予想していたよりも少なかったりして、早めに終わることがありますから、告別式の始まる定刻には着くようにしましょう。
 受付では簡単なお悔やみを述べ、香典を名前を相手に向けて差し出し、会葬者名簿に名前を記入します。名刺を渡す場合は、左下を少し折って渡すのが弔事の礼儀です。記帳がすんだら、荷物があれば、受付または荷物預り所に預けます。告別式は時間的な制限もあり混雑が予想されます。荷物はできるだけもたないように心がけ、やむを得ない場合は、ふろしきなどを用意して一まとめにして預けましょう。
 自宅葬でも最近は縁側に焼香合を置き、立礼で焼香をするケースがふえてきました。靴をぬいだりはいたりする手間がないため、喪家にとっても会葬者にとっても、好都合の方法といえるでしょう。
 一般的な焼香のしかたを順を追って説明しましょう。
 焼香の番が回ってきたら、立っている場所で一礼して前に進み、焼香合の少し手前で遺影を見ます。祭壇に向かって、ていねいに一礼して前に進み出ます。抹香を右手の親指、人差し指、中指で少しつまみます。つまんだ抹香を目の高さまでささげるようにします。香炉に入れます。合掌をしてから二、三歩さがり、僧侶、遺族に一礼して向きをかえ、退席します。
 数珠はいつも左手にもちます。合掌する場合は両手の四本の指に数珠をかけて手を合わせます。焼香をする場合は、数珠をもった左手をひじから直角くらいに曲げ、体の中心より少し左よりで、さげるようにもちます。男性の場合は、数珠をもった左手の指を、まっすぐに伸ばし、手に数珠をかけているようにもちます。抹香をたく回数は、一回を心を込めてすればいいとする説と、焼香、従香の二回、仏、法、憎のために三回とする説がありますが、故人の冥福を祈ればよいことですから、何回でもかまわないでしょう。
 告別式での焼香がすんだら、すぐ帰ってもかまわないのですが、時間が許すのであれば、棺が火葬場に向かう出棺を見送るようにしましょう。大勢の人の見送るうちの出棺は、遺族にとってはこのうえないなぐさめとなるでしょう。火葬場まで同行を依頼されたら、多少の予定は変更しても同行するのが礼儀です。

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弔辞はあらかじめ遺族から依頼がありますから文面を考えておかなければなりません。一般的に弔辞の長さは三分ぐらいが適当とされています。この長さは文字にすると、四〇〇字づめの原稿用紙三枚分くらいの見当です。文面ができたら、巻紙か奉書紙、または市販の弔辞用の紙に墨で書きます。上包みには弔辞と書きます。
 弔辞の文面を考える場合には、あまり感傷的にならないように、控えめな言葉の中に、惜別の思いを込めるほうが参列者に感銘を与えます。
 内容は故人の思い出、業績、人柄、仕事ぶり、自分との関係などを語りながら、故人の人格をたたえ、惜別の思い、悲しみの感情を抑えぎみに表現します。述べる側と故人との関係の中から、故人の人間像を浮かびあがらせるほうが、一般的、抽象的な言葉の羅列より効果的です。しかし、しきたりにのっとった厳粛な儀式の中で読む物ですから、ある程度の形式をふまえ、軽薄にならないよう心がけます。また、古くからの慣例として、使ってはいけない言葉、仏式の場合の神道用語、キリスト教用語などに気をつけます。
 弔辞を読むときの感情の表現は、非常にむずかしく、悲しみの感情をあまりにもストレートに表現したのでは、かえってわざとらしく感じますし、格式ばった一本調子でも困ります。悲しみをしんみりと自然な形で表現するように心がけます。
 司会者から指名されたら、席を立ち、遺族に一礼して霊前に進み出ます。霊前で遺影を正視して一礼し、包みを開きます。包みの開きかたは次のようにします。
 左手で弔辞をもち、右手で開きます。右手で取り出します。上包みをたたみます。上包みを下にして、右手で弔辞を開きます。読むときは、目の高さくらいにもちます。読み終わったらもとのように包み、遺影と遺族に一礼してもち帰ります。遺族の希望があれば祭壇に供えてきます。
 訃報を受けても、なんらかの都合で、通夜、葬儀、告別式のいずれにも参列できない場合は、できるだけ早く弔問の手紙を送ります。弔問の手紙には時候の挨拶は不要で、いきなり「突然の訃報に接し、驚きと悲しみにたえません」などと始めてかまいません。そして、葬儀に参列できない理由を述べてあやまり、香典を同封したらそのことを記し、遺族の体を案じ、故人の冥福を祈っていることを告げて結びます。
 手紙もお悔やみなどと同じように、昔からのしきたりで避けなければならない言葉があります。仏式の場合は「迷う」「浮かばれない」などは、成仏できないという意味が含まれていますので、忌み言葉とされています。また、「かさねがさね」「かえすがえす」などの繰り返して重なる言葉は、不幸が重なるとして避けられています。迷信といってしまえばそれまでですが、気にする人がいる以上、避けるべきでしょう。
 毛筆で書く場合は、弔事のしきたりどおりに、薄墨で巻紙か真っ白の和紙を使います。ペンで書く場合は、ケイのない白い便箋に、ブルーブラックのインクを使います。
 弔電は郵便局に弔慰電報で、と頼むと、弔電用の用紙に打ち、封筒に入れてくれます。文例もいくつか用意されていますから、自分で電文を考えるのが苦手の方は、この中から選べばよいでしょうし、自分で考えるのはもちろんのこと、文例に少し加筆するのもよいでしょう。
 弔電は電報局、郵便局、自宅の電話からも申し込むことができるので便利です。
 弔電の宛先は喪主にするのが一般的です。
 通夜、あるいは葬儀、告別式には、都合がつかずに参列できず、お骨になってから焼香にうかがうことがあります。その場合は、必ず弔電、または弔問の手紙を出しておきましょう。遺族にお悔やみを述べ、葬儀に参列できなかったことをわびてから、焼香をさせていただきたいと頼みます。祭壇には線香がそなえてあり、焼香のしかたは通夜と同じです。
 喪中の家を訪問したとき、または喪中ではなくても、生前親しくしていた故人の家を訪れたときには、仏壇に線香をあげるのが礼儀です。家人に仏間に案内されたら、座ぶとんを左横にはずして、仏壇の正面に正座します。仏壇の扉を開けてもらい、ろうそくに火がつけられたら、ろうそくの火で線香に火をつけ香炉に立てます。もし、故人になってから百か日か一周忌がすぎていれば、鈴を打ちます。そのあとで合掌します。

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