引き出物とみやげ物

 人を招待して飲食物を供するときは、みやげ物も用意するのが日本の習慣です。そのみやげ物を引き出物といいますが、結婚披露宴でも、列席してくださったお客さまにお出しするのがエチケットです。
 予算は、飲食料金の約半額くらいを考えるのが一般的ですが、それを一つの記念品にしばるか、二つか三つの品に分けるかが問題です。
 都会のサラリーマン社会では、合理的に一つの品に予算をかけるほうが効果的だし、持ち帰るにも便利だと考えますが、地方によっては、記念品のほか、料理とかお菓子などがつかないと引き出物らしくないと考える所もあります。それは、招かれた人が家族にもお祝いを分かち合おうというためで、みやげの食品をみんなで食べながら、祝宴の話をするという習慣によるのでしょう。
 したがって、引き出物をきめるにも来賓に喜んでもらえるもの、という点を第一に考えるべきで、それには、招待客の顔ぶれから、それぞれがどんな品を喜ぶか想像してみることです。持ち帰るのに便利な小型のものを喜ぶ人と、大きな包みでなければみやげらしくないと思う人などまちまちです。また、縁起を気にする人もいますから、割れる、刺す、切るに通じる、陶器、フォーク、ナイフなどを避けることもあります。

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 一般には陶器類が最も多く使われます。これは皆に喜ばれるというより、値段的に選びよいということのためでしょう。