公図と境界が違っている

 私の土地と隣りのAさんの土地との間には、昔から生垣があり、そこが境界だと思ってきました。ところが、最近Aさんが登記所の地図(公図)をみたら、どうもAさんの土地に入りこんでいるから、正しい境界にしてくれないかといわれました。Aさんの要求をのまなくてはなりませんでしょうか。

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 この場合、今ある生垣がどういう経過で設置されたかが問題となります。
 一般的にいって、境界に屏や生垣を設置する場合は、元からあった境界線上の屏や生垣をこわして、その上に新しく建てることが多いからです。また境界が定まっていない場合は、両方の土地所有者で話し合い(立会って)、境界線を確定した上で生垣や塀を建てます。
 こうした場合、法律的には当事者で境界の確定協定が成立しているものと考えられます。これは別に契約書がなくてもよく、黙認でもよいわけです。
 しかし、当事者の一方が、境界が公図と同じ線だと勘違いしていたり、何らかの勘違いなどで、黙認していた場合は、境界の確定協定が成立していたとは考えられません(錯誤による無効、民法九五条)。
 もし、隣りが自分勝手に屏を作り、越境してきた場合は、当然に、正しい境界まで後退させることができます。
 ところで、本問のように、長い間、平穏無事に生垣が境界としての役割を果しているのであれば、いくらAさんが公図と違っているからといって、所有権の及ぶ範囲を示す境界の変更は認められません。つまり次項で説明しますように、公図は絶対的に信頼できるものではなく間違いもあるものであり、また、現在の境界の確定に合意があったものと考えられるだけでなく、取得時効が完成しているものと考えられるからです。つまり、あなたは、Aさんに対して、現在の境界(所有権の及ぶ範囲)が正しい境界であると主張することができるわけです。Aさんは、あなたの主張に対し、よほどの反対の証拠を出さない限り、自分の主張を通すことはできないでしょう。

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