いろいろな披露宴

 ディナー形式の披露宴は現在最も多く行なわれている披露宴の形式です。参会者一同が席について飲食する形の宴会で、この形はいちばんおちつき、格調も高いものです。
 席の作り方は会場の広さ、形、人数などによって異なりますが、メーンテーブルに対して、縦に左右一列ずつ並べる席や、散らしテーブル形式などいろいろあります。どんな形が効果的か宴会担当者とよく打ち合わせてきめます。出す飲食物の内容は、来客に合わせて和・洋・中、何か喜ばれるかを考えて選びます。
 開宴時間が近づいたら、新郎新婦は媒酌人夫妻、両親とともに会場の入り口に立って来客をお迎えします。ことばをかわす必要はありませんから、会場にはいられる来客一人一人にていねいに頭を下げ、ご出席に対する感謝の気持ちをあらわします。来客が全員着席したら、まず両親が入場し、最後に新郎新婦と媒酌人夫妻が入場し、正面の席につきます。

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 開宴のあいさつと司会者自身の自己紹介をします。媒酌人から、ふたりが挙式したことを報告し、新郎新婦の紹介と、ふたりへの今後の親交、教導などをお願いするあいさつがあります。この間、新郎新婦と両親は起立して、来客にともにあいさつする気持ちでいなければいけません。媒酌人がふたりにすわるようすすめるのは見当違いです。
 男女双方の側から一名ずつ主賓のあいさつをお願いします。このときも新郎新婦は起立しますが、主賓のほうから着席するよう促されたら、すわってもかまいません。
 ウェディングケーキ入刀は新郎新婦がはじめて行なう協同作業だという人もいますが、これは、ふたりがみずから来客にもてなしをする行為の象徴なのです。ですから、自分の晴れ姿を誇らしげに見せるのではなく、感謝の気持ちでもてなしをさせていただく、というつもりで入刀したいものです。最近は、これにかわるものとして、酒だるをすえて鏡開きをして、ます酒を配るとか、キャンドルに火をともして会場を照らすというサービスのあり方も行なわれます。
 ふたりの門出を祝福して参会者一同が乾杯してくれます。音頭は主賓の次の人か最年長者にお願いするといいでしょう。新郎新婦も右手に杯を持ち、乾杯の声に軽く頭を下げて杯をロにします。
 全員着席して食事が始まります。乾杯までが一種のセレモニーで、ここからしばらくは会食です。
 色直しをするなら、オードブルからスープに移るころそっと席を立ちます。媒酌人夫人が出口まで付き添ってくれますが、あとは席に戻ってもらいます。自分たちのために列席してくださった来客をほうっておいて席を立つのは本来の意味から考えればエチケット違反です。なるべく早く着がえて、席に戻るよう心がけたいものです。
 洋食ではデザートコースにはいってからスピーチを始めるものですが、近ごろは時間の関係上、食事中にスピーチをいただくことが多くなりました。しかし、スピーチするほうも聞くほうもおちついて食事ができませんから、なるべく食事の後半になって始めるのがいいでしょう。男女双方から二〜三名ずつ、交互にお願いします。
 祝電の披露はスピーチの間に適宜はさんで司会者から披露してもらいます。寄せられた祝電の中から、ぜひ読んでもらいたいもの、その順序など、前もって目を通してきめておくといいでしょう。
 食事が終わったころ、招待者が来客へお礼のあいさつをします。招待者が両親であれば、どちらかの父親がし、本人の名で招待したのであれば、新郎新婦があいさつするのがいいでしょう。いずれの場合でも、新郎新婦と両親は末席に並んで立ち、ご出席に対するお礼、今後の厚情をお願いし、媒酌人夫妻にも謝辞を述べます。
 司会者からお開きのあいさつをします。
 見送りは新郎新婦、媒酌人夫妻、両親は、出迎えと同様、出口に並び、来客一人一人にお礼のことばを述べ、見送ります。
