区画整理とその対策

 土地区画整理事業とは、簡単にいえば「都市計画区域内において、公共施設(道路、公園、広場、河川、運河、船だまり、水路、堤防、護岸、公共物揚場及び緑地)の整備改善及び宅地の利用増進を図るため、土地の区画形質を変更し、また、公共施設を新設し、変更する」ものということになります。これらとあわせて行われる限りにおいては、その施行上または施行に係る土地の利用の促進上必要な褐件の設置、管理及び処分と埋立て、または干拓も、土地区画整理事業に含まれます。
 土地区画整理事業が都市計画で定められた施行区域内で行われるときは、都市計画事業ということになります。

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 施行者には、個人施行者(一人施行または共同施行)、土地区画整理組合、地方公共団体(都道府県または市町村)、行政庁(国土交通大臣、都道府県知事または市町村長)、住宅・都市整備公団、地域振興整備公団または地方住宅供給公社の七種類があります。
 ところで、これらの施行者のうち、個人施行者及び土地区画整理組合については、事業の着手にあたっては、一定の地権者の同意が必要となっており、また、地権者が自ら施行者となり、または施行者の意思決定続開に参画するなど、地権者の意向に基づき事業が実施されます。その他の施行者については、事業の着手にあたり地権者の同意は必要となっておらず、また、地権者が施行者の意思決定機関に参画もしていないので、その諮問機関として土地区画整理審議会を設け、地権者の意向に則しつつ事業が実施されるものとされています。この審議会は当該事業に係る宅地の所有権者及び借地権者からそれぞれ選挙された委員と一部の学識経験者委員とから構成され、換地計画、仮換地の指定及び減価袖償金の交付に開する事項について権限を行使します。
 事業計画の記載事項は、施行地区(工区を設ける場合には、施行地区及び工区)、設計の概要、事業施行期問及び資金計画です。この事業計画においては、施行地区は都市計画で定められた施行区域の内外にわたらないように定めなければなりません。また、この事業計国は、公共施設その他の施設または土地区画整理事業に関する都市計画が定められている場合には、その都市計画に適合していなければなりません。
 事業計画は、その内容が換地計画の内容を拘束するという、重大な効果があります。
 事業計画の認可または決定にあたっては、個人施行者に係る場合を除いて、事業計画が二週間にわたって縦覧され、縦覧期間開始の日から四週間にわたって都道府県知事に意見書を提出する機会が利害関係者に与えられます。
 換地計画の記載事項は、換地設計、各筆換地明細、各筆権利別清算金明細、保留地その他の特別の定めをする土地の明細などです。
 換地計画を定めるにあたっては、個人施行者に係る場合を除いて、換地計画が二週間にわたって縦覧され、その縦覧期間内に施行者に意見書を提出する機会が利害関係者に与えられます。
 施行者は、換地処分を行う前に、土地の区画形質の変更若くは公共施設の新設若くは変更に係る工事のため必要がある場合、または換地計画に基づき換地処分を行うため必要がある場合には、施行地区内の宅地について仮換地を指定します。とともに、従前宅地を使用し、または収益することができる権利を有する者があるときは、その仮換地について仮にそれらの権利の目的となる宅地またはその部分を指定することができます。
 このようにして仮換地が指定されると、従前の宅地について権原に基づき使用し、または収益することができる者は、仮換地の指定の効力発生の日から換地処分に係る公告がある日まで、仮換地などについて従前と同じ内容の使用または収益をすることができますが、従前の宅地については使用し、または収益することができたくなります。もっとも、仮換地について使用または収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生の日と別に定めることとされたときに、その日まで仮換地などを使用し、または収益することができません。この間、従前の宅地及び仮換地などとともに使用し、または収益することができない事態が生じますので(土地区画整理法第一〇〇条の二の施行者の管理権に基づきしばらくの間、従前の宅地を使用し、または収益することが認められるとき沌ある)通常生ずべき損失の補償を受けることができます。
 換地処分は、原則として、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事が完了した後に、遅滞なく行われます。この換地処分があった場合には、その旨が公告され、換地計画において定められた換地などが公告のあった日の翌日から従前の宅地等とみなされるなど種々の効果が生じます。
 施行者は、仮換地などを指定した場合、公共施設の変更もしくは廃止に関する工事を施行する場合などにおいては、建築物などの移転または除却をすることができます。この移転または除却の第一次的な責任は施行者にありますが、所有者による自主移転または自主除却を認め、あらかじめ建築物などの所有者などに対して通知照会することとなっています。
 このようにして、施行者が直接に、または所有者が自ら建築物などを移転し、または除却したことによって損失が生じた場合には、施行者(施行者が行政庁であるときには、国、都道府県または市町村)がその損失を受けた者に対して通常生ずべき損失を補償します。もっとも、その建築物などが土地区画整理法、都市計画法または建築基準法の規定により移転または除却を命じられているものである場合には、この限りではありません。逆に、直接施行した施行者は、その移転または除却の費用を建築物などの所有者から徴収することができます。
 清算金は、換地設計のもとで各筆換地明細を定める場合に不均衡が生じるとき、これを金銭によって清算するものです。
 これは従前の宅地の評定価額を修正した権利価額と換地の評定価額とを比較しつつ算出しますが、評価時点は土地区画整理事業の工事完成時を採り、また、評価額は固定資産税評価額などによることが一般的です。
 なお、この清算金は、換地処分に係る公告があった日の翌日に確定します。
 他方、減価補償金は、施行者が地方公共団体、行政庁または公団である場合には、土地区画整理事業の施行により、施行後の宅地の価額の総額が施行前の宅地の価額の総額より減少したときに、損失補償金として支払われるものです。
 土地区画整理事業の事業計画の決定・認可、事業計画及び換地計画に係る意見書の不採択通知などについては、行政不服審査法による不服申立ができません。
 しかし、仮換地の指定、、建築物などの移転通知、換地処分などについては、不服申立てを提起することができます。現実問題として、不服申立はかなりの数にのぼります。その理由としては、争うこととした行政処分が、(換地と従前の宅地とはその位置、地積、土質、水利、利用状況、環境などが照応しなければならない)という照応の原則など換地計画の決定の基準に適合していないとするのが一般的です。
 なお、土地区画整組合、市町村または市町村長の行った処分については、審査請求を都道府県知事(指定都市の区域内において個人施行者または土地区画整理組合がなした処分にあっては指定都市の長)に対し、再審査請求を国土交通大臣に対し提起することができます。都道府県・都道府県知事または公団の行った処分については、審査請求を国土交通大臣に対し提起することができ、国土交通大臣のなした処分については、異議申し立てを国土交通大臣に対し提起することができます。

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