国籍の喪失

 自己の志望により、外国の国籍を取得した場合は、その時から日本国籍を喪失します。
 外国の国籍を有する日本国民、つまり日本と外国との重国籍者は、当該外国の国籍法規に従ってその国の国籍を選択したときは、その時から日本の国籍を喪失します。

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 日本の国籍とともに外国の国籍を有する者(重国籍者)は、法務大臣へ届出ることによって日本国籍を離脱することができれます。届出の時に日本国籍を喪失することとなります。
 出生によって日本と外国の国籍を取得した子で、日本国外で生まれた者については、日本の国籍を留保する意思表示(国籍留保届)をしなければ、生まれた時にさかのぼって日本国籍を失うこととされています。
 改正により、従来の、生地主義国で出生した子についてのみ適用のあった国籍留保届が、その範囲が拡張され、出生により日本と外国の国籍を取得した子で、国外出生子のすべてに適用されることになりました。
 例えば、日本人を父、父母両系主義を採る国の外国人母間に、母の本国で出生した子は、重国籍者なりますが、従来は、出生した国が生地主義を採用していないため、国籍留保届をしなくても、日本国籍を喪失することはありませんでしたが、改正法施行後は、当放出生子は、外国で出生した外国籍を有する日本国民であるため、国籍留保届をしなければ、出生のときにさかのぼって日本国籍を喪失することになります。
 国籍留保届出期間は、原則として出生の日から三ケ月以内とされています。
 なお、国籍を留保しなかったことにより、日本国籍を喪失した者で、日本に住所を有する未成年者については、法務大臣に届出ることによって、日本国籍を再取得することができます。これは、改正法施行前に日に日本国籍を保留しなかったため国籍を喪失した者についても同様です。
 国籍法の改正において、重国籍者に対する国籍選択制度があらたに導入されました。改正法の重要なポイントの一つです。まず、国籍選択制度のあらましについて説明し、次に、日本国籍の不選択による国籍喪失の説明を加えることとします。
 (1)国籍の選択
 日本と外国の国籍を有する重国籍者は、重国籍となった時が二〇歳に達する以前であるときは二十二歳までに、重国籍となった時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、日本国籍か、外国国籍かのいずれかを選択しなければなりません。
 重国籍者が国籍の選択を要するのは、重国籍となった時期、原因を問いません。すべての重国籍者に選択の義務が課せられます(改正法施行時に、現に重国籍である者については、改正法施行のときに重国籍者となったものとみなされ、選択の義務があります。ただし、不選択による効力については特別の措置がなされています)。
 日本の国籍を選択するには、外国国籍を離脱し、日本単一国籍となる方法と、戸籍法に定める届出によって、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言をする方法があります。この方法によって日本国籍単一となるか否かは、外国の国籍法規の内容によります。
 なお、日本国籍選択宣言の届出をし、かつ、引き続き重国籍である者は、外国の国籍の離脱に努めなければならないものとされています。
 次に、外国の国籍を選択する方法として、外国法規にもとずく当該外国の国籍の選択、日本国籍の離脱があります。いずれも日本国籍を喪失することとなり、外国籍者となります。
 法務大臣は、日本国籍を選択しない重国籍者に対しては、国籍を選択すべきことを催告することができます。この場合の催告の方法は、原則としても書面によってすることとされ、書面によってすることができないときに限り、官報に掲載してすることができるものとされています。
 (2)日本国籍の不選択による国籍喪失
 国籍の選択をすべきことを法務大臣から催告を受けた者は、原則として一ケ月以内に日本の国籍を選択しなければ、日本の国籍を失うものとされています。
 なお、このことによって国籍を喪失した者で、法務大臣の催告が官報によったものであるときは、日本の国籍を失ったことを知った時から原則として一年以内に、法務大臣に届出ることによって、日本の国籍を再取得することができます。
 法務大臣は、選択の宣言をした日本国民で、外国の国籍を失っていないものが、志望により、その外国の公務員の職に就任した場合で、その就任が日本の国籍を選択した趣旨に反すると認めるときは、その者に対し日本国籍の喪失の宣告をすることがでるものとされています。このことにより、その者は日本国籍を失います。

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