正月の料理

 屠蘇は新年を祝う意味でいただくお酒の一種ですが、山根、防風、白朮、桔梗、蜜柑皮、肉桂皮、赤小豆などを紅絹の三角形に縫った袋に入れ、みりんに浸したもので、甘い独特の味とかおりが特徴です。これを元日に飲むと一年の邪気を払い、長生きできると言い伝えられ、現代でも習慣として残っています。おとそ酒は、きゅうす型の澗鍋銚子と三つ重ね杯をセットにした酒器を用い、とっくりには入れません。銚子の柄に、祝い飾りをつけます。おとそにかぎり、いただくときは、年の若い人から、順次、年長者に杯を目します。正式には、三つ重ねの杯で上から順に三杯勧めますが、いちばん上の杯だけで、三度に区切ってついでもよいのです。こうした習慣を知らない若い人がお年寄りの客と同席したときは「お正月ですから若い人から先に」と、ことばを添えて勧めるとよいでしょう。

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 おとその作り方は大晦日の夜、とそ器にみりんを入れ、紅絹の袋に入れたとそを浸し、杯台に乗せた杯と、料理を詰めた重箱に柳箸をそろえて床の間に飾るのがならわしです。最近は、おとそ酒のかわりに、ふつうのお酒やぶどう酒を用いる家庭も多くなっています。
 雑煮の作り方は、地方によっていろいろなならわしがありますが、どくおおまかに分けると、主として関西方面で行なわれている、白みそ仕立てのものと、関東風の清汁仕立てのものとに分けることができます。また、地方により、その土地独特の産物を使うのも雑煮の特徴です。用いるもちも、関東ふうに切りもちを焼いて使う方法と、丸もちをゆでて使う調理法とがあります。
 雑煮は字の通りに、いろいろなものを煮ることで、正月の神祭りに供えた神饌をおろし、神様と食べるという意味ではじまったといわれています。
 作り方は、その地方のならわしや、家庭のしきたりによって違います。好みの調理方法をとり入れて祝ってよいのです。
 おせち料理というのは御節供料理のつまった言い方で、昔は節句を、季の変わり目として神前に食物を供えた料理をいいましたが、しだいに正月の料理だけをおせち料理というようになりました。
 おせち料理は組み重といって、四つ重ねの重箱に詰めておき、食べるときに取り分けるのが習慣です。
 一の重には口取り(きんとん、かまぼこ、どまめ、黒豆、数の子、卵焼きなど)、二の重には焼き物(ぶり、いか、えびなど魚介類の焼き物)、三の重には醵の物(紅白のなます、酢れんこん、しめこざし、しょうがなど)、与の重(控えの重)には煮物(さといも、れんこん、くわい、ごぼう、しいたけなどの野菜の煮物)を詰めるという習慣があります。
 しかし、こうしたきまりも最近はうすれてきていますし、重箱のない場合もあり、あまりとらわれないで、大皿にきれいに盛り合わせるのもよいものです。
 また、最近は、昔からのおせち料理にこだわらないで、洋風や中華風の料理を作る人も多くなっていますし、またそのほうが若い人にも喜ばれるようです。要は、新年らしく、きれいに盛りつける事と、三日ぐらいは保存しておけて、いちいち主婦が手をとられない料理にすることです。
 なお、おせち料理を詰めた重箱は、おとそと家族の新しい箸を添えて、大みそかに床の間に飾っておき、元日の朝に、家族そろっていただくのがならわしです。
 正月料理はおもちをはじめ、もたれる食べ物が多いので、食べ合わせをくふうしたり、特におもちは控え目にしておく注意が必要です。おもち一切れは、ごはんにするとほぼ茶碗一杯分の量があることも覚えておきたいもの。こうした注意を払ってもつい食べ過ぎてしまったときは、消化をたすけるジアスターゼをとる意味で、おせち料理のうちの大根とにんじんのなますや、大根おろしをいただいたり、あるいは薬剤としてのジアスターゼを飲んでおきます。幼い子どもは食べ過ぎると、てきめんにからだをこわすので、少量ずつ与えるという気配りが必要ですし、お年寄りには、のどにつかえるなどの事故がないよう、初めから小さく切っておくとよいようです。

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