協議離婚の無効と取消

 妻が私以外の男性と交際していることを知って驚いています。子どもがまだ幼いので離婚騒動にまで発展することを極力避けていたのですが、最近、その男性から妻と離婚するように強迫され、離婚届に印鑑を押してしまいました。このような場合でも、離婚が認められてしまうのでしょうか。

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(1)勝手に離婚届を出された ー 無効
 離婚届が受理されると、一応離婚が成立します。ただ、勝手に離婚届を出されたときのように、離婚する意思(届出する意思)がないときはその離婚は無効ということになります。また、離婚が無効であるとして戸籍を元に戻すには、まず家庭裁判所に離婚無効の調停及び審判を申立てねばなりません。
 しかし、調停の結果、事実に争いがなくとも離婚が有効か無効かということを当事者の合意に基づく調停で決めてしまうことは許されないので、この場合には、家庭裁判所が必要な調査をした上で審判(裁判の一種)をすることになります。これを「合意に相当する審判」(二三条審判ともいいます)といいます。したがって、この場合には、最初から調停と審判を併せて申立てる必要があるわけです。
 この審判に対し、二週間以内に異議の申立てがなければ離婚の無効が確定します。この審判がなされないときや、異議の申立てがあったときは、改めて地方裁判所に離婚無効確認の訴えを起こして判決を求めねばなりません。
(2)詐欺や強迫によって離婚させられた ー 取消
 だまされたり、脅かされて離婚させられた場合には、離婚の取消しを裁判所に請求することができます。これには第三者の詐欺、強迫によって離婚してしまった場合も合まれます。
 その方法は「離婚無効」の場合と同じで、家庭裁判所に離婚取消の調停及び審判を申立て、事実に争いがない場合は「合意に相当する審判」をしてもらえます。この審判がなされないときや審判に対し異議の申立てがあったときは、地方裁判所に離婚取消訴訟を起こさねばなりません。
 無効の場合と違う点は、だまされたことを知ったとき、または強迫が終わったときから三ヵ月以内に調停及び審判の申立てをしないと取消せなくなるという制限があることです。
 なお、協議離婚の無効や取消の審判または判決が確定すると、離婚ははじめからなかったことになり、婚姻が継続していたことになります。この場合、離婚の無効・取消を求めた側は、審判や判決が確定した日から一カ月以内に審判や判決の謄本を添えて戸籍の訂正を申請しなければなりません。

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