企業責任の問題

 近年、企業責任ということばをよく耳にします。わかりやすくいえば、企業責任とは「企業がその活動によって他人に加える損害を賠償する責任」ということがいえます。
 現代の企業活動は、巨大な利潤を生むと同時に、はなはだしい危険(例えば、鉱害、交通事故、食品事故など)をともなっています。ところが、こうした危険は予防が不可能ですから、従来の過失責任主義では、企業の責任を認めることは困難です。そこで、企業活動から生ずる損害は常に企業に賠償させるのが公正であるという考え方(「危険責任」「報償責任」)に基づき無過失責任主義が主張されるようになりました。

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 契約などの法律行為は、本人より代理権限を与えられた第三者による独立の行為により、直接その法律効果を本人に帰属さすことができます。これを代理といいます。代理権がないのに代理人であるとして法律行為がなされたとき、代理権があるか否かは、本人と代理人との内部関係ですから、相手方はこれを正確には知り得ません。そこで民法は、取引の安全と代理制度の信用を維持するため、取引の相手方が代理権のかいことを知らず、代理権があると信じそして、信じたことに過失がない場合には、表見代理人として、代理権があった場合と同様、本人に対し法律効果が及ぶことを認めています。
 民法の規定する表見代理には、本人が第三者に対し、ある人を自分の代理人である旨表明した場合(一〇九条)、代理人が自己に与えられた代理権の範囲を超えた権限揄越の場合、そして、代理人の代理権がすでに消滅していた場合と三種類あります。したがって、まったく代理権のない者の代理行為は、表見代理が成立する余地はありません。
 ある事業のために他人を使用する使用者には、被用者がその事業の執行にあたり第三者に与えた損害を賠償する責任があります。これを「使用者責任」といいます。被用者は通常充分な資力を有しないことから、事業執行につきなされた不法行為については、その使用者に対し損害賠償責任を認め、被害者を保護しようというものです。
 ただし、使用者が被用者の選任監督について相当の注意をなしたとき、または、相当の注意をしても損害が生じざるをえなかった場合には、免責が認められています。
 しかしながら判例は、本条の責任を広く認め、使用関係につき、法的に有効な契約関係にある場合に限らず、事実上の使用者、形式上別個の企業における実質的同一企業組織の使用者、営業上の名義を貸与している名義貸与者などにつき、いずれもその責任を認めています。
 また、事業の執行につきなされたか否かも、外形的に客観的に事業の執行か否かを判断すべきであるとしています。したがって例えば、被用者が私利をはかった場合や、使用者の禁止に違反したような不当な事業執行、あるいは自動車の事故のような事業行為にまで使用者責任が適用されるのです。

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