いろいろな結婚式の仕方

 最近、日本で行なわれる結婚式の七割前後は神前結婚ですが、その歴史は比較的新しく、一九〇〇年(明治三十三年)の大正天皇のご成婚を記念してつくられたもので、一般に行なわれるようになったのは昭和になってからのことです。現在ある結婚式専門の会館やホテルなどの挙式はほとんどこの形式によります。
 式次第の一例を紹介しますと、
 (1) 入場、着席
 (2) おはらい 一同起立して頭を下げ、斎主のおはらいを受けます。
 (3) 斎主一拝 一同起立して一拝します。
 (4) 祝詞
 (5) 三献の儀(三三九度の杯) 新郎新婦は起立して、巫女の注ぐ神酒を交互に飲み干します。杯をかわすことにより夫婦の契りが結ばれるという故事にならった行事で、神前結婚の中心になるものです。杯は両手で持ち、酒は三日に分けて飲みますが、口をつけてまねるだけでもかまいません。
 (6) 新郎新婦の誓詞奏上 誓詞の文面は式場にも用意されていますが、自分で作ってもいいのです。新郎が代表して奏上し、新婦は最後に自分の名だけ読み上げます。
 (7) 新郎新婦玉串奉奠 巫女から玉串を受けとり、ふたりそろって玉串案の前に進み、神前に向けて奏奠し、二拝二拍子一拝して席に戻ります。奏奠のしかたは控え室で教えてくれますから、よく覚えておきましょう。
 (8) 指輪交換 先に新郎から新婦へ、次に新婦から新郎へ、互いに相手の左手薬指にはめます。
 (9) 媒酌人玉串奉奠
 (10) 両家代表玉串奉奠
 (11) 巫女舞い
 (12) 親族杯の儀 媒酌人、親族一同そろって神酒を一献いただきます。
 (13) 斎主あいさつ
 (14) 退場
 この間約二十分、はじめに控え室で説明がありますし、式の間は進行係の指示に従っていれば迷わずに行なえます。

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 キリスト教結婚式は若い人のフィーリングに合うのか、近ごろ人気上昇の結婚式です。しかし、キリスト教の場合はだれでもどこでも挙式できるとは限りません。また、宗派や教会、司式者によって式のしかたに違いがあります。信者と未信者によっても異なります。
 信者の場合は所属の教会で挙式するか、その教会の神父、牧師に相談することです。男女とも信者の場合は普通女性の属する教会でします。未信者の場合は、一般の結婚式場やホテルで教会式の挙式ができる所か、キリスト教専門の式場で行なうなら、その会場に申し込めばできますが、教会でしたいときには、直接教会へ問い合わせ、司式者が承諾してくれなければ挙式はできません。
 キリスト教結婚式の特徴は、新郎新婦のほかに必ず証人となる第三者が必要なことで、媒酌人夫妻に頼んでもいいし、友だちでもいいでしょう。たったふたりの式はできないのです。参列者には制限がなく、披露宴に招かれた人は全員式にも出るのがエチケットで、通りすがりの人も参列し祝福できる点も神前結婚式と異なる点です。
 教会、司式者によって式のしかたは違いますが、一例を紹介しましょう。
 (1) 参列者入場
 (2) 新郎新婦入場
 (3) 賛美歌
 (4) 聖書朗読
 (5) 祈祷
 (6) 式辞
 (7) 聖書朗読
 (8) 結婚の誓約
 (9) 指輪交換
 (10)祈祷
 (11)結婚の宣言
 (12) 賛美歌
 (13) 祝祷
 (14) 新郎新婦退場
 式の中心になるのは「結婚の誓約」で、新郎新婦が神と会衆の前で誓いをするということに意味があり、指輪はその誓いの証として贈られるもので、欠かせません。教会では式のリハーサルをしてくれますので、不案内の人でも安心して当日式に臨めます。
 仏前結婚式は宗旨によって多少異なりますが、荘重なふんいきの中で新郎新婦が念珠を授与され、焼香し、杯をかわす式が行なわれます。キリスト教同様、寺院に僧侶をたずねて挙式をお願いするのがいいでしょう。式場はすわる所が多いので、式服は和装が適します。
 (1) 開式合い図
 (2) 参列者入堂
 (3) 新郎新婦入堂
 (4) 司婚者入堂
 (5) 表白文朗読
 (6) 念珠授与
 (7) 誓約のことば
 (8) 新郎新婦焼香
 (9) 式杯(三三九度の杯に匹敵するもの)
 (10) 法話
 (11) 閉式 退場
 人前結婚式は、神前、キリスト教、仏前の各結婚式が神や仏の前で結婚の誓いをするのに対して、人前で誓約をかわすのが人前結婚式です。戦後、新憲法発布後に公民館や生活館で行なわれ始めたものです。この式の特徴は、新郎新婦が知人や友人の前で結婚の誓いのことばをかわし、婚姻届に署名押印するという結婚の法的手続きを重視している点です。したがってそれ以外の形式にはうるさいきまりはなく、場所も服装も、集まる人も思い思いの趣向をこらすことができます。一般には披露宴に先立って宴会場や控え室で行なうことが多く、特殊なケースとしては職場の集会室、船上、車中、山上などで行ない、アイディアをこらすこともあります。ふたりにふさわしい場所と演出を考えるといいでしょう。
 (1) 参列者入場、着席
 (2) 新郎新婦入場、着席
 (3) 婚姻届に署名押印 新郎新婦につづき証人、二人も署名押印
 (4) 夫婦契りの杯
 (5) 指輪または記念品の交換
 (6) 新郎新婦誓いのことば
 (7) 司式者または媒酌人の祝いのことば
 (8) 全員乾杯
 (9) 退場(または披露宴に移行)
 家庭結婚式は最も日本的なしきたりにもとづいた挙式です。昭和二十年代ころまでは、まだこの形式がかなり残っていました。
 家庭結婚式のもとは武家礼法によるもので、新郎新婦が媒酌人の酌により杯をかわす三三九度の杯の儀式と、新郎新婦がそれぞれの親族と杯をかわす親族固めの杯の儀式から成り立っています。
 場所は新郎の自宅座敷で行なうのが一般的で、床の前に新郎新婦が向き合い、その後方に親族がすわります。仲人は下座から床の方を向いてすわり、司式をします。夫婦固めの杯は一の杯でまず新婦が飲み、新郎に渡し、また新婦に戻り、二の杯は新郎から飲み始め、三の杯は新婦から始めます。親族固めの杯は新婦が飲み干した杯を新郎の父親から親族を一巡し、もう一つの杯は新郎が飲み、新婦の父親から親族を一巡します。杯事ののち哲呂謡がうたわれ、お開きとなります。

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