賃金について

 賃金とは、賃金・給料・手当・賞与その他名称の如何をとわず労働の対償(対価)として使用者が労働者に支払うすべてのものをいいます。法律によっては、報酬とか給料という表現を使っているものもありますが、いずれも同一の意味です。
 賃金はいろいろな労働条件の中で、最も重要なものです。使用者と労働者が交渉の場で合意し、その決定は労働契約になります。
 こうした賃金の決定に際しては、同一労働同一賃金でなければなりません(労基法三条)。国籍、人種、信条、社会的身分、性別、年齢などで差別的取扱いをしてはなりません。賃金は就業規則などによる明確な一定の基準で支払わなければならないのです(労基法八九条一項二号)。
 退職金や慶弔金であっても、就業規則や賃金規程により定められた基準に基づいて支払われるものは賃金ということになります。また、これには給食とか、社宅の入居という現物給付のものも含まれます。
 したがって労働者は、これを平均賃金とか割増賃金を計算する場合の計算の基礎にすることができます。しかし、制服の支給とか、保養所の利用などという労働自体の対価ではないものは賃金には含まれません。

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 賃金は労働者の生活を保障するため確実に労働者に支払われなければなりません。そこで労基法は賃金の支払方法を明確に規定しており(同法二四条)、これに違反すると刑罰が課せられます(同法一二〇条一号)。
(1)通貨払いの原則
 賃金は交換手段として最も有利な通貨(強制通用力のある貨幣)によって支払うことを義務づけています。しかし不利益となるおそれがない場合、法令または労働協約に別段の定めがあるときには現物給与が例外として認められます。そこで最近多くの企業で行われている口座振込や小切手による支払いは労働協約の締結ならびに個々の労働者の同意が必要とされます。
(2)直接払いの原則
 賃金は直接労働者に支払わなければなりません。親方や仲介人あるいは未成年労働者の親権者などが搾取したり奪い去ることを防ぐためです。しかし労働者から依頼を受けた使者に対する支払いは差し支えないものとされています。
(3)全額払いの原則
 使用者は賃金の金額を現実に支払わなければなりません。使用者が労働者に売った物品の代金や、社内預金などは個々の労働者の同意がないかぎりはじめから控除することはできません。しかし、源泉徴収税や保険料などは法律上例外とされており、事由が明白なものについては、「賃金の一部控除に関する書面協定」などの労使間の協定を締結することにより控除することができます。
(4)毎月最低一回払いの原則
(5)一定期日払いの原則(確定日払の原則)
 賃金は毎月一回以上、一定の期仰を定めて支払わなければなりません。そして支払日は就業規則の絶対的記載事項となっております。賃金支払期の間隔が開き過ぎることは労働者の生活上の不安を招きます。これを防ぐためにも労働者の定期的収入を確保する必要があるのです。
 ただしこの原則は賃金のすべてに適用があるのではなく、賞与あるいは隔月に支払われる特別手当などには適用されません。またこの原則は多額の前払をも禁止するという趣旨でもあります。数カ月分も前もって支払うことは前措金となり、労働者を不当に拘束するという見地から禁じられています。しかし会社が倒産した場合には、倒産直前に、あるいは倒産においこまれた後、使用者が賃金を支払えなかったとしても、使用者として賃金支払いのために最善の努力をし、それでもなお支払えなかったという事情があれば罰則の適用は受けません。

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