離婚状況とその歴史

 現在わが国では、三、四分に一組の割合で夫婦が離婚しているといわれ、しかも年々増加する傾向にあります。世はまさに離婚時代といっても過言ではありません。
 家庭裁判所に対する離婚調停の申立て件数は、女性の社会的地位の向上を反映して、妻からの申立てが夫の二倍以上にも及んでいます。また、離婚調停を申立てた理由をみると、妻からの申立てでいちばん多いのが「性格の不一致」そして順に「夫の暴力」「夫の異性関係」となっており、この三つで全体の約四割を占めています。

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 一方、夫からの申立て理由でいちばん多いのは、妻の場合と同じく「性格の不一致」で、これだけで全体の五割を超えています。そして「妻が同居に応じない」「妻の異性関係」がこれに続いています。
 なお、中高年層の離婚が増えてきていることも特徴としてあげることができます。
 わが国の離婚の歴史をみると、夫と妻の不平等な離婚が平等な離婚に移り変わってきていることがよくわかります。
 江戸時代には、夫が妻に離縁状を渡すことで、一方的に妻を離婚することができました。この離縁状が、よく知られている「三下半(みくだりはん)」で、夫が離婚する意思を持っていること、妻の再婚を認めることが三行半ぐらいに書かれていたため、こう呼ばれるようになったものです。これに対し、妻が夫に離婚を求めることは許されておらず、わずかに鎌倉の東慶寺などの「縁切寺」へかけ込んで離婚する方法が認められていただけでした。
 妻からの離婚の請求が認められたのは明治になってからです。それでも、離婚の裁判では、妻の姦通は簡単に離婚されるのに対し、夫の姦通は、姦淫罪として処罰されたときしか離婚が認められませんでした。また、協議だけで離婚できる協議離婚の制度も明治から認められていましたが、これも実際は、夫が妻を一方的に追い出し離婚することに利用されていました。
 夫と妻との平等な離婚制度が認められたのは、第二次大戦後になってからのことです。現在の日本の離婚制度は、明治以降認められてきた協議離婚制度を承認しているほか(協議離婚制度は諸外国では認めちれていません)、全部で四種類もの離婚方法を認めており、これらは諸外国の離婚制度に対し大きな特色といえます。

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