告別式

告別式は主催者は故人ではなく、喪主や葬儀委員長がなり、知人、友人に故人と別れを告げてもらうための式です。
 一般家庭で行なわれる小規模の葬儀では、遺族、近親者の葬儀が終わると、僧侶の合図により、休憩を入れずに自動的に焼香が始まり、これが告別式になります。
 もっと簡略にする場合は、葬儀と告別式の区別をせずに、僧侶の読経のうちに、喪主から順番に香盆を回し、その場で焼香をすませ、一同が焼香をすませて香合が僧侶に戻ったときに、式が終わります。この方法だと時間がかなり短縮されます。
 告別式の席次は、祭壇の中央を空けて左右にわかれ、右側に喪主、遺族、近親者、親戚、左側に葬儀委員長、世話役代表、知人、友人、職場関係者が、お互いに向き合うように座ります。
 告別式は僧侶の読経の中を参列者が焼香をするだけで、式次第というほどのものはありません。
 告別式開式は進行係が「これより告別式を始めます」と告げます。僧侶の読経の中を、参列者は先着順に焼香します。遺族は参列者の一礼に返礼します。参列者全員の焼香が終わると、僧侶が退場します。遺族、近親者、参列者は一礼をして送ります。僧侶は控室で茶菓のもてなしを受けます。僧侶が退場してから、進行係は「これをもちまして、故○○○○殿の告別式はとどこおりなく終了いたしました。ありがとうございました」と礼を述べ、出棺を見送ってくれる人に対して「間もなく出棺の用意ができますので、今しばらく控室でお待ちください」と告げます。
 本来ならば、会葬礼状は葬儀後の二、三日中に届けるか郵送するのがよいのですが、最近は葬儀が非常に簡略化されつつあり、会葬礼状は告別式式場の出口で手渡されることが多くなりました。いっしょに渡されるのが清め塩です。
 塩は古くからけがれを清めるとされており、火葬場から戻ると、家に入る前に体に塩をよりかけ、清める風習がありました。その名残りが会葬礼状とセットされた清め塩なのでしょう。体を塩で清めるときに、手をすすぎますので、清め塩のほかに、手ふき用のハンカチもいっしょになっているのが一般的なやりかたのようです。

