結婚祝いの贈り方

 親しい友人や同僚、そしてきょうだいなどが新しい人生に旅立つときには、身近な人間として、その門出を祝い、励ます意味で贈り物をするのは当然のことでしょう。
 ただ、結婚というのは、ほかの祝い事にくらべて意義深いものであり、格式を重んじるものですから、贈り物のしかたもそれにふさわしく体裁をととのえ、格調を持たせる必要があります。
 婚約がすめば贈っていいといえますが、普通は結婚式の案内状が届いたころに贈るのがいいでしょう。おそくても新居へ荷物を運ぶ前には届くようにします。式当日、受付に出すのは略式で、どうしても式前に贈ることができないときには、その旨先方にことわって、新居へ届けるか、目録だけでも前もって贈るといいでしょう。
 挙式前にお祝いを贈ってあれば、式当日は何も持たず会場に行ってかまいません。

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 現金か品物か、という点もよく論議の的になります。若い人は現金がいい、といいますが、確かに現金は便利さのうえで最高です。しかし、それだけに無個性であり、贈り手の気持ちが通わず味気ないともいえるでしょう。何か喜ばれるかは本人の気持ちしだいではありますが、親しい人からのお祝いなら、その人ならではの品選びが感じられるものが記念ともなり、心に響く贈り物になると思われます。互いの関係にふさわしいもの、自分ならではの品を見つけて贈りたいものです。
 逆に当人をあまりよく知らないけれど、仕事上の関係などでお祝いを贈るといった場合は、個性の弱い品が適します。その最高が現金とか商品券、ギフトカードといったものです。
 金額的には、自分と先方との親しさの度合いとか、自分の経済力が基準になり、それにふさわしい額ということになります。そして披露宴に招かれていれば多めに、そうでなければ気持ち程度ということです。招待された場合は、その会場の一人前の料理代くらいを贈るといわれますが、これはかつてのご祝儀的な考え方で、祝う気持ちを無視した考え方です。経費がいくらというより、やはり自分の祝いたい気持ちを表現するほうが贈り物としてふさわしいめではないでしょうか。
 品物を贈る場合、親しい間柄なら先方に希望を聞いてかまいません。ただ漠然と聞いたのでは答えにくいでしょうから、候補品をあげて、どれがいいか尋ねるといいと思います。先方はそれにより、予算もだいたいわかり、希望をいいやすくなるでしょう。
 グループで贈る場合は、金額もまとまりますから、電気製品とか家具など高額品を贈るのも一方法ですが、一つのテーマをきめて、それに合わせて各自が自分の予算や好みに合ったものを贈るというシャワーギフトも昧のある増り方です。
 たとえば陶器なら、柄もきめておいて、スープ皿を贈る人、コーヒーカップを贈る人、シュガーポットの人、というようにします。また、シルバー製品ばかり集めるとか、いろいろな方法があるでしょう。
 予算を切りつめて結婚する人たちなら、友人で旅行券を贈ったり、披露宴の酒代をプレゼントするとかして、結婚費用の足しにするのも喜ばれます。また、式披露の写真撮影およびプリント代をプレゼントという人がいてもいいでしょうし、新居のカーテン式を調整するとか、照明器具をつけてあげるという贈り方もあります。
 しきたりでは吉日の午前中に自宅に持参するものですが、忙しい現代ではケースバイケースで考えましょう。
 親しい友人なら休日や勤め帰りに自宅に届けてもいいですし、忙しい人同士なら都合のいい場所で会って手渡すなり、品物だけ自宅へ託送してもかまいません。形式にとらわれすぎますと、かえって相手に負担をかけることにもなります。
 自宅へ届けるときには、包み祇はとり、水引きのかかった状態でふろしきに包んで持参し、先方に着いたら、お祝いのあいさつを述べてからさし出します。ていねいにするならお盆にのせ、ふくさをかけて持っていきます。ふくさはあいさつをして出すときに自分でとり除き、盆ごとすすめます。
 品物には金銀か紅白の水引きを結びきりにし、表書きは「寿」か「御祝」下に姓名を書きます。新郎新婦ふたりに贈るときには「おふたりでどうぞ」というか、左肩にふたりのあて名を書いてもいいでしょう。贈り主がおおぜいいる場合、のし祇に名前が書ききれなければ、目録をつけます。それに贈り主全員の名前を記入し、品物には「○○同好会有志」などとします。
 また、カーテン一式とか旅行券などを贈るときには、目録だけを届けておくといいでしょう。
 日本の古い習慣では、他家の祝い事などに招かれますと、ご祝儀と称して現金(その昔は米)を包んで贈ったものです。そのころは、お祝い品を贈る習慣は、あまりありませんでした。それが、最近は結婚を祝うプレゼントのほうが一般化してきて、お祝い品を贈ることが重要視されてきたわけです。
 したがって、お祝いを前もって届けてあれば、当日のご祝儀は必要ないと考えてかまいません。
 ただし、地域ごとにさまざまな習慣があり、現在でも、ご祝儀を包まないとおかしいという地方や、花嫁には「はなむけ」を贈るとか、新郎には新婚旅行の小づかいを贈るといったしきたりを持つところもあります。
 そうした地方なら、やはりそれに従うのが、つきあいのコツともいえます。しかし、これは、若い人の力で、徐々に合理的で心のこもった贈り物の方向に改めていくのが望ましいでしょう。

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