正月の訪問と来客

 年始の時期は元日は避けて、二日から、おそくても松の内までには伺うようにします。先輩や目上の人を訪ねる場合が多いので、午前中は避けますが、明るいうちに訪問し、早めに帰ること。毎年、家族で訪問しているような相手の場合は、前もって都合を聞いておくことです。

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 年始先で、親しい間柄であれば、おとそをいただいて、ひとときを楽しく過ごすことになりますが、儀礼的なつきあいの場合は、取り次ぎに出た人に、年始のあいさつに伺ったことを伝えて、名刺を渡すだけで引きあげてもかまいません。多くの人から年賀を受けるような家では、名刺受けだけ玄関に置かれている例もあり、その場合は、名刺だけ置いて帰ればよいのです。その右肩に「賀正」と書いておくとていねいです。
 また、予定をたてて、何軒も回る場合は、引き止められても、その旨を告げて玄関先で引きあげて失礼にはなりません。
 年賀の品はお歳暮を済ませていれば特に持参する必要はありませんが、手みやげとして、菓子折りなどを持って伺う場合もあります。改まってご年賀の品を持参するときは、紅白の角砂糖とか、つくだ煮のびん詰め、焼きのり、珍味類、干菓子やドライケーキ、みかんなどが喜ばれるでしょう。
 子どものいる家庭なら、ゲームなどを用意すれば、いっしょに遊ぶことができます。
 新年のあいさつは「明けましておめでとうどざいます」、あるいは「新年おめでとうございます」といったあいさつのことばは、どんなに親しい中でも、きちんとかわしたいもの。年の初めだからこそ堅苦しいあいさつになってもよいのです。奇をてらって、むりに考えたことばよりは、聞き手にとって抵抗なく受け入れられるものです。
 他の客といっしょのとき、交際の広い家であればなお、見知らぬ客と同席することも考えられます。あとがら見えたお客が、主人にとってたいせつな人であると思われるときは、主人の紹介であいさつをかわしたあと、数分をおいて「これから回る先がございますので」といって帰ります。いずれにしても、年賀に伺ったときは、あまり長居をしないのが礼儀です。
 年始に見えたお客様は、ひとまずおとそをくみかわしてからお酒を勧め、おもてなしにはいるのがふつうです。玄関で帰る客には、主人や家族が玄関まで出てあいさつを受けるようにします。年賀の客は、多くは自分より年下や後輩にあたる立場の人が多いので、気楽にくつろぐことができるふんい気をつくり出すようにし、赤ちゃんや幼い子どもを連れて見える客があるときは、ちょっとしたおもちゃや絵本を用意すると申し分ありません。
 もし、訪問客かがち合ったときは、それぞれの客を紹介して、堅苦しくならないように気を配ります。留守にするときは、前もって年末のうちに、年賀に来そうな人に知らせておくほうが親切です。
 正月だからといって、ゆっくりもすわっていられないのが主婦というものです。したがって晴れ着も第一級のものを着るというわけにいかないので、お正月らしい明るい芭で、ウールのようにあまりよごれを気にしないですむ材質の着物を選び、必要に応じて黒の羽織を着るようにします。商家では羽織は着ない習慣があります。また正式にお客を迎えるときは、羽織は着ません。お客の接待には、着物の上に清潔なエプロンをつけてもよく、洋服の場合は、着物と比べるとけるかに気が楽ですが、座敷の場合は、タイトスカートは避けたほうが賢明です。エプロンを使うのは、ホステスエプロンといって、お客さまをもてなすときにも便う習慣があるぐらいで、まったくさしつかえありません。
 訪問するとき、道路事情によっては、せっかくの白たびがだいなしになってしまうときもあります。替えたびを用意して外出するのが本来ですが、特に目上の家庭をたずねての玄関で、たびをはき替えるのは至難のわざ。いっそのこと、たびカバーをはいて出て、カバーだけぬぐほうが楽です。女性の外出に、懐紙持参はもちろんですが、ご主人が便う白い大判ハンカチを何枚か用意すると便利です。ナプキンがわりにもなりますし、タクシーなどでは、帯山のよごれ防ぎにも役だちましょう。なお、ガーゼのおしぼりを用意しておくと、小さな食べこぼしのしみを作ったとき、これでふきとるという使い方もできます。

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