人生について

 人生はしばしば旅にたとえられる。「月日は百代の過客にして」うんぬんと俳人芭蕉も「奥の細道」の冒頭に書いている。ところで、人生が旅行だという場合、二つの全くちがった結論が出てくるのではないだろうか。幼年、青年、壮年、老年、そしてそれらのものは過ぎ去って二度とかえらない、何というわびしいことであろうか。一方の人はこう結論するだろう。けれども私たちは次のようにも考えることができる。人生は旅なのだ。旅は面白いものだ。去年の風景と今年の風景はまるっきりちがっている。面白いことではないか。精いっぱい旅の面白さをいまのうちに昧わっておこう。

スポンサーリンク

 私は、このあとのほうの見方に賛成する。あなたは、「そりゃ旅行も若いうちは楽しいけれど、年をとってシワが出来、白髪がビンのあたりから一、二本ずつふえてゆくようになるとねぇ」こうおっしゃるなら、私はこう言う。
 人生という旅は、朝来明に出発し、夜旅路の終りに来るものだとする。だったらいちばん窓外の風景の美しくなるのは、そしてまた眺めていてしみじみ「いいなあ」と思うのは夕暮の景色ではないだろうか。あそこはとても美しかった、あそこは面白くなかった、しかし暮色一色に包まれ、山も何も谷も家も、淡彩の桧のように美しくかなしんでいるこの夕暮の今こそ、いちばん美しいように思われる、そう考えられないだろうか。
 遊ぶ時期、楽しむ時期、働く時期、そして最後に眺め暮す時期。まことに人生は長すぎもせず、短かすぎもしないようだ。誰の言葉だったか、人生は宴会のごときもの、いつまでも饗宴のテーブルにいぎたなくガン張っていないで、適当な時に席を立つべきもの。
 とにかく、人生は楽しく暮すべきものだ。人生め目的は何か、などと力みかえるのは、ゲーテに言わせれば、「緑の牧場で枯草を食う愚かもの」であり、愛する異性に求愛求婚するだけで、永遠に結婚しないようなものだ。「光あるうちに歩め」どうもお説教じみてしまった。

冠婚葬祭
人生について/ 人はなんのために生きているのか/ 二つの考え方があなたの人生を変える/ 理想と現実について/ 運命について/ 女性の幸福について/ 人生の幸福について/ 幸福と不幸について/ 幸・不幸の条件/ 明日への期待と希望/ 幸福をつかむために/ 幸福になる秘訣/ 成功について/ 教養について/ 敬愛される教養・敬遠される教養/ 教養とはなにか/ 礼儀について/ 女性的な女性・中性的な女性・男性的な女性/ 男女同権について/ 虚栄心について/ 気が小さいことについて/ 自分の能力の限界について/ 劣等感について/ 羞恥心について/ 謙遜と羞恥心について/ 厚かましさについて/ 純情について/ 涙について/ センチメンタルについて/ ロマンチックについて/ エゴイストについて/ ヒューマニズムについて/ 人生の悩みの解決について/ 悩みを解決するためになすべきこと/ 人前で上手に喋れないとき/ あなたが失敗したとき/ 悲しい目にあったとき/ クヨクヨと悩む時/ あなたの陰口を耳にしたとき/ 美しい女性について/ 醜い女性について/ あなたが美しくないとしたら/ 美しくない悩みの解決/ 魅力的であるということ/ 女が化粧するとき/ 理想の女性について/ 恋愛について/ 恋愛の表と裏/ 恋するものの心理/ 恋は盲目だということは/ 理性的な恋などない/ 失恋と男性への失望/ 恋愛への絶望について/ 失恋という経験について/ 誘惑について/ 独身について/ 告白について/ 三角関係について/

        copyrght(c).冠婚葬祭専科.all rights reserved

スポンサーリンク