労働者派遣法とは

 人材派遣法と通称される「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整俺等に関する法律」(以下「労働者派遣法」という)は、昭和60年6月11日に国会で成立し、同年7月5日公布され、翌昭和61年7月1目から施行されました。
 この法律は従来職安法第四四条で禁止されていた労働者供給事業のうち「自己の雇用する労働者を、当詰雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させる」形態のものについて、労働力の需給の適正な調整を図るため労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置を講ずるとともに、派遣労働者の就業に関する条件の整備を図ることを目的として、これを一定の要件のもとに想定し、適法なものとして特定の業務に限って、労働大臣の許可又は届出受理を要件として法制度化して認めることとしたものです。

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 自己の雇用する労働者以外の第三者の労務を利用する契約形態は、わが国の現在の社会生活の中にいろいろありますが、その中で労働者派遣法に定める「労働者派遣」の位置づけを、企業における第三者の労務利用形態としてみますと、請負契約という、請負人がある仕事を完成し、それに対して注文者が報酬を与えることを約するという形の他人の労務を利用する契約(民法第六三二条参照)と、業務委託と称される法律行為ではない一定の事務を処理することを相手方に委託し、相手方がその目的の範囲内においてある程度の自由裁量をもって、その事務を処理することを承諾し、その対価としての報酬を支払うという形の事務処理のための労務利用契約(民法第六五六条参照)が典型的なものとして行われています。
 さらに、企業間の人事異動的な形態として、会社間の契約によって雇用関係を維持したまま相手方の会社に赴き、相手方の会社の従業員としての地位を取得し、その会社の従業員として、その会社に労務を提供し、その対価として雇用主または出向先から賃金が支払われるという、いわゆる在籍出向、また、他社に赴いて業務を行うものですが、自社の業務としてそれを行う形態、たとえばデパート等への派遣店員、スーパー等への自社商品の販売促進のためのマネキン等の宣伝要員の派遣、メーカーの代理店へのサービスマンとしての派遣等の形態であるいわゆる店員派遣形のものもあります。
 そのほかに、労働者供給契約に基づいて労働者を他人に使用させる、労働者供給形態の契約もあります。
 労働者派遣法は、この労働者供給形態のうち「自己の雇用する労働者」を他人に派遣し、他人の指揮命令を受けて労働させる形態のものについて、特定の業務に限って、これを許可ないし届出という一定の要件のもとに認めようというものです。
 したがって、前述した「請負」、「業務委託」、「出向」、「店員派遣」等については、それが「労働者供給」の業態を有するものでない限り問題なく、憲法の定める「営業の自由」と「契約自由の原則」の下に、なんら制限もなく自由に行って差し支えないのです。
 労働者派遣法は「労働者派遣」として、「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下にかつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まない」(法第二条第一号)を定義し、これを「業」として行うことを「労働者派遣事業」(法第二条第三号)といっています。
 すなわち、派遣元と労働者との間に雇用関係があり、派遣先と労働者との間には雇用関係はなく指揮命令の関係のみが生ずるものをいい、これらの点が労働者派遣と他の制度を区別する重要な要素となっています。
 そして、「業として行う」とは、一定の目的をもって同種の行為を反復継続的に遂行することをいい、具体的には、営利を目的とするか否か、事業としての独立性があるか否かが重要な判断要素となっています。
 「業」としない一時的、臨時的派遣にもこの法律の適用はありますが、業とするものについては、「何人も、適用対象業務以外の業務について労働者派遣事業を行ってはならない」(第四条第三項)と罰則をもって対象業務以外への労働者派遣事業は禁止されています。

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