葬儀の準備

葬儀にはたくさんの人が出入りしますから、家の中はできるだけ広く使えるように、家具などは一部屋にまとめるなど工夫が必要です。
 祭壇を飾る部屋は最低六帖は必要で、その場合は遺族が五、六入座っただけで部屋がいっぱいになってしまいます。縁側があれば、弔問は縁側からできるようにセットするとよいでしょう。
 葬儀社に相談すれば、家の間取り、弔問客の予定人数などに合わせて、適当と思われる方法をとってくれます。
 祭壇を飾る部屋のほかに、控室、更衣室などが必要です。また、祭壇が飾ってある部屋では、原則として、食事はしないしきたりがありますから、通夜ぶるまいの部屋も必要ですが、控室と兼用してもよいでしょう。廊下などの通路には、障害物となる物は取りのぞき、玄関にある家族の履き物やかさなども別の場所に移しておきます。
 家内にある縁起物はもちろんですが、絵画や置物、その他の派手な飾りなどは、弔問客の目に触れないように、片付けておきます。
 また、神棚には扉を閉めて半紙などの白紙を貼って神棚封じをし、仏壇の扉も閉め、忌明けまで開けません。はずせない額などにも、半紙を貼っておきます。
 現在のアパートやマンションは、一般的に部屋が小さく仕切られているために、大勢の人が出入りするには不向きなので、団地の集会所や公民館を借りるほうがよいのですが、自宅でしなければならない場合には、隣りの家の一室を家具置場や控室に借りたり、廊下で焼香できるようにセッティングをしたりします。

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祭壇に飾る遺影は、故人の生前の写真の中から比較的新しい物で、正面を向いた笑顔の物を選びます。写真を葬儀社に渡すと、すぐに引き伸ばして額に入れてくれます。
 通夜や葬儀が始まってしまってからでは、必要な物をさがすのはたいへんでしょう。家具や荷物を一部屋につめ込んでしまってからではなおさらです。
 弔問客接待用の茶器、酒器、おしぼり、手ぬぐい、座ぶとん、弔問客と故人をしのぶときに役立つアルバム、喪服などの衣類と、事前に必要な物をよく調べて用意しておきます。
 世話役や葬儀社の人がいるとはいえ、通夜までは、遺族もしなければならないことがたくさんありますから、喪服よりも、地味な普段着ている服に、喪章をつける程度でよいでしょう。もちろん、アクセサリー類ははずし、派手な化粧も慎み、悲しみの装いを心がけます。
 忌中札は昔は黒枠付の半紙に書いたものですが、現在では、道順表示や駐車場案内、駐車札などといっしょに、印刷された物を葬儀社が用意してくれますから、家名や日時など必要事項を記入して、それぞれの場所に貼ります。
 葬儀に必要な帳簿の一つで、葬儀に関係のある買物をすべて記入しておきます。通夜の前に必要な物を買い調えなければなりませんから、早めに用意しましょう。これも葬儀社に用意してありますが、自分で作る場合は、奉書紙か半紙を細長く二つ折りにし、葬儀など不祝儀の場合は、折り目を上にして右とじにするのがしきたりです。香典帳、会葬者名簿とも共通です。世話役の中の会計係が管理します。
 記帳簿には前述の買物帳のほかに、会葬者名簿と香典帳があります。ともに受付係が管理します。会葬者名簿は、ほとんどの場合、会葬者が記入しますが、名刺を出す人もありますから、名簿に転記しておくと整理に便利です。香典帳は受付係が記入して会計係に渡すとよいでしょう。
 喪章は数種用意して、係別に使いわけると便利です。葬儀は喪主が中心ですから、喪主は大きめの喪章をつけるのがふつうのようです。
 玄関先や縁先に置いてある植木鉢や自転車、自動車などは、入の出入りの邪魔になりますから、ほかの場所に移しておきます。小さい草花や植木などはふまれて折れてしまうことがありますから、できればかりに植えかえておくとよいでしょう。特に色あざやかな草花は、悲しみの雰囲には場違いの感じを与えます。
 葬儀社で用意してくれる道路表示の紙に、家名や日時を記入して、最寄の駅から葬儀場所までの間の、曲り角などの要所要所の目につきやすい電柱などに貼っておきます。数時間だけの物ですから、はがすときのことを考えて、飛ばない程度にとめておきます。この仕事は、ほとんどの場合、世話役や葬儀社の人がしてくれます。
 玄関先には、裏返したすだれに、忌中と書いた黒枠の紙を貼ってさげます。日の光をさえぎり忌みこもる悲しみを表わしているのだそうです。最近ではすだれを使わずに、額に入れた忌中札をさげる家も多くなりました。忌中札には告別式の場所や日時を書き、弔問客に知らせることもあります。これも葬儀社で準備してくれます。
 やむを得ないこととはいえ、夜遅くまで人の出入りがあったり、隣家の庭先に自動車をとめたり、花輪を立てかけたりなど、隣近所にはいろいろ迷惑をかけることになりますから、あらかじめ挨拶をしておきたいものです。
 また、最寄駅からの途中にある交番や曲り角にある商店などにも、弔問客が道を尋ねたときに教えてもらえるように、挨拶をしておくとよいでしょう。
 葬儀中には、何台もの車が出入りしますから、路上駐車では、地方など空地が周囲にある場合は別ですが、隣家の玄関先まで車がつなり、迷惑をかけるばかりでなく、通行中の自動車の走行の妨げにもなります。近くに駐車場があれば事情を話して、その時間だけ借りる手はずを整えておくとよいでしょう。
 近くに駐車場がなかったり、路上駐車のできない道路で、付近での駐車が不可能であれば、あらかじめ、そのことを断わっておいたほうが親切です。
 弔問客の側でも、このようなときには、できるだけ自家用車はやめて、自動車が必要であれば、タクシーやハイヤーを利用するくらいの心づかいをしてあげたいものです。

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