遺体の引取と死亡の通知

病院で死亡した場合、処置の終わった遺体は、病院側が出入りの葬儀社に霊柩車か寝台車を手配してくれます。冬であれば五、六時間はかまいませんが、気温や道のり の関係でそのままの状態での保存がむずかしいときには、遺体を棺におさめて、ドライアイスをつめておきます。
 自宅まで遺体をはこぶことのできない遠方で死亡した場合は、現地で火葬し遺骨にしてもち帰ります。
 この場合も死亡証明書、死亡届を市町村役場に提出して火葬許可証を交付してもらわなければなりません。そして、病院なり火葬場で通夜や仮通夜をして、死亡してから二四時間経過したあとに火葬します。
 死亡後には事務処理など、しなければならないことがありますので、喪主のほかに近親者、世話役など二人以上の人と出向きます。
 特に、遠方であったり、事故死であったりしたときには、手続きがより煩雑ですから人手が必要になります。
 引き取どきには、医師や看護婦、その他お世話になった方々には、丁重に、心からのお礼を述べます。特にお世話になった人には品物を渡すなり、心付けを包むなりします。
 お礼や心付けは白無地の封筒か半紙に包んで渡します。
 病院で死亡した場合には、病院の支払いや、特別お世話になった人にはお礼のお金を包まなければなりません。また、自動車の運転手にも心付けが必要です。
 遠方の場合は、病院、医師への支払いのほかに宿泊費、火葬場や葬儀社への支払いがあります。
 また死亡の原因によっては、捜索費用、遺体収容費、死亡場所の寝具、家具の汚れに対する損害賠償、そのほか死亡した人に過失があった場合の損害賠償、世話になった方々への心付けなど、多額の現金が必要になります。

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死亡の通知は昔からの正式なしきたりでは、二人一組の使者を立てて知らせます。
 まず喪家との関係、氏名を名のってから、「○○様は、かねてから加療中でありましたが、そのかいもなく、本日○時にお亡くなりになりました。××××様の使者として、とりあえずお知らせにあがりました」というようなことを述べ、決まっていれば、通夜、葬儀、告別式の日時を知らせます。
 しかし、現在ではほとんど行なわれていません。
 親しい人、故人が仕事をしていた会社、団体などには、葬儀の日程が決まる前に、とりあえず死亡したことだけを伝えておきます。通夜、葬儀、告別式の日程が決まってから、その他の人たちに通知します。
 危篤の知らせと同様目上の人でも電話で知らせてもかまいません。早朝や深夜の場合は失礼を詫びてから切り出します。
 知らせる人が多いときは、親戚、友人などが手わけをしてかけます。悲嘆に暮れている家族が、故人と親しい人に連絡をするのは、悲しみをつのらせるばかりで、むしろ親戚、友人のほうがよい場合もあります。
 代理の場合、喪家との関係を述べ「○○様が今夕お亡くなりになりました。とりあえずお知らせします」などと告げます。
 電話で連絡の取れない場合は、電報で通知します。電文は死亡した人の名前、死亡時刻、死亡したことを知らせる文、発信人を必ず入れます。
 肉親であれば「チチシス」でよいのですが、そのほかの人であれば、必ず故人の名前を入れます。
 電報の使いかたの一つとして、遠方にいる近親者にいきなり死亡を知らせるよりは、「チチキトクレンラクコウ」などと電報 を打っておくのも、ショックをやわらげるのに役立ちます。
 そして、連絡があったら少し前に死亡したなどと事情を話し、なければ時間を置いて死亡の通知を打ちます。
 書面での通知は、一般的には黒か灰色の枠付の私製はがきが用いられますが、封書にする場合は、同じ枠付の封筒を使います。
 書式は、時候の挨拶など前文はいっさい抜きにして、故人との関係、故人の姓名、死因、死亡日時、場所、生前の親交に対するお礼を記し、通夜、葬儀、告別式の場所と時間、発信年月日、喪主、遺族の住所氏名のほか、友人代表、葬儀委員長の名を並べます。
 香典や供物を断わる場合も、その旨書き記しておきます。また、寺院、教会で葬儀を行なう場合以外は何式かを明記します。ただし、日本の葬儀の八〇パーセントが仏式なので、明記されていなければ仏式と考えられています。
 書式の見本は名刺やはがきを印刷している印刷所や葬儀社にありますが、あわただしいときでもありますので、葬儀社に一括して頼んだほうがよいでしょう。
 死亡通知状の印刷ができてきたら、親戚、世話役などでできるだけ早く宛名書きをして発送します。故人宛の手紙や住所録を参考にするとよいでしょう。
 電話で速絡ずみの人にも、確認の意味で発送しておきます。遠方の人には速達にします。
 故人が知名度の高い人であったり、要職にあったりした場合には、個人的には通知しきれませんから、新聞に死亡広告を出します。
 新聞社や扱っている広告代理店へ申し込んでもよいのですが、葬儀社に頼むと手間がかかりません。

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