労働者派遣、出向、請負、業務委託の区分

 労働者派遣は自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に他人に派遣するのに対し、労働者供給事業主とは、供給元と労働者との間に雇用のない者を事実上の支配関係により供給契約によって、供給先と労働者との間に雇用関係又は指揮命令関係を生ぜしめるものをいいます。この労働者供給事業については、今後とも職業安定法第四四条の規定により、原則として禁止されるものです。

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 「出向」とは、出向元との雇用関係を有しながら出向命令により、「出向先の従業員としての地位をも有し」出向先に勤務するものをいい、従って、出向先とも雇用関係が生じます。「派遣」とは、「派遣先の従業員としての地位は一切持たず、派遣先の一員とはならない」のであり、この点がまず異なります。また派遣は「業」として行われるものですが、出向は企業間の人事異動、雇用調整、業務提携等が目的で、業として行われるものではありません。
 請負は、注文主の注文に従って受注者が自らの裁量と責任のもとに自己の雇用する労働者を自ら使用して仕事の完成に当り、注文主が労働者を指揮命令して業務に従事させるということが一切ない点で派遣と異なります。したがって、請負といえるためには自社の労務指揮下に、自社のために、請負先で自社の請け負った業務の完成目的のために、就労するものでなければなりません。
 したがって、相手先企業の労務指揮命令を一切受けない点において区別されます。なお、この点について、「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」が定められていますので、この要件を充足しなければなりません。
 業務委託とは、委託者がある業務や事務の処理を委託し、受託者がその処理を承諾し、自己の責任と裁量において受託事務の処理をすることをいうのですが、請負の場合と同様、受託者が自社の事業として行うものであり、このため労働者を委託者のところに派遣していても、受託業務の独立処理のためで自社としての業務処理のためであって、委託者側は労務管理は全く行わず、一切の労務指揮をしないものです。
 しかし、現実の就労場所が業務委託先の企業内であるため、施設管理や就労場所に関する規律には従わなければならない点で、きちんと請負人や受託者利か自社の責任者を配置する等して、指揮監督を明確にしておかないと注文者や委託企業(親会社が多い)の直傭労働者と同じではないかとの問題を若起するので留意すべきです。
 派遣店員は、派遣先事業主は、派遣店員の就労場所を提供するが、業務遂行上の指揮命令をしない点で、労働者派遣と異なります。ただし、販売店や代理店にメーカーが、メンテナンスやクレーム処理要員として、派遣駐在を命じたような場合、派遣先に対し派還元が出退勤管理を委任する場合もあますが、この場合も、派遣先の立場ではなく、派還元の立場で、派還元に代って事実の把握をする程度にすぎないのです。
 このいわゆる店員派遣は、いねば自社(派遣元)の事業所や作業場が派遣先の企業の中にあるようなものですから、全面的な指揮命令関係や人事関係が派還元にあるのです。
 二重派遣とは派遣先が派遣元事業主から派遣を受けた派遣労働者をさらに業として第三者(自社が労働者派遣契約をしている派遣先へ)派遣することをいうものです。
 この場合には、派遣元は、派遣労働者を雇用していないわけですから、当該派遣労働者をさらに第三者へ派遣することについては全く権限がなく、事実上の支配下にある労働者を第三者に派遣し、その指揮命令下に労働に従事させるわけですから職安法第五条第六項の労働者供給に該当するのであり、それを反覆継続し、又はその意思をもって行うことは「業」に該当し、違法となるので禁止されています。

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