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告別式が終わると、出棺の準備が始まります。飾り付けられた祭壇から、葬儀社の人の指図にしたがって、近親者、友人の手によって棺がおろされ、蓋が開けられます。出棺時の最後の対面は、喪主、遺族、近親者、特に親しくしていた友人、知人で行ないます。たくさんの人にお願いする必要はなく、少人数でしめやかに行なうようにします。このときが、故人との最後の対面となり、火葬場での別れとともに、肉親の悲しさはひとしおです。棺の中には故人の愛用した物がおさめられますが、ガラス、金属類などの燃えにくい物や、ゴムのように溶けて骨についてしまうような物は避けましょう。そして、会場に飾られた生花の花の部分を、葬儀社の人がお盆にのせて渡してくれますから、一人が一つずつ取って、棺の中におさめ、遺体を花で飾ります。これを「別れの花」といいます。
 最後の対面が終わると、棺に蓋をしてくぎを打ちます。葬儀社で用意してくれる、三途の川の石を意味する小石で、喪主、遺族、近親者、友人の順に、一人が二回ずつ打つのがならわしです。
 いよいよ出棺です。出棺は足を必ず先にしてはこびます。祭壇室から玄関までは、遺族、友人がはこび、霊柩車までは葬儀社の人がはこぶのがふつうです。
告別式のあと、出棺を見送ってくれる人たちに、喪主または親族代表者は挨拶をします。喪主、遺族のもつ位牌と遺影は会葬者に向けます。挨拶の内容は「皆様、本日はご多用中のところを、ご会葬いただいたうえに、最後の見送りまでしていただき、まことにありがとうございました。故人の霊も喜んでいることでございましょう」などと、見送りに対しての礼を述べたあと、生前の付き合いに対して礼を述べます。続いて故人になったことの嘸念さを述べます。
 遺体が火葬場に向かって出棺すると、葬儀社では、またたくまに祭壇を片付けてくれます。あとに残った世話役や、遠縁の人たち、手伝いにきている近所の主婦の人たちなどは、家の中を掃除したり、外回りを片付けたりして、骨迎えの準備をします。
 玄関先には、火葬場から帰ってくる人の身を清めるために、小皿に入れた塩と手おけかバケツに入れた水、ひしやく、手ふきを揃えておきます。
 遺体を火葬する前に、もう一度焼香がありますから、そのために位牌、遺影、香合、花、供物をもっていくのですが、最近では、火葬場にほとんどの物が用意されていますから、喪主のもつ位牌、遺族代表が遺影をもつだけのことが多いようです。
 火葬には一時間くらいかかりますから、その間は、控室で故人の思い出などを語り合いながら時をすごします。そのときに喪家では茶菓や酒などの接待をしなければなりません。また、それが昼じきにかかるようであれば、お弁当などの用意も必要です。最近の火葬場には、湯わかしの設備だけでなく喫茶室や売店をそなえている所かおりますから、利用するのもよいでしょう。
 死亡届を提出して、もらう火葬許可証は、火葬のときに必要ですから、必ず持参します。初めに、世話役代表や葬儀社の人に預けておくのもよいでしょう。火葬許可証がないと、火葬場では受け付けてくれません。火葬が終わると火葬場で日付けを記入してくれます。これが埋葬許可証になります。
 霊柩車には、遺体のほかに、運転手と葬儀社の人しかのりません。遺族はそれに続く車に、前方を向いて右、つまり右ハンドル車の運転手の後ろに喪主、左に遺族代表、中央にいちばん血のつながりの濃い縁者がのります。二台目からは、血のつながりの濃い順にのるのが原則ですが、あまりこだわる必要はありません。マイクロバスの場合は、運転席の後ろに喪主、その隣りに遺族代表、遺族、近親者、友人と続きます。
 棺がかまどの中に安置されると、その前に小机が置かれ、位牌、遺影、香盆、生花、燭台が飾られ、僧侶によって最後の読経が始まります。読経が終わると、喪主から焼香をします。火葬場での僧侶を頼んだ読経は、最近省略されることが多くなりました。
 火葬が終わると、係の人がお骨ののった台をもってきますから、遺族、近親者は骨を拾って骨壷に入れます。古くからのしきたりでは、竹と木で一対にした箸で、血のつながりの濃い遺族、近親者の順に、二人一組になっていっしょに骨をはさみ、骨壷に入れます。一、二片拾ったら、箸を次の人に渡して引きさがります。骨は足のほうから拾い、腕、背骨、肋骨、歯、頭骨の順にして、骨壷の中で頭骨がいちばん上になるようにしますが、のどぼとけだけは、最後にいちばん血のつながりの濃い遺族が拾うことになっています。骨壷は葬儀社が用意してくれるのがふつうですが、故人が生前用意していたり、喪家で用意する場合は、葬儀社に話してそれを使うようにします。
 分骨を希望する場合は、あらかじめ葬儀社に話しておくと、骨壷か錦袋を用意してくれます。また、火葬場の係員も頭骨をわけてくれるなど、手伝ってくれます。
 骨揚げが終わると、火葬場の係員が、骨壷を白木の箱におさめ、白布で包んでくれますから、喪主はそれを両手でかかえもつようにして帰ります。位牌、遺影は血のつながりの濃い順にもちます。
 埋葬は火葬当日は行なわず、一般的には初七日に行なわれるようです。埋葬までの期間は、遺骨は自宅に安置しますから、そのための祭壇をお骨が到着するまでに作っておきます。小机を用意し、白布でおおっておきます。遺骨が到着したら、遺骨を上段中央に置き、その前に遺影、位牌を飾り、線香、燭台、鈴、供物、花を供えます。供物や花は新しく買いかえる必要はなく、葬儀で使用した物を使います。仏壇には、忌明けまで遺骨や位牌は置きません。祭壇ができあがったら、僧侶にお経をあげてもらいます。
 火葬場から戻り、家に入る前に、けがれを清めるために、用意しておいた手おけやバケツの水をひしやくでかけてもらい、手を洗って、差し出された手ふきで手をふきます。次に、体に塩をよりかけます。その際の順序は、まず、正面から胸のあたりに一ふりして、背中へも一ふりします。そのあと、戸外に向けて一ふりします。昔からのしきたりが今日まで続いているわけですが、だんだん簡略化されて、塩だけで清めることが多くなりました。手は各自で洗えばよいということなのでしょう。

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