葬式後の始末

本来挨拶回りは、喪中ではない親戚の代理人が二人一組となって出かけたものですが、現在では忌明け前でも遺族が外出しますので、喪主自身で出かけることが多くなりました。
 一般会葬者には会葬礼状ですますにしても、葬儀委員長や故人の恩師、社会的地位が高い人が葬儀に参列してくれた場合は、直接挨拶にうかがいます。挨拶の手みやげは不要で、忌明けにお礼の品や香典返しを届けます。また、世話役代表、世話役、隣近所、町会なども世話になっていれば挨拶にうかがいます。故人や喪主の勤務先では、直属の上司、同じ部課の人たちや世話になった若い社員にも挨拶をしなければなりません。
 病院への支払いは死亡当日か翌日ぐらいが望ましいのですが、遅くとも、葬儀の翌日までにはすませておきましょう。つい忙しさにとりまぎれて忘れがちになります。
 臨終直後から世話になったのが葬儀社です。請求書は葬儀後二、三日で届きますから、内容をよくチェックして支払います。もし、手ぎわがよく、心のこもった世話をしてもらったならば、請求金額に多少の心付けを加えて支払うのもよいでしょう。
 通夜ぶるまいや精進落とし、世話役の食事などを頼んだ仕出し屋、酒屋、寿司屋などの支払いは、取り込み中でもあるのであと回しになることが多くなります。忘れずにできるだけ早く支払います。便宜をはかってくれたことでもあれば、心付けをいっしょに渡すとよいでしょう。
 葬儀が簡略化され、最近では会葬礼状は葬儀のあと、出口で手渡されることが多くなりましたが、これはあくまでも便宜的方法でしかなく、本来は郵送するのが好ましいでしょう。
 会葬礼状は私製はがきと封書入りの物があります。いずれも紙の周囲に黒かグレーの縁取りをして、喪主、親戚代表、友人代表などの名を連記します。見本は葬儀社や印刷屋にありますから、それを見て決めるとよいでしょう。故人が知名人であったり、大規模な葬儀であったりした場合には、新聞紙上に会葬御礼を出します。文面は会葬礼状と同じでよいでしょう。

スポンサーリンク

香典をもらったからお返しをしなければ、というのでは、香典返しの本来の意味からはずれてしまいます。香典返しは、取り込み中に隣近所の人たちが、互助の精神から、家にある物をもち寄って喪家の手助けをしてくれたことに対するお礼を故人にかわって表わしたものです。故人の供養のためにするものですから、感謝の気持ちが大切です。
 香典返しの金額は昔から祝い事は倍返し、不幸は半返しなどといわれていますが、現在では三分の一くらいがふつうのようです。
 一般的に香典返しとして使われる物には、シーツ、タオル、白いハンカチ、お茶、石けん、菓子、砂糖、漆器、陶器などがあります。送り主のセンスを生かした物より、日常必要な物から選んだほうが無難です。特別世話になった人や高額の香典を包んでくれた人には、香典返しとは別に、花びん、茶器、上等のお茶や白絹などを送ります。個人個人の香典の順に合わせて、それぞれ品物を選ぶのでは、煩雑になりますから、三、四段階くらいにわけてしまうとよいでしょう。
 仏式では、人が亡くなってから四九日たつと成仏するといわれ、四十九日が忌明けとされてい て、本来の香典返しはこのときにしました。現在では三十五日の納骨、あるいは法要をすませた挨拶状といっしょに送ることが多くなりました。挨拶状は葬儀社、ある いはデパートなどにすでに印刷され、戒名だけ書き込めばいい物が用意されています。
 表書きは「志」が一般的です。ていねいにする場合は、奉書紙か半紙でおおい、黒白の水引きをかけますが、一般的にはデパートから発送してもらうため、不祝儀の印刷されたのし紙が使われています。表書きは喪主にする場合と故人の名にする場合とがありますが、現在では喪主がほとんどです。
 神式の場合は、三十日祭か五十日祭で忌明けとなり、このときに挨拶状といっしょに送るのがふつうです。挨拶状を自分で書く場合は、冥福、供養、回向、成仏などの仏教用語は避けます。水引きは銀か白で、黒白の物は使いません。表書きは「志」です。
 キリスト教の場合、仏式でいう香典返しのようなしきたりはありませんが、一か月後の召天記念日あたりに、仏式にならって、挨拶状と品物を送ることが多いようです。挨拶状には仏式、神式の言葉は避けます。水引きは銀で表書きは「志」でよいでしょう。
 いくつかの理由によって、香典返しをしない場合があります。香典は本来故人の冥福を析って供えられ、互助の意味も含まれていますから、挨拶状で感謝の気持ちを表わせば、しなくてはいけないというものではありません。故人が一家の主であったような場合は、香典を残された子供の養育費にあてたいなどという理由を書いた挨拶状を送ればよいでしょう。また、香典を社会福祉施設や医学の研究所などに寄付する場合もあります。これも立派な仏に対する供養といえましょう。市町村の社会福祉協議会や、東京なら財団法人の善意銀行などで扱っています。挨拶状を送りたい人の住所、氏名を知らせておくと、その旨の挨拶状を送ってくれる所もあります。
 社葬の場合は、会社側が葬儀に関するいっさいの費用を負担してくれますが、香典は遺族の手に渡されるので、香典返しも遺族によって行なわれる場合がほとんどです。
 故人が生前愛用していた物やコレクションなどを、故人と親しかった友人や近親者に、香典返しのかわりとして贈るのもよいでしょう。

冠婚葬祭
肉親の危篤と臨終/ 死亡の確認と届出/ 遺体の引取と死亡の通知/ 喪主と世話役/ 葬儀方法の決め方/ 社葬・団体葬/ 葬儀社選び/ 葬儀の準備/ 納棺まで/ 通夜/ 葬儀/ 告別式/ 神式葬儀/ 神式葬儀での葬場祭/ キリスト教式葬儀/ カトリックでの葬儀/ プロテスタントでの葬儀/ 僧侶への謝礼/ 葬式後の始末/ 埋骨と納骨/ 弔問/ 香典と供物/ 葬儀、告別式での弔問/ 神式の弔問/ キリスト教式の弔問/ 法要/ 年忌法要/ 神式やキリスト教での法要/ 仏壇と神棚の購入/ 墓地と墓石の購入/

        copyrght(c).冠婚葬祭専科.all rights reserved

スポンサーリンク