戸籍のしくみ

 次のような場合に新戸籍が編製されます。
 婚姻の届出があったとき、夫婦について新戸籍が編製されます。この場合、夫の氏か妻の氏を選択しなければなりません(民法七五〇条)。選択された氏の夫、または妻が筆頭者となります。
 ただし、すでにいずれか一方が筆顕者として戸籍が編製してある場合で、その者の氏を称して婚姻する場合は、新戸籍を編製することなく、その戸籍に入籍することになります。
 なお、外国人と婚姻した日本人夫又は妻は、従来は、戸籍の変動はなく、いぜんとして父母の戸籍に在籍するものとされていましたが、昭和59年5月25日公布(昭和60年1月1日施行)された「国籍法及び戸籍法の一部を改正する法律」によって、外国人と婚姻した者についても、新戸籍が編製されることとなりました。ただし、既にその者が戸籍の筆頭者であるときは、新戸籍が銅製されることはありません。
 なお、外国人と婚姻したことのみによっては、日本人の氏(姓)に変更をきたすものではありませんから、編製される新戸籍の氏は、従来の氏ということになります。

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 筆頭者及び配偶者以外の者(子)が同じ氏を称する子を持つようになった場合、この場合は、三代戸籍になるので、その親と子で新戸籍が編製されます。
 入籍、復籍する場合に配偶者がある場合、夫婦養子の縁組や離縁のときには、その夫婦について新戸籍が編製されます。
 分籍の届出があった場合、分籍とは、戸籍の筆頭者及びその配偶者以外の者が、その戸籍から単独で新戸籍を編製することをいいます。戸籍の筆顕者及びその配偶者以外の成年に達している子は、何人の同意も必要とせず、自由意志で分籍することができます。
 転籍の届出があった場合、転籍とは本籍(戸籍)の所在場所を移すことをいいます。同一市区村町内の転籍の場合は、新戸籍は編成されず、単に本籍の記載を変更するのみですが、他市区町村へ転籍すると新戸籍が編製されます。
 転籍届は、戸籍の筆頭者及びその配偶者からいつでも自由に届け出ることができます。
 離婚の際、称していた氏を称する届出があった場合(戸籍法七七条の二の届出)昭和51年6月15日公布の「民法等の一部を改正する法律」によって、離婚の際、当然 実力(実家)に復氏、復籍した夫、または妻は、裁判所の氏の変更の許可なく、離婚の相手方の承諾も必要なく、離婚の際に称していた氏(姓)を届出ることができます。
 七七条の二の届出は離婚届と同時に届出ることができるほか、離婚復氏後三ヵ月以内であれば届出ることができます。いずれの場合も新戸籍が編成されますが、いったん離婚の際称していた氏を称すると、裁判所の許可なく実方の氏に復することはできません。
 無籍者の場合、外国人が日本に帰化したときは新戸籍が編製されます。また、棄児(捨子)を発見した場合や、本籍がわからず就籍の許可が認められた場合なども、その者について新戸籍が編製されます。
 入籍する場合、入籍とは、すでに編製されている戸籍に入るこことをいい、次のような場合にその必要性が出てきます。
 婚姻によって入籍する場合、戸籍の筆頭者が自己の氏を称して婚姻したときは、その配偶者(氏を改めた夫または妻)はその戸籍に入籍します。
 嫡出子が出生した場合、婚姻関係にある父母の間に出生した子は、その父母の戸籍に入籍します。また、婚姻の解消(離婚、配偶者が死亡したとき)もしくは、取消の日から三〇〇日以内に出生した子も、婚姻中の父母の戸籍に入籍することになります。
 嫡出でない子が出生した場合、婚姻関係のない母から出生した子は、母の戸籍に入籍します。その後、父から認知があっても、父は戸籍に入籍しません。この場合、子は母の氏を称していますから、父の氏に変更する家庭裁判所の許可(民法七九一条)を得る必要があり、許可の審判があったら、審判の謄本を添付して、父の戸籍に入る入籍届をすることになります。また、夫の氏を称して婚姻した夫婦が、離婚後、父の戸籍に在籍する子を母の戸籍に入籍させたい場合も、前述と同様、家庭裁判所の許可が必要となります。
 養子縁組をした場合、養子となった者は、養親の氏を称して養親の戸籍に入籍します。ただし、夫婦が養子となる場合は、養親の氏を称して新戸籍を編製することになります。
 復氏をする場合、離婚や離縁をすると、必ず従前の氏に戻らなければなりません(復氏)。戻る戸籍は、婚姻や縁組がなされる直前の戸籍になります。戻る戸籍が除かれている場合や、本人が申出たときは、新戸籍が編製されます。
 婚姻によって氏を改めた夫または妻は、その筆頭者(配偶者)の死亡によって婚姻関係が終了します。その生存配偶者は、いつでも誰の許可、承諾も必要とすることなく、婚姻前の氏(実方)に復氏、復籍することができ、生存配偶者の復氏届により、従前の戸籍に入籍することになります。
 除籍とは、婚姻、縁組や死亡などにより戸籍から除かれることをいいます。
 新戸籍が編製されたり、他の戸籍に入籍する場合、その者は必ず従前の戸籍から除籍されます。
 これは、除籍することによって、その者について重復した戸籍が生じないようにするためです。
 死亡した者、また生死不明のため失跡宣告の審判が確定し死亡とみなされた者や、日本国籍を喪失した者は、その戸籍から除籍されます。
 日本人でありながら、戸籍に記載れさていない者(無籍者という)について、新たに戸籍に記載する手続きを就籍といいます。就籍は次のようなケースが考えられます。
 出生届未済の者で、届出義務者がいない場合
 従前、樺太または千島に本籍を有していたもので、戸籍に記載されていない場合
 本籍の有無が不明の場合、このようなケースに該当する者は、就籍の手続を家庭裁判所へ申立てることになります。就籍届には、家裁判所の許可または国籍存在確認、親子関係存在確認などの確定判決を必要とします。
 なお、死亡した者についての就籍はできません。

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