販売員の心構え

 高度成長期には、お店の数も増え、お客さまの購買力もぐんぐんと仲びていったものです。あれも欲しい、これも欲しいという時代だったのです。ですから、販売員が黙って立っているだけでも売れていったというのもオーバーな話ではありませんでした。
 しかし、オイルショック以降、経済の低成長期に入り、物価上昇のわりには収入がふえず、お客さまの考え方も変わってきて、購買力が低下してきました。それにどこの家にもモノが豊富になってきましたので、販売に工夫と努力を要する時代になってきました。
 とすると、これからの販売員としては、販売の技術を磨くと同時に、ますます、お客さまを大切にするという心がまえをしっかり持っていないと販売競争に負けてしまうでしょう。
 お客さまは神さまという言葉がありますが、どんな仕事でもそうですが、お客さまがいらしてはじめて仕事が成り立つのです。
 お客さまが来店して、買ってくださらなければ、お店の売上げは仲びていきません。お店の売上げが増えなければ、販売員一人一人にとっても、経済的な面など大きな影響がでてきます。
 つまり、販売員にとってお客さまは、自分自身が生活していくための大切な方なのです。そう考えれば、いい加減な応対、感じの悪い接客などできるはずはありません。
 販売の心がまえとは、結局。お客さまを大切にしょうという心をもつことから生まれるものなのです。
 そこで、次のことについて心がけましょう。

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(1)誠意をもって
 「これの素材は何ですか。」
 「はい、綿100%です。」(ラベルには綿65%、ポリエステル35%と書いてある)
 「部品の取替えが可能だといったから買ったのですよ。」
 「そうですか、でも部品はないんです」
 こんないい加減な答え方や説明をされたのでは、お客さまに迷惑がかかります。
 「15日には入荷するといわれたので、今日きたのですけど」
 「そんなこと言いましたか、15日には入らなかったのですけど」
 こんな安請け合いをしたのではお客さまの信用を失なってしまいます。販売員は、つねにお客さまの立場に立って、考え、行動することを心がけましょう。
 誠意をもって接するとは、
 ・約束を守る。
 ・引き受けたことはきちんと実行する。
 ・いい加減なことは言わない。
 ・わからない事は調べてお答えする。
 など、自分の行動に責任を持つことです。
(2)思いやりをもって、親切に
 お客さまは、たとえ些細なことでも、「親切な販売員さんだわ」という印象をもたれることが多いものです。
 たとえば、
 ・おしぼりをひろげて、手渡してくれた。
 ・雨がふってきたので、紙袋ではなく、ビニール袋に入れてくれた。
 ・試着室で「背中のファスナーとめましょうか」と声をかけてくれた。
 ・スカーフを買ったら色々な結び方を教えてくれた。
 ・小物を買ったら、他の荷物を見て「手提袋を差し上げましょうか」と声をかけてくれた。
 こんなちょっとした心くばりが喜ばれるものですし、誰にでもできることなのですから、相手に対する思いやりを、ただ心の中で思っているだけでなく、実際の言葉や行動に出したいものです。
(3)間違いなく、確実に
 冬になると時々、新聞やテレビで、ガソリンスタントセで、白灯油とガソリンを間違えて売ったというニュースが報道されます。こういう危険な間違いは、事故のもとで、たいへん責任重大です。
 お客さまが立て続けにいらしたりすると、前後のお客さまの品物を間違えて渡してしまったり、確認不足で違うものを包んでしまったりという失敗もあるようです。
 Sさんは、あるお店に依頼して、ハンカチセットを30組ほど知人におくりました。ところが数日後、知人の一人から電話で、
 「貴女に言うのも何か悪い気がするんだけど、実は、この間おくっていただいた品ね、箱だけで、中味が入っていなかったのよ」
 ビックリしたSさん、早速、お店へ怒って行きました。そのお店で、よく調べてみますと、三人で手分けをしてセットしたのでお互いに気がつかず、空箱のまま包んでしまったのです。確認が足りなかったお店のミスです。もちろん丁重にお詫びをしましたが、お店の信用だけでなく、そんなお店で買物をしたSさんの信用までも、なくさせてしまったことになります。
 販売にたずさわる人は、注意深く、確実に間違いなく仕事をするように心がけましょう。
(4)迅速に
 お客さまはわがままなもので、ブラウスー枚でも決めるまでは「ああでもない、こうでもない」「あっち出して、こっち出して」「どっちにしたらいいかしら、迷っちゃう」などと長い時間をかけています。が、自分が決めた途端に、「ねえ、急いでいるの、早く包んでね」「まだかしら、私急がなくちゃ、○時に人と約束してるのよ」と、自分が決めるときにはゆうゆうとしているのに、販売員に対しては急げや急げです。しかしこれがお客さまの心理なのですから、少しでも早くパッケージ出来るように、練習をしておきましょう。おしゃべりをしたり、のんびりやっていると、お客さまをいっそうイライラさせてしまいます。
 あるハンバーガーショップで、発車までの、わずかな時間に買おうと思ったW氏、オーダーする時に、「悪いけどいそいでね」と頼みました。するとそれを受けた人は、奥へ向って、「ハンバーガーのお客さまお急ぎです」と声をかけました、それを聞いていたW氏、(うん、これなら間に合うな)とひと安心。しばらくするとまた、「お急ぎのハンバーガー出来ましたか」と調理室へ声をかけています。それをぎいてますます安心しました。声をかけても、かけなくても、実際の出来上りは、一分と違わないでしょう。しかし「急ぎです。出来ましたか」と何度も確認してくれると、二、三分早く出来そうな気がしてくるのです。販売員のちょっとした心くばりです。お客さまは、持たされたくない、早くしてほしいという気持ちをもっているのですから、お待たせしなければならないときは、「もう少々お待ち下さいませ」と声をかけることを忘れずに。
(5)いつでもどこでも公平に
 どのようなお客さまもお店にとって大事なお客さまです。全ての人に同じように接するのが原則です。買物の額の多い人だけ、丁寧にあいさつしたり、服装の立派な人や偉そうな人だけを良い席に坐らせたりすると、そうでないお客さまは非常に不愉快な思いをされます。接客の順番を守ることも、公平にすることの一つです。お得意さまだからといって、先にご用件をうかがったりするのはよくありません。ただ、お得意さまも、初めてのお客さまも、まるっきり同じように扱ったりすると、こんどはお得意さまが納得できません。そこでお得意さまには、「先日のネクタイ、ご主人さまのお好みにあいましたか」と一言二言、余分に声をかけたり、ちょっと奥へ入っていただいて、お茶を差し上げたりなど工夫をしてください。

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