銀行での本人確認

 銀行の窓口で預金を引出す際、本人であることの確認を受けました。証明するもののない場合はどうすればよいでしょうか。

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 このときは、本人の場合、妻など代理人が引出す場合に分けて考えられます。
(1)本人の場合
 定期預金の中途解約など特別な事情以外は通帳と届出印があれば充分です。
(2)妻など代理人の場合
 通帳と本人届出印による委任状と届出印が必要です。
 預金の払出しは日常極めて安易に処理されていますが、預金者の確認という法律的な問題と、複雑にして速度を要求される経済環境における日常取引の現実は、極めて難しい調和が要求されます。
 預金のかかには、租税対策や財産隠匿その他の理由から、架空名義あるいは実在する他人名義を用いた預金などもあります。これらは、預金の出捐者、預金名義人、預入行為者がそれぞれ異なる場合もあります。これらの者の内、誰が真の預金者であるかについて、これらの者と銀行との間で紛争を生ずるこ之があり、その判定も必ずしも容易ではなく、判例も一定ではありません。最近の通説では、自らの出捐によって、自己の預金とする意思で、銀行に対して、自らまたは代理人を通じて預金契約をした者が預金者であるとしています。
 したがって、銀行は預金通帳を持ってきた者に支払えば良いというわけにはゆかず、常に正当な預金者か受領権者に対してのみ支払わなくてはなりません。
 しかし、銀行は不特定多数の預金者と取引をしていますので、誰が、その預金の正当な権利者であるかを確認することは容易なことではありません。そこで銀行は、預金通帳と届出印を持参している者を一般的には預金者とみなして払戻しをすることとしています。預金約款にも、預金者が預金の払戻しを請求するときは、通帳と届出印を押印した払戻請求書を提出することとし、払戻請求書の印影と届出印鑑とを照合して相違ないと認めた上で支払ったときは、預金権利者以外に支払った場合でも、銀行は責任を負わない旨を定めています。
 また法律上も、銀行が預金者らしくみえる外観を有する者を預金者と信じ、しかもそう信ずることについて過失がないときは、相手方が預金者でなかったとしても、支払の効力は認められます(民法四七八条準占有者に対する弁済)。相手が預金者の代理人らしくみえる場合についても適用されるとしております。
 つまり銀行としては、特別に不自然な怪しまなくてはならない事情のない限り、通帳と印鑑照合によって預金者であるかどうかを確認すれば良いということになります。預金者としても、自らが正当な預金者であることを証明するのに通帳と届出印を示せば足りるということがお互いに便利であるということで商慣習もこれを認めているわけです。
 一方、代理人の場合は、預金者の代理行為であることを証明するものがなくてはなりません。代理人が本人の妻など近親者であっても、正当な代理行為を示す委任条項を明記した委任状が必要となるわけです。

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