葬儀

葬儀と告別式は、最近では続けて行なうことが多くなりましたが、二つは別のものです。葬儀は仏教では故人の成仏を析るもので、主催するのは故人ですが、これを代行するのが喪主で、宗教的な儀式です。
 厳粛な儀式である葬儀を、とどこおりなく行なうためには、事前の細かい打ち合わせが必要です。
 式次第は宗派によって多少違いますから、あらかじめ僧侶に確認しておき、それに合わせて進行表を作り、世話役や近親者に連絡をして、手落ちがないように手配します。
 一般的に葬儀、告別式に要する時間はそれぞれ一時間ぐらいが適当とされています。それ以上かかると、葬儀から続いて告別式に参加する人の待時間が多くなり、忙しい時間をさいて出席してくれた方にも迷惑がかかるからです。
 まず僧侶から葬儀の式次第を聞いたら、だいたいの参列者の数と合わせて、所要時間を見積もります。時間がオーバーするようだったら、どこかで調整しなければなりません。
 まず葬儀委員長や喪主の挨拶を短くすること、弔辞は一本が三分くらいなので、本数を減らすこと、弔電は差出人の氏名だけにすること、焼香を回し香にしたり、葬儀と告別式の間に休憩時間を取らない、などで時間の調整をします。
 葬儀には、葬儀委員長、または世話役の挨拶や弔辞がありますが、どちらも故人の経歴や業績をたたえる内容になりがちで、重複することがよくあります。
 弔辞は故人と特に親しかった人や、知名度の高い人などに依頼しますが、そのときに、故人とのかかわりかたにポイントをしぼって、職場での故人について、友人としての故人についてなどと依頼するとよいでしょう。

