正月の飾り付け

 しきたりどおり、床の間を中心にした飾りつけをする場合は掛け軸を選ぶことから始まります。めでたい文字を書いたものは掛け字ともいいますが、書でも画(目の出、松竹梅、鶴亀、蓬莱山、富士山、宝船などの絵)でも、あるいは色紙や額でも、祝儀の新年らしいものならばよく、床の広さと掛け物の大小によって一幅、二幅、三幅対などを用います。床には鏡もちを飾り、正月用の盆栽や松をあしらった生花を生けるのが習慣です。花を置く場所に、改まった制約はありませんが、掛け物の落款をかくさないように置くのがしきたりです。
 最近は、床の間のない家も多くなりました。床の間のないへやは入りロから遠い場所が工座、または庭のよく見える場所が上座となるので、そこのたなの上などに飾りつけをします。

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 鏡もちもともとは年神にお供えするもちのことですが、神棚だけでなく、床の間や手洗いなどにも飾ります。半紙を四方にたらした三方の上に、下は大きく、上は小さく、まるくまとめたもちを重ね、伊勢えびやだいだいを飾り、ゆずりは、あるいはうらじろを左右にあしらい、さらに正式にはかやの実、かちぐり、昆布、ごまめなどをのせたりします。こうした飾り方は、これでなければいけないという決まりはありません。飾り方は、鏡もちの道具を買うときに間けば教えてくれます。最近は三方のない家庭も多いので、わが家のインテリアにマッチするよう、お盆にのせたり、適当に変化を与えることを考えてもよいでしょう。飾る場所も、床の間におめでたい書画の掛け軸とともに飾るのがしきたりですが、洋間の飾りだなの上に飾ってもよいのです。
 花を飾るとき、苔松や根引松は、昔からお正月のものとされてきましたが、現代の都会では、こうしたものを飾るだけの床の間を持つことがむずかしくなりました。むしろ、鉢植えの小松や梅、福寿草などで正月を祝う気持ちを表現し、あとは自由な気持ちで花を生けたいものです。好みの花のうしろに舞い扇をあしらったり、金、銀の水引きを使うというアイディアも、これからの正月のあり方といえます。
 門松は松と竹とを組み合わせます。飾りつけの方法として、ささ竹と松の小枝を組み合わせるのは、主として商店街などで共同でしています。ふつうの家では、竹を斜めに切ったものを三本組み合わせて、まわりを松で囲むか、もっと簡単に、松の小枝だけを立てて輪飾りをつけたりします。いうまでもなく、常磐木の緑を万代まで栄えるようにという意味に掛けたぬので、家の門口に立てて、年神さまが寄る依代としたものです。これも一夜飾りをきらうので、二十九日までに立ててしまいたいものです。
 なお、このほかに「お飾り」と呼んで、鏡もちの飾りつけと同じものを使った玄関口の飾りを使うこともありますが、豪華なものを飾るよりも、輪飾りで済ます場合も多いようです。
 玄関先の飾り方は昔は入りロにしめなわをつけ、玉飾り(しめなわを丸くしたものに、うらじろ、ゆずりは、だいだい、昆布、ほんだわら、紙垂、水引き、伊勢えびなどをつけたもの)を飾ったものですが、最近は、玄関の片隅に小さな輪飾りをつける程度で済ます場合が多いようです。
 正月には、玄関にも生け花を飾り、きれいにしておきたいもの。特に年始の客が多いお宅では玄関の適当な台の上に袱紗を敷き、その上に黒塗りの角盆を置いた名刺受けを用意しておく必要もあるでしょう。
 神棚と仏壇の飾り方は新わらを左ないになったしめなわを張って、榊、燈明、酒、お供え物、小型の鏡もちを供えます。このしめなわはしめのこといって七筋、五筋、あるいは三筋のわらをさげ、そのわらの間に紙垂(四手と書くこともある)といって、白紙を切ってさげたものをはさみます。しめなわは、神前に向かって右に太いほうがくるように掛けます。
 鏡もち、しめ飾りは、いずれも年末の二十九日までに飾りつけを済ませておくのがしきたりです。
 仏壇のある場合は、暮れのうちに、仏具をそうじしてきれいにします。小さな鏡もちと花を供え、燈明をともし、線香も新しくそろえます。

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