戸籍の訂正

 戸籍の記載は、真実に合致するものとして社会的に通用しています。
 戸籍の記載が真実であることが戸籍制度の生命であり、そのためにいろいろな手続的規制を設けて、虚偽の届出防止が図られていますが、こうして防禦網をかいくぐって虚偽の届出がされる場合があります。
 このように、戸籍の記載が法律上許されないものであるものや、その記載に錯誤や遺漏があることを発見した場合は、決定の手続きによって、その記載を訂正することを戸籍訂正といっています。
 戸籍訂正は原則的に家庭裁判所の許可を必要とし、慎重な手続きによって訂正されますが、職権で訂正される場合もあります。
 以下、戸籍の訂正手続について、わかりやすく説明を加えてみましょう。

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 戸籍の記載が法律上許されないものであること、またはその記載に錯誤もしくは遺漏がある場合(戸籍法第一一三条)。
 法律上許されないもの、これは、法律上記載できない事項をいいます。例えば外国人に関する記載、前科、学事(学歴など)にかかわる事がら、出生前の胎児認知、直系卑属のない死亡者の認知、収入役など権限のない者による記載、偽造変造の届出、死亡者の届出無資格者からの届出による記載、などがこれに該当します。
 「戸籍の記載に錯誤、または遺漏があること」とは、いずれも記載が真実と合致していないことをいいます。
 錯誤には次のような事項が該当します。
 出生年月日、場所が事実と相違している。性別が逆に記載されている。嫡出子と非嫡出子が逆に記載されている。生存者について死亡の記載がある。国籍喪失していないのに喪失の記載がある。
 遺漏とは戸籍に記載すべき事項の一部の記載が脱漏している場合で、次のような事項が該当します。
 出生年月日や父母との続柄の記載を遺漏、転籍の際、同籍者の記載を遺漏、従前の戸籍から移記する事項を遺漏。
 申立人、利害関係人であり、届出人、事件本人、その他の戸籍の記載について身分上、財産上なんらかの利害を有する者に限ります。
 申立ての場所、訂正の対象である戸籍のある地の家庭裁判所に申立てることになります。
 届出によって効力を生ずる行為について戸籍の記載をした後に、その行為が無効である場合(戸籍法第一一四条)。
 「届出によって効力を生ずべき行為」とは、創設的届出の行為であり、認知、養子縁組、婚姻、協議離婚、親権者の指定などのほか、入籍、分籍、転籍、国籍留保、氏名の変更などの戸籍法上の効力を生ずるものも含まれます。
 申立人 届出人、または事件本人に限定されます。
 確定判決によって戸籍の訂正をする場合、訴提起者は判決が確定した日から一カ月以内に判決の謄本を添付して戸籍の訂正をしなければなりません(戸語法第一一六条)。
 戸籍記載の誤りが戸籍上明らかではなく、また、訂正することによって第三者の親族に、相続、身分関係上重大な形影を及ぼすことになるので、家庭裁判所の審判、地方裁判所の判決を得ないと戸籍の訂正はできません。
 これには、嫡出子否認、婚姻無効、婚姻取消し、離婚無効、親子関係不存在確認などが該当します。
 申立人は届出人、事件本人、及び利害関係人が申立てることになります。
 戸籍法第五九条の規定に基づく訂正。棄児発見により戸籍を編製されている子を父または母が引き取ったときは、その日から一カ月以内に出生届をするとともに、戸籍の訂正をしなければなりません。
 この場合、家庭裁判所の許可は必要としません。
 職権による訂正、この方法は、裁判所の許可を得ることなく、戸籍の管掌者である市区町村が職権で訂正することです。
 監督局の長の許可を得てする訂正、戸籍の記載が法律上許されないものであること、及びその記載に錯誤もしくは遺漏があることを発見した場合、また次のような場合にも市区町村長は監督法務局、または地方法務局の長の許可を得て、戸籍の訂正をすることができます。
 届出人または届出事件本人にその旨通知することができない場合。
 通知しても戸籍訂正の申請をする者がない場合。
 錯誤または遺漏が市区町村長の過誤によるものである場合。
 市区町村長限りでする訂正、訂正の要否及び訂正内容の判断が容易であり、監督局の長の審査を経なくても、その訂正処理に過誤を生ずるおそれのない場合は、監督局の許可を必要としません。
 軽微顕著な誤記または遺漏。
 法令の改廃によるもの。
 届出または申請に付随して訂正するもの。
 申出によるもの(氏名の誤字俗字訂正など)。
 戸籍法施行規則によるもの。
 戸籍の訂正のいずれの場合でも、市区町村の戸籍係に、その審判、判決の謄本を提出し、及び申出をすることにより、訂正の手続きを行うことになります。
 戸籍訂正は、手続が復雑ですので、市区町村の戸籍窓口、法務局、地方法務局及び支局の戸籍課、家庭裁判所等で相談するのがよいでしょう。

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