 最後に司会者、媒酌人夫妻、そのほか係の人にお礼のあいさつを述べ、労をねぎらい、控え室に戻ります。
 パーティ形式の披露宴は ディナー形式のようにきまった席につかず、会場内を自由に移動して、歓談できる形の披露宴です。この形式の特徴は、堅苦しくなくなごやかなムードをつくりやすいこと。新郎新婦が来客一人一人にあいさつできること、同時に来客同士も自由に話し合えるという楽しさがあり、さらに時間的に忙しい人でも時間に縛られず出席できるという便利さもあります。難点は、パーティーに慣れていない人が多いと、会のムードが盛り上がらず効果が出ないこと、年輩者にはくだけすぎてなじめず疲れるということなどです。
 この形式は、来客数が多く、パーティーに慣れている人が多いときにふさわしいでしょう。
 パーティー形式でも、フルコースの食事と同じ内容の飲食を供する場合はビュッフェパーティーといい、酒類を主体にするときはカクテルパーティー、さらに茶菓中心のティーパーティーなどもあります。
 開宴時間になったら、会場入り口で新郎新婦、媒酌人夫妻、両親が来客を迎えるのはディナー形式と同様ですが、多少リラックスしたムードでお迎えします。
 入場した来客に飲み物や料理をすすめます。会場の係にまかせるだけでなく、新郎新婦の親族や親しい友人たちは参会者の間を回って、手持ちぶさたの人がないよう、飲食をすすめたり、歓談したりしてなごやかなムードを盛り上げます。
 おもな来客がそろい、飲食物が出回ったころを見はからって、新郎新婦が媒酌人とともに入場し、所定の席につきます。
 媒酌人のあいさつは新郎新婦の結婚を報告し、簡単に略歴を述べ、今後の教導をお願いします。パーティー形式のときのあいさつは短めに、ややくだけた話し方がふさわしいでしょう。
 祝辞は新郎新婦それぞれの側から一名ずつお願いします。
 乾杯とウエディングケーキ入刀
 色直しは省略してもいいのですが、新郎新婦が格調高い式服の場合はパーティーのムードとそぐわないこともありますから、そんなときはパーティーウエアに着がえるといいでしょう。
 色直しがすんだら、新郎新婦は連れ立って場内を一巡し、来客全員とあいさつをかわします。媒酌人夫妻、両親もそれぞれにあいさつして回ります。
 場内を一巡してお開きの三十分前ころにはお見送りのために出口に並びます。引き出物はここでお渡しするといいでしょう。
 パーティー形式のときはスピーチの数を減らしたり、親族代表のあいさつなどは省き、会場全体が一つにまとまり、なごやかな交歓ができるようにします。余興などを入れるなら、飲食物が十分回ったころ場内を盛り立てるような形で入れるといいでしょう。
 和式披露宴は日本座敷にすわって行なう披露宴です。食事が和食でもいす席の場合はディナー形式と同じです。
 料亭などで行なうときは、専門家にまかせておけばいいのですが、自宅で行なうなら、準備を手抜かりなくすることです。宴会場の飾りつけや席はもちろん、来客のための控え室や手荷物預かり、駐車場など手落ちなくととのえます。
 来客の出迎え、宴会の進め方はディナー形式とほとんど同じです。ただ地方によっては媒酌人のあいさつまでは新郎新婦と媒酌人は末席にすわっており、あいさつ後はじめて床の間の前に移動することもあります。献杯の習慣もありますが、その順序やしきたりも家や地方によって特色がありますので、くわしい人に聞いておくことです。ただ、新郎新婦はむやみと席を立つ必要はなく、来客の祝いのことばを受けるときもすわったままでかまいません。
 宴会の途中で旅行にたつような場合は、ふたりそろって下座にすわり、出席に対するお礼と、途中で退席することへのおわびを述べてからにしたいものです。

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