不幸を知って弔問するとき

 信じられないほど突然の訃報でも、ある程度予測していたときでも、顔見知りの人の死を知ることは、ショッキングなことです。そのショックは、親しければ親しいほど大きいものです。
 けれども、人がなくなれば、その人の人生の最後の儀式として葬儀が行なわれ、生き残った人々との告別式があって、あなたも、永遠のお別れのためのセレモニーに関係することになります。ただ悲しみの感情におぼれていないで、自分は何をしなければならないかを考え、行動に移りましょう。
 まず、なくなったかた、そのお宅と自分との関係を考え、弔問に行くか行かないかをきめます。

スポンサーリンク

 近親はもちろん、親類同様のつきあいのお宅、日ごろお世話になっているかた、勤務先の同僚、上役など、親しい間柄なら、とにかく、すぐ駆けつけます。このときは、ふだん着のままでかまいませんし、喪服を着て行ってはむしろ失礼です。
 ただ、はなやかなドレスやアクセサリーはやはり場違いな感じですし、手伝う場合に働きにくいでしょうから、避けてください。はいたり脱いだりするのに手のかかるあみ上げのロングブーツなども避けるべきでしょう。
 掃除、台所仕事、お使い、幼児のおもり、弔問客へのお茶の用意などを手伝うことを考えて、エプロンぐらいは持って行きたいもののです。
 ごく親しいお宅でも、伺ったらすぐ、折り目正しく、お悔やみのあいさつを述べます。「このたびは、まことにご愁傷さまでございます」「突然のことで、お力落としのことでございましょう。心からお悔やみ申し上げます」というのが、一般的なお悔やみのあいさつです。
 これでは儀礼的すぎて口にしにくいと思うときは、「あまり突然で、まだ信じられません。心からお悔やみ申し上げます」「ご病気のことも存じませんで、お見舞いにも伺わずにおりまして、なんと申し上げてよいかわかりません」などと、あなたの気持ちをすなおに述べればいいでしょう。
 なくなった人の病気のこと、特に死因について根据り葉据り聞くなどは、全く非礼なことです。ただでさえ疲れている遺族の神経をさかなでするような質問は、控えなければなりません。
 それに、弔問客は自分ひとりではないということを考えて、遺族と長く話し込むことも遠慮すべきです。お悔やみのあいさつを述べたら、お手伝いについて申し出てみましょう。
 目上のかたのお宅なら、「○○さんから伺いましたので、急いでまいりました。何かお手伝いさせていただくことがございましょうか」気安い間柄のお宅なら、「私でできることなら、なんでもいたします」などと申し出て、先方の指示に従います。
 遺族の心に添って、進んで裏の仕事を引き受けたいものですが、張りきりすぎて自分かってに行動しないように注意してください。
 人手がたくさんあるお宅で、あなたのすることがないようなら、長居せずにお通夜や告別式の日時を聞いて、引き揚げます。
 あまり親しくない間柄の場合は、弔問や通夜は遠慮して告別式だけ伺うのが普通です。
 すぐ弔問したいと思っても、遠方でまにあわないとか、病気で動けないとかいうことで弔問できないときは、とりあえず弔電を打って、お悔やみ状とともに香典を郵送します。
 弔電は、告別式が始まるまでに着くように打つのが、マナーです。普通電報で三時間、ウナ電でも二時間はかかると見て、発信してください。電報局まで行かなくても、電話の一一五番からでも打てます。
 ていねいにしたいときには、費用は別にかかりますが、弔事専用の用紙がありますから利用するとよいでしょう。
 なお、弔電の末尾には、発信人のフルネームを入れておくこと。告別式に披露する際も手間をかけさせずにすみます。
 香典、供物ともに、あなたの両親が持参する場合は、あなたが若いミスの場合は、別に出す必要はないでしょう。友だち同士、連名でという場合は、同額ずつ出し合います。
 香典の金額は、なくなったかたとの親しさの度合い、地域の風習、あなたの年齢などに相応する額にするべきで、多額すぎるのはふさわしくないものです。上司や、年上の事情に通じている人に聞いてください。
 包み方と水引きは、祝儀とは逆に左前に包み、黒白または青白の水引きをかけます。水引きは必ず結びきりにすること。蝶結びはいけません。のしもつけません。
 市販の金包みや香典袋を利用するときは、蓮の花があるものは仏式専用ですから、宗教がわからない場合は避けます。
 表書きは仏式なら「御仏前」「御香典」「御香料」、神式なら「御神前」「御玉串料」「神饌料」、キリスト教なら「御花料」「弥撒料」宗教不明なら、共通の「御霊前」とします。
 水引きの結び目の真下、中央に、あなたの名をフルネームで書きます。もし、名刺をはる場合は、中央より心もち左に寄せてはります。
 連名の場合は、目上から順に、右から左へ書き連ねます。
 ていねいにする場合は、お金を中包みまたは中袋に入れて、上に金額を書き、これを外包みで包みます。
 中包みを使わないときは、外包みの裏に小さく金額を書き入れておきます。
 香典は、通夜または告別式に持参するのが普通ですが、弔問に駆けつけるときに持参することもあります。本来は手ずから祭壇に供えるべきものですが、祭壇を飾りつける前なら、「どうぞご霊前にお供えください」と、喪主にお渡しし、通夜または告別式で受付が設けてあれば、受付でさし出し、お供えをするのが、近ごろの一般的な風習です。
 あなたが祭壇に直接供えるときは、祭壇の前に進み出て一礼したのち、香典包みを霊前に向けて供え、つづいて焼香します。
 供物や花を贈るときは、通夜に供えるなら当日の午前中に、葬儀に供えるものは前日までに届けます。
 供物は、線香は仏式に限りますが、あとは、ロウソク、くだもの、和菓子、故人の好物、花など適宜に選びます。
 花を供えたい場合は、先方に連絡して、遺族の希望や、故人のお好みの花などを尋ねます。別に希望がなければ、花屋に相談して、そろえてもらうとよいでしょう。

冠婚葬祭
慶事の祝い方/ パーティーに招かれたら/ パーティーでは/ 訪問のマナー/ 訪問での戸口から退出まで/ 一間でお客を迎えるとき/ 敬語のマナー/ 電話のマナー/ お見舞いのマナー/ お金のマナー/ 贈り物の贈り方、受け方、お返し/ 贈り物の包み方/ 相手に合わせて贈り物を贈る/ 花の贈り物/ 恋愛から婚約まで/ 見合いから婚約まで/ 見合い当日の心得/ いろいろな婚約の仕方/ 結納をかわすなら/ 結婚生活への心身の準備/ 結婚式と披露宴のきめ方/ 結婚披露宴招待客のきめ方/ 式服とハネムーンウェア/ 引き出物とみやげ物/ 新婚生活の準備/ 新生活での家具/ 新生活のワードローブ/ 結婚祝いの受け方/ いろいろな結婚式の仕方/ いろいろな披露宴/ 会員制祝賀パーティー/ 新婚旅行から新生活/ 新婚旅行から帰ったら/ 結婚後の新生活の人間関係/ 結婚祝いの贈り方/ 披露宴に招かれたら/ テーブルスピーチ/ 不幸を知って弔問するとき/ お通夜では/ 告別式に参列するとき/

        copyrght(c).冠婚葬祭専科.all rights reserved

スポンサーリンク