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葬儀の前後は、世話役がもっとも活躍しなければならないときです。自分の役割をしっかり掌握しておくことです。
 世話役代表の仕事として、会場の内外の手配がとどこおりなく行なわれているかどうかの確認。僧侶、喪主、葬儀社、世話役の間の連絡もれの有無の確認。僧侶に火葬場まで同行してもらうときは、その依頼。心付けの用意。火葬場同行者の依頼、もっていく物、自動車台数の確認。精進落としの手配確認。式次第の中での挨拶。火葬場での許可証の受渡し、心付け渡し。骨迎えの挨拶。
 受付係の仕事として、受付の設置と筆記用具の点検。机を用意して白布をかぶせ、その上に、会葬者名簿、名刺受け、筆記用具の墨、すずり、筆、マジックペンなどを用意します。葬儀社でほとんど揃えてくれますから、それらを点検することになるでしょう。弔問客の携帯品預り。大規模の葬儀の場合は、携帯品係を設けますが一般的には受付係が兼ねる程度でよいでしょう。受付の後ろに机を置き、番号をつけた札を二枚ずつ用意し、一枚を合い札として弔問客に渡します。
 弔問客の記帳確認。会葬者名簿は、会葬礼状や香典返しのときに必要なので、必ず記帳してもらいます。香典帳の記帳。香典は、表書きの金額と中の金額が違うことがあるので、中身を確かめてから記帳します。違っている場合は、二人の人で確認しておきます。会場への案内。記帳の終わった弔問客を、「どうぞあちらに」とていねいに手で指し示して、会場係に引き継ぎます。ここまでが受付係の仕事です。
 会場係の仕事として、会場の設置と点検。葬儀社は事前に打ち合わせたとおり、会場を設置してくれますが、不都合がないかどうかを確かめます。案内札の準備。弔問客が、まごつかずスムーズに焼香できるように、順路、帰路、出入口、控室、便所などを明示しておきます。弔問客の誘導。来賓や葬儀委員長など、席の決まっている人を指定の席に案内し、決まっていない人には、入口にかたまりがちになるので、前につめてもらうように誘導します。
 進行係の仕事として、式次第の確認。進行係はもっとも重要な仕事なので、世話役代表が兼ねることがあります。式次第が決まったら、各係と打ち合わせて、式がスムーズにはこぶようにします。指名の必要のある人の名前の確認。葬儀中に挨拶や弔辞を依頼する人の名前の読みかたを確認し、式次第のどのあたりになるか連絡しておきます。弔電の整理。式の所要時間に合わせて、弔電の内容まで読みあげるものと、氏名だけにとどめるものをわけておきます。司会の役目。式次第に合わせて、司会者として葬儀を進行させていきます。
 接待係は弔問客や僧侶を茶菓などで接待しますのでその準備をします。
 僧侶係は僧侶は到着すると控室に入って着替えをしますので、その案内や、控室での茶菓の接待など、僧侶担当を決めておくとよいでしょう。
 供物係は供物、供花の受付。供物や供花が届いたときに、贈り主の氏名、住所を記帳簿に記しておきます。受付係で することもあります。供物、供花の整理。葬儀前に届いた供物や供花を整理して棺の両側に並べますが、故人と血縁関係の濃い人、恩を受けた人などの物を棺の近くに置くのが一般的です。葬儀開始後に到着した物については、先着順に並べます。花輪の整理。花輪は外に並べるのがふつうです。花輪の列が隣家にまでおよぶ場合は、あらかじめ、事情を説明して許可を得ておきます。
 遺族は原則として正式喪服で調えますが、若い男性の場合は黒のモーニング、コートより黒い背広のほうが自然です。子供は学生服やグレーなどの服、世話役は略式喪服でかまいません。葬儀では茶色の服はなるべく避けるようにしましょう。
 葬儀の式次第は宗派や規模によって多少違いますし、地方によっては、昔ながらの風習が生きている場合もありますから、どの形式が正しいなどとはいえません。ここではごく一般的な葬儀形式について説明します。
 葬儀の席次は、会場の形などによって違いますが、一般的には祭壇に近いほうから、遺族、近親者、一般弔問客となります。中心から左右にわける場合は、祭壇に向かって右側の祭壇に近いほうから喪主、遺族、近親者、左側に葬儀委員長、世話役代表、友人、職場関係者と並びます。開式の一〇〜一五分前には入場が終わるように進行係は時間を見はからって、遺族、近親者、一般弔問客の入場をうながします。
 全員の入場が終わり、着席したところで、進行係は僧侶を迎え入れます。僧侶が入場したら、いす席の場合は全員起立し、座席の場合はその場で一礼して迎えます。
 僧侶が祭壇の中央に着席したところで、進行係 は開式の挨拶をします。
 僧侶の読経は葬儀の規模によって違いますが、三〇分前後が一般的です。この間は、あまり身動きできませんが、あまり緊張せずに、体の力を抜いて座るとよいでしょう。
 僧侶の読経が終わると、進行係は「ただ今より、弔辞をちょうだいいたします。○○○○様お願いいたします」などと述べます。
弔電の披露は、二、三通にとどめ、「時間の関係でお名前だけで省略させていただきます」、「○通いただいておりますが、時間の関係で省略させていただき、ご霊前に供えさせていただきます」などと断わりを述べます。
 導師とは、葬儀に加わっている僧侶の中で位がもっとも高い僧侶のことで、この導師が焼香をしたあとまた読経が始まります。
 読経の続く中で喪主から焼香を始めます。焼香は喪主が妻の場合は、妻に続いて、姓のかわらない子供、一般的には長男、次男の夫婦、長女、次女の夫婦、それぞれの子供、故人の両親、妻の両親、故人の兄弟姉妹、妻の兄弟姉妹と、ほぼ親等のとおりに続き、近親者が終わったあと葬儀委員長、故人が恩を受けた人などと続き、進行係は最後に焼香します。
 焼香には線香と抹香とがあります。また、焼香のしかたには座礼と立礼とがあります。葬儀のときは、抹香による焼香が多く行なわれます。
 一同の焼香が終わると、告別式に移るまでに、僧侶が退場する場合と、しない場合があります。僧侶が退場する場合には、参列者は一礼して送ります。僧侶が退場したあと、葬儀委員長や喪主が、参列者に挨拶をすることがあります。
 進行係が「これをもちまして、○○○○殿の葬儀はとどこおりなく終了いたしました」と閉式を告げます。

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