裏書の実際

 手形の裏書は、さまざまな目的でなされます。その中で、もっとも通常の裏書は、その手形が表彰する手形債権を譲渡することを目的としたものです。
 ところで、手形は裏書以外の原因、目的でも移転します。相続、合併、指名債権譲渡などがそれです。

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 しかし、裏書による債権の譲渡には、これらの通常の債権譲渡にはない特殊な効果が与えられています。まず第一が「権利の移転的効力」といわれているものです。
 手形は前にも述べましたように、その流通性と、支払いの簡便さと確実性が、まず第一です。
 そこで、裏書の移転的効力として、裏書によって、その手形が持っていた手形上のいっさいの権利は、被裏書人に完全に移転することになります(手形法七七条一項一号、一四条一項)。
 つまり、手形を裏書によって第三者に譲渡した場合、手形上のすべての権利は被裏書人に完全に移る、ということです。手形を譲り受けた人は、その手形を呈示して支払いを受けることも、さらに第三者に譲渡することもできます。
 しかし、手形外の権利であって、手形上の権利に付属しているような権利、例えば担保物権とか保証債権などもいっしょに移転するかどうがについては、いろいろと意見が分かれてます。
 手形被裏書人は、裏書の連続という外形的事実だけで、手形上のいっさいの権利を取得することになっています。こうした裏書の効果を、法律では「裏書の資格授与的効力」といっています。
 被裏書人は、真の権利者であることを証明しなくてもかまいません(善意取得)。
 しかし、偽造、詐取など、悪意または重大な過失によって取得した場合、被裏書人にこの効力は認められません。
 また、手形債務者(振出人)は、最後の被裏書人に手形金を支払って、手形上の債務を免れることができます。この場合たとえ被裏書人が不法にその手形を所持していても、振出人が善意に弁済しているのであれば、当然に手形債務を免れます。
 もし、裏書をして第三者に譲渡した手形が、振出人の倒産で不渡になったら、裏書人はどんな責任を負うのでしょうか。
 裏書人は、その振出人にかわって、自分より後に手形を取得する者に対して手形金を支払わなければなりません。これを裏書人の「担保責任」といいます。
 手形はその流通性が命ですから、これを助長するため、手形法で特に認められた効果といえます。裏書人がその手形を譲渡させた者に対して支払い責任を負うことにより、、手形の流通はより容易になるわけです。法律では、これを「裏書の担保的効力」といっています。
 したがって、信用のおけない人が振出した手形に、うっかり裏書したり、また、「ちょっとサインしてくれ」などといわれて裏書するのは、非常に危険だということです。その手形金を支払わなければならなくなります。
 裏書をしても、支払責任を負わなくてすむ方法があります。それは無担保裏書といわれているものです。

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