建築請負契約の締結

 建設業者に工事の施工を依頼する際には、まず、その業者が建設業の許可を有しているかどうか確かめることが必要です。というのは、建設業法では、建築一式工事においては、請負金額六〇〇万円以上または木造建築工事にあっては延べ面積一五〇平方メートル以上の工事、それ以外の建設工事おいてはは請負金額二〇〇万円以上の工事を施工する場合は、建設業の許可が必要と規定されているからです。これは、建設工事の適正な施行を確保し、注文者を保護するため定められたものであり、建設業者の要件が審査され、その要件に合う者のみが建設業を営むことができることとなっています。

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 建設業の許可は業種ごと二八種に分類されており、それぞれ、建設業者の営業所の所在地の状況により大臣許可、知事許可に区分されます。ここの営業所とは、常時建設工事の請負契約の見積り、入札、契約の締結など建設業の営業に実質的に関係するものをいい、この営業所が二都道府県以上にまたがって設置されている場合は大臣許可となり、一部道府県内の場合は知事許可となります。
 そして、さらに建設工事は多くの場合、大工工事、左官工事、管工事等それぞれ独立した各種専門工事の組み合せにより成り立っており、そのため、注文を受けた建設業者(元請)がその工事の一部を他の建設業者(下請)に施工させることがありますが、その下請に施工させる金額が一〇〇〇万円以上となる場合には特定建設業の許可が必要となります。
 このように一定限度を起す建設工事を施工するには、建設業の許可を必要としますので、新築、増改築の工事についても、限度を超す工事については、建設業者の許可の有無を確認する必要があります。
 また、建設業法は閲覧制度を規定しております。この制度は許可業者の施工能力、施工実績、経営内容等に関する情報を提供し、適切な建設業者の選定の利便等に但しようとするものであり、大臣許可業者にあっては国土交通省または営業所を有する当該都道府県、知事許可業者にあっては当該都道府県において閲覧できます。
 この制度を活用し、当該建設業者について十分調査のうえ契約にのぞみましょう。
 また同法は、注文者に対しても、建設業者に工事内容、請負代金の支払時期、方法などをできるだけ具体的に示し、適当な見積期間をおいて契約すべきことを定めています。これは、建設業者に見積り落しなどの問題が生じないよう検討する機会を与え、請負金額その他契約の締結に関する判断を行わせようとするものです。
 民法上、請負契約は、当事者の合意により成立するものであり、何らかの様式を必要としてはいません。ですから、いわゆる口約束だけでも契約は成立し、また、いかなる特約を付そうとも公序良俗に反しないかぎり有効です。
 しかし、それでは内容が不明確、不正確となったり、あまりにも偏ったものになったりして、後日紛争の原因ともなりかねません。
 そこで、工事の内容その他契約の内容となる重要な事項についてはできるだけ詳細かつ具体的に示し、当事者間の権利義務関係を明確にする必要があります。このように請負契約は注文者、建設業者の権利、義務関係を約する大切な行為ですので、建設業法は、契約にあたっては契約書類を作成し、署名または記名押印して相互に交付すべきことを規定し、さらに契約書類に記載すべき内容についても次頁表のように定めています。
 ところで、建設工事の請負契約は、通常、何種類かの書類により成りたっており、「民間建設工事標準請負契約約款」(標準約款・国土交通大臣の諮問機関である中央建設業審議会が建設業法に定めた事項を契約書に盛り込み適正な請負契約関係を成立させるため、望ましい請負契約のひな型として策定したもの)では、契約書、契約約款、図面及び仕様書の四者を掲げています。また民間の団体においても、この標準約款に基づき、実施約款として四会連合協定約款を策定しており、一般には、この約款を使用している例が多いようです。
 実際の契約に際しては、これらの約款も参考とし、十分に検討して契約にのぞみましょう。

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