職場で知っておきたいこと

 労働災害という言葉はいろいろ使われておりますが、労基法上は労働者が業務上の理由によって負傷、疾病または死亡した場合をいいます。そして労基法の適用を受ける事業において、使用者はその故意過失の有無に関係なく、そこに定められた補償をしなければなりません。そして、災害補償を履行しない時は刑罰が使用者に課せられます。
 この労基法上の補償は最低限度を定めたものです。労働協約においてこれを上回る補償を定めることは望ましいことであり、逆にこれを下回ることは許されません。
 労災保険とは 労働災害に対する補償は刑罰により強制されていますが、結局は使用者に資力がなければ効果がありません。そこで使用者の災害補償責任が完全に履行されるために、労働災害補償保険制度が設けられています。国が保険者となり、事業主(使用者)から保険料を徴収し、被災労働者に対し直接保険給付を行います。さらに、労基法上の補償が一時金でなされるのに対し、年金による保険給付、あるいは長期傷病補償給付など被災者に有効な補償が行われます。

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 社内預金制度は、使用者としては労働管理上経営資金上のメリットがあり、労働者としても一般の預貯金に比べて利率が高く、また借入れをおこす際有利に借りられるなどのメリットがあり現在ではかなり普及しています。しかし預金の種類、運用方法、利率などの細目は各企業により様々のようです。労基法一八条は、賃金が強制的に天引きされ、労働者に全額払われないことを防ぐため、労働者に対し強制的に貯金させることを禁じ、労働協約の締結、労働基準監督署への届出を義務づけ、さらに預金払戻請求権の保全措置を講ずることを規定しています。預金を使用者の事業資金として運用している場合、企業の資金ぐりが急激に悪化したり、倒産した際には、保全措置が講じてあっても、あるいは流用する使用者があり、労働債権のように優先権がないため、回収が非常に困難となる事例も多いようです。したがって社内預金としてはまず、労働者に対するメリットとしての労働者の勤労意欲、生活安定、企業意識の高揚などを目的として実施すべきです。そして資金の運用は厚生投資、厚生貸付など労働者の福利厚生のために使用し、資金を安全に運用するように心がけるべきです。
 深刻な住宅難を反映して労働者、特に世帯者の住宅対策は今や福利厚生の重要な柱となっています。社宅に重点を置く会社もあれば、持家制度に重点を置く会社もあるなどいろいろです。
 一般の労働者は、やはり持家制度を希望する人が多いようです。そこで使用者としては、多くの持家希望労働者を合理的基準で選択するため、明確な基準を作っておくべきで、また、返済や給料やボーナスからの天引をともなうなら労働協約を締結しておかなければなりません。
 住宅資金の貸付制度は住宅預金積立と併用されることが多いようです。住宅資金貸付までの一定期間、社内預金を積立てるのが、貸付の条件となります。使用者は住宅資金積立金台帳を労働者別に作成し、住宅積立金通帳は個人別に交付します。そしてこの制度の加入者から代表者を選び市中金融機関との間に「社内預金保全のための保証に関する約定」を締結して積立金の保全をはかります。
 住宅資金貸付制度は、勤続年数、担保となる退職金の額を考慮して貸付額を決めます。また希望者が多いことなどから普通、最高限度額が定められています。貸付金の交付にあたっては、使用者の債権を保全するため抵当権が設定されることになります。企業の社宅資金貸付制度だけの借入では不充分のことが多く、他の市中金融機関から借入を併用することが多いのですが、その場合企業の抵当権が順位二番以下となることはやむを得ないでしよう。また一般に労働者は不動産に関する法律や税金に知識がうとく、あるいは安い金利の資金を利用する方法も知らないのが普通です。労働者にとって家の購入は一生涯の買物となるわけですから、気軽に相談できる窓口を職場の中に設置することが望まれます。
 労基法は労働条件等につき労働者保護の実効性を保障するために監督制度を導入しています。違反行為の生じた後になされる民事、刑事の事後指置ではなく、事前措置による救済をせんがためですが、本来は国家による統制は望ましいものではなく、したがって、まず当該機関による教育的啓蒙活動が望まれます。監督機関は、労働省の直轄のもとに、労働基準局、都道府県労働基準局、労働基準監督署、労働基準監督署と一元化されています。
 労働基準監督署は、監督権限を専有し、身分は保障され、行政上、司法警察員および即時処分などの権限を有します(労基法一〇〇、一〇三条)。
 争議の調整は誰がやってもさしつかえないのですが、労調法上は労働協約によって当事者が設置するものと、国または都道府県が設置する各種労働委員会があります。
 国または地方公共団体が設置する調整機関は、一般の企業および地方公営企業については中央、地方労働委員会(労組法二〇条、地公労四条)、船員については中央、地方船員労働委員会(労組法一九条二二項)、公共企業体及び政府五現業については公共企業体等労働委員会(公労五章)です。
 これらの労働委員会は、いわゆる三者構成の常設かつ特殊な委員会で、調整については斡旋、調停、仲裁のすべてを行い、不当労働行為の審査など準司法的業務も行いますが、委員会としての調整は交通整理的役割をするだけで、具体的事件の調整はそのつど設けられた斡旋委員や、調停委員会、仲裁委員会により行われます。
 経済の著しい発展にともない、若年労働力や技能労働力を中心とした労働力不足に対応するため、労働力需給状況の総合的な把握と、雇用保険制度とを有機一体として運用する公共職業安定所が設けられています。公共職業安定所は、労働大臣の直轄機関として、労働省職業安定局の下に全国に配置され、職業紹介、職業指導、雇用保険などに関する業務を行っています。
 現代の急激な技術革新の進展は高度の技術を必要とする分野を広げ、産業構造ひいては就職構造に変化をもたらしました。一方において特定産業の斜陽化による大量の失業者の発生や、一般的な未熟練労働力の過剰が存在し、他方においては技能労働力の極端な不足という事態が生じています。そこで職業訓練法は、産業技術の高度な訓練を実施するため、公共職業訓練施設を設置しています。公共職業訓練施設には、無技能求職者を対象に基礎的訓練を行う一般職業訓練所(職訓法五条)と、雇用労働者、求職者を対象に専門的訓練を行う総合職業訓練所(同法六条)が基本的施設としてあります。これらは国や、雇用促進事業団、市町村などによって設置運営されています。

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