公営住宅の申込み

 公営住宅の入居者は、少なくとも次の条件を備えている者でなくてはなりません。
 1. 現に同居し、または同居しようとする親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他の婚姻の予約者を含む)があること。
 2. 第一種公営住宅については、一〇万円(当該公営住宅の家賃の三倍が一〇万円未満である場合は、その額)を超え一六万二〇〇〇円以下の収入があること。
 第二種公営住宅については、一〇万円以下の収入があること。
 3. 現に住宅に困窮していることが明らかな者であること。
 ただし、次に該当する者(身体上または精神上著しい欠陥があるために、常時の介護を必要とする者で、その公営住宅への入居がその者の実情に照らして適切でないと認められた者は除く)にあっては、前記1.の条件は必要ありません。つまり、次に掲げる者は、単身入居することができます。
 イ、六〇歳(女子については五〇歳)以上の者
 ロ、身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳に身体上の障害がある者として記載されている者で、その障害の程度が一級から四級までの者
 ハ、戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている者でその障害の程度が恩給法に規定する特別項症から第六根症までまたは第一款症の者
 二、原子爆被爆者の医療等に関する法律の規定により厚生大臣の認定を受けている者
 ホ、生活保護法に規定する被保護者
 へ、海外からの引揚者で本邦に引き揚げた日から起算して五年を経過していない者
 なお、災害により住宅を失った者については別途規定されています。また、永住許可などを受けた外国人についても、入居資格が与えられています。

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 公営住宅への入居は、原則として公募によることとされています。ただし、災害、不良住宅の撤去、公営住宅建替事業による公営住宅の撤去その他、次の場合にあっては、特定の者を入居させることができることとなっています。
 1. 都市計画事業・土地区画整理事業、市街地再開発事業等にともなう住宅の除却
 2. 土地収用の事業認定を受けている事業または特定公共事業の執行にともなう住宅の除却
 3. 収入の額が一〇万円(当該公営住宅の家賃の三倍が一〇万円未満である場合においては、その額)以下の第一種公営住宅の入居者が第二種公営住宅への入居を希望すること
 4. 収入の額が一〇万円を超える第二種公営住宅の入居者が第一種公営住宅への入居を希望すること
 5. 他の公営住宅の入居者が世帯構成に移動があったことにより当該公営住宅に入居することが適切であること
 6. 同種の公営住宅の入居者が相互に入れかわることが双方の利益となること
 公営住宅については、入居の申込みをした者の数が、入居させるべき公営住宅の戸数を超える場合においては、事業主体である地方公共団体は、次のような選考基準にしたがい、当該入居者が住宅に困窮する実情に応じ適切な規模、設備または間取りの公営住宅に入居することができるよう配慮し、公正な方法で選考して入居者を決定しなければならないとされています。
 1. 住宅以外の建物等に居住し、または保安上衛生上有害な状態にある住宅に居住している。
 2. 他の世帯と同居して著しく生活上の不便を受けている、または住宅がないため親族と同居することができない。
 3. 住宅の規模、設備または間取りと世帯構成との関係から衛生上風教上不適当な居住状態にある。
 4. 正当な事由による立退きの要求を受け、適当な立退き先がないため困窮している。
 5. 住宅がないため勤務場所から著しく遠隔の地に居住を余儀なくされている、または収入に比べて著しく過大な家賃の支払を余儀なきされている。
 6. 以上に該当するほか・現に住宅に困窮していることが明らかであること。
 なお、母子世帯・老人世帯、心身障害者世帯等については、優先入居の制度があります。
 公営住宅の家賃は、工事費を期間二〇年以上、利率六・六%以下で、毎年元利均等に償却するものとして算出した額に、修繕費、管理事務費、損害保険料及び地代相当額を加えたものの月額を限度として、事業主体である地方公共団体が定めることとされています。
 そして、事業主体は、物価の変動にともない必要があるとき、公営住宅相互間における家賃の均街上必要であるとき、または公営住宅に改良を施したときには、条例でもって家賃を変更することができるとされています。
 また、事業主体は、収入が著しく低額であることなどの特別の事情がある場合には、家賃の減免をすることができ、疾病にかかっているなどの特別の事情がある場合には、家賃または敷金の徴収を猶予することができます。
 なお、事業主体は、家賃の三ヵ月分に相当する範囲で、敷金を徴収することができます。
 公営住宅は、低額所得者に対し賃貸されるべきものであるので、収入が一定の基準を超えた入居者が引き続き低廉な家賃で公営住宅に入居していることは、公平性の観点から適当ではありません。
 そこで、公営住宅の入居者は、引き続き三年以上入居している場合において、第一種公営住宅にあっては一六万二〇〇〇円、第二種公営住宅にあっては一〇万円を超える収入があるときは、その公営住宅を明け渡すように努めなければなりません。この場合、当該入居者が引続き入居しているときは、事業主体は、割増賃料を徴収することができます。
 さらに、引き続き五年以上入居している場合において、最近二年間引き続いて二六万円を超える高額の収入があるときは、事業主体は、入居者に対し、期限を定めて当該公営住宅の明渡しを請求することができます。
 地方公共団体は、公営住宅の建設を促進し、公営住宅の居住環境を整備するため必要があるときは、公営住宅建替事業を施行することに努めなければならないようになっています。
 その際、当該公営住宅の入居者は、期限を定めて明渡しを請求されることもありますが、その場合には建替え期間中の仮住宅の提供をうけ、新たに建設される公営住宅への入居が認められることとなります。

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