出産を祝う

 無事出産、それが初めてであればなおさらのこと、長い苦しみに耐えて、大任を果たしたのですから、産婦さんはどんなに誇らしく豊かな気持でいることでしょう。親しい方々から祝福され、お祝いの手紙などいただいたら、どんなにうれしいかしれません。

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 特に出産の場合は、赤ちゃんが元気な産声をあげればいままでの苦痛がうそのようになくなってしまうのですから、知人のお見舞いはうれしいものです。けれども、出産直後は疲れが激しいので、出産後三、四日して退院間近いころ、短時間お見舞いするのがよいでしょう。疲れているから病院へ見舞うよりも、産後の床上げ直後にうかがうのがよいという考え方もありますが、ふつう床上げ直後は、お手伝いに来ていた人もいなくなり、家事や育児にいちばんたいへんなときです。それより、退院直前の病院のほうが、接待に気を使う必要もなく、寝たままでも失礼に当たらず、特に赤ちゃんが新生児室にいる場合は、ガラス越しに見られるので、衛生上も好ましいのです。ただし、病院では長居せず、おしゃべりも短時間で切り上げること。
 家に見舞うときは、せめて一か月以上、二か月ぐらいたって、落ちついてからがよいでしょう。
 出産の知らせを受けたら、まず、なにはともあれ手紙でお祝いの心を伝え、お祝い品を贈っておき、産婦が元気になったころ、赤ちゃんを見せてもらうのが、いちばん適当だと思います。
 生まれたばかりの赤ちゃんは、お世辞にもかわいいとはいえないでしょう。マンガに、生まれたての赤ちゃんをはさんで、両親が、「ハナはあなたそっくりよ」「目は君に似ているよ」などといったら、子どもが「サルにいちばん似てらあ」というのがありましたが、まさにその通り。赤ちゃんをほめるのはなかなかむずかしいのです。
 たとえばこんなことばを「まあ、元気のよい赤ちゃんですこと。いまにパパそっくりの美男子におなりよ」「まあ、赤いお顔ね。赤い赤ちゃんほどじょうぶで色が白くなるんですってね。いまにきれいなお嬢ちゃんにおなりよ。お楽しみね」
 友人の出産祝いでは、この程度の打ちとけたことばを使ってもけっこうです。
 「こんないい赤ちゃんをお産みになって、大てがらですわね」
 「おじいちゃまやおばあちゃまが大喜びでしょうね。当分孫自慢をおうかがいするようですわね」といったことが、少々常識的ですが実感のこもったお祝いのことばだと思います。
 うっかり言ってしまうことばに注意「もう初七日なのですってね、早いですわねえ」など。お七夜のまちがいですが、初七日は亡くなった方の七日目のことですから、言ったほうには悪気はなく、まったくうっかりといってしまったとしても、聞くほうは縁起でもない、といやな感じがします。こんな不用意なことぼけ、誠実さをも疑われますから、注意したいものです。
 また、もしあなたが出産の経験者であれば、先輩の経験を、特に赤ちゃんの発育のことで、ああだった、こうだったと、得意そうに話すのは、たいへんたしなみのないことです。
 たとえば、「あら、もう生まれて五週間以上たつのに、まだ夜中にお乳飲ませていらっしゃるのですか。うちでは、四週間ぐらいで夜中の授乳はやめましたわ」などと言うと、おかあさんになったばかりの人は、とても心配になります。分娩の経過にしろ、発育の状態にしろ、まったく個人によってちがうのですから、あなたの経験は決して同じように当てはまりません。むしろ、産婦さんのはじめての経験を暖かく聞いてあげるのが最上のお見舞いです。
 お祝いに来てくれたことはうれしくても、あまり長居されると迷惑するものです。授乳の時間もあります。おしめの洗たく、そして家事と、赤ちゃんがいると、いろいろ雑事もふえます。おしゃべりしたいことはたくさんあっても、またの機会にゆずって、適当な時間で引きあげましょう。
 特に入院中を見舞ったときは、面会時間や規則を守ることはもちろん、相べやの場合は、無事に出産した人ばかりとは限りませんから、おしゃべりの内容や声の大きさにも気をつけてください。

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