認定死亡と失踪宣言

 炭鉱事故や冬山登山遭難などでは、しばしば死体の発見が遅れ、遺族たちを悲しませることになります。また、死体の発見の遅れは遺族を救済する上でも非常な障害になるとも聞きました。このようなことから、法律上「死亡と認定する」というケースがあるとのことですが、それはどのような場合なのでしょうか。

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 人の死は出生と同様に財産上、身分関係上さまざまな波紋を投げかける重大な事実です。そのため、死亡の事実は迅速に戸籍に記載され公証されなければなりません。
 通常の死亡では、その死は近親者その他第三者によって確認され、死亡診断書などを添えて死亡届が提出され、戸籍上死亡の記載がなされます。
 しかし、震災、海難、炭坑爆発などの事故により死亡した場合は、通常の死亡届出を期待することは困難で、また死体を確認することができないこともあります。このような場合、事故を取調べた官公署の直接の資料により正確な戸籍の記載ができるので、戸籍法八九条は、水難、火災その他事変によって死亡した者があるとき、取調べをした官公署に死亡地の市町村長に対する死亡の報告義務を負わせて、これにより戸籍の記載を行っております。死体が発見されない場合でも、死亡したことが確実であると認められる者については、この認定死亡により(後に述べる失踪宣告によるまでもなく)、戸籍上死亡の記載がなされることになります。
 人がそれまでの住所、居所を去って、生死不明の状態が長く続くと、その人の財産や身分関係(たとえば相続、婚姻など)に、いろいろ不都合が生じてきます。このような場合、その人を死亡したものとしてこの法律関係を認理するのが失踪宣告の制度(民法三〇条)です。これには、普通失踪(同条一項)と特別失踪(同条二項)の二つの制度があります。
 (1)普通失踪
 行方不明が七年間続く場合、法律上の利害関係人(被推定相続人、配偶者、保険金受取人など)の請求により、家庭裁判所は六ヵ月以上の期間を定めて失踪者またはその生死を知る者に届出を促し(公示催告)、その後、審判により失踪の宣告を行います。死亡したとみなされるのは、失踪の日から七年経過した日となります(民法三一条前段)。
 (2)特別失踪
 戦争、災害、その他の危難に遭過して行方不明が一年間続くとき、普通失踪と同様の手続により失踪宣告がなされます。ただし、公示催告の期間はニカ月以上で足り、死亡したとみなされるのは危難の去ったときより一年経過した日となります(民法三一条)。

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