財産分与、慰謝料は課税されるか

 まず、慰謝料についてはまったく税金がかからないことになっています。したがって贈与税や所得税を支払う必要はありません。

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 財産分与の場合、財産分与を仮装して脱税を図ったときや、その金額が多過ぎるときは贈与税が課せられます。また土地や建物などを財産分与した場合は、もらう側ではなく分与した偏に譲渡取得税が課せられることになっています。これは土地や建物を売って代金を得た場合と同じであるとの考えに基づくものです。
 しかし、財産分与の場合は代金が入ってくるわけではありません。それにもかかわらず莫大な譲渡取得税が課せられるとなると、税金を考えて財産分与に応じないということも生じてきます。このような取り扱いは不当であるという考えもあります。
 不動産の名義が夫になっていても実質は夫婦の共有であるとみられる場合は、妻の共有持分については課税すべきではないでしょう。下級審の判例には、そうした例もあります。
 嫁入道具や結納はどうなるか、結婚の際、妻の嫁入道具(たんすや衣類など)は、離婚の際には持ち帰るのがふつうです。しかし夫が引渡しを拒否した場合、妻は家庭裁判所に申し立てて調停や訴訟によって取り戻すことができます。
 しかし結納金は、いったん結婚した以上取り戻せないのがふつうです。
 世界各国の離婚が多いか少ないかは、その国の人口が多ければ当然多くなるので離婚件数だけではわかりません。そこで「離婚率」というもので比較します。
 「離婚率」とは人ロ一〇〇〇人に対する離婚件数の割合です。
 この離婚率で各国の離婚状況を比較すると、いちばん多いのがアメリカで、ロシア、スウェーデン、デンマーク、イギリスがこれに続きます。日本は意外に少なく、アメリカの四分の一、イギリスの二分の一にすぎません。わが国の離婚が増加の傾向にあるとはいっても、国際的にはそれほど多いとはいえないようです。アメリカでは、二組の男女が結婚するごとに一組の夫婦が離婚している計算になり、文字どおり離婚王国といえる状況です。
 このように離婚が増加したのは、各国とも一九六〇年代後半に入ってからです。その理由としては、結婚や離婚に対する考え方が変わったこと、女性の社会的地位が向上したことなどを背景に、離婚を求める夫婦が増大したことなどがあげられます。
 また、協議離婚制度が認められていない欧米諸国において離婚法が改正され、裁判で離婚することが容易になったことも離婚が増えた直接の原因としてあげられます。カトリックの婚姻観により離婚を禁止していたイタリアでも、離婚を認めた離婚法の成立について一九七四年に国民投票が行われ、保守・革新の一大政治決戦として争われた結果、離婚法が国民によって承認されました。
 このように、各国とも離婚はますます増えていく傾向にあるといえましょう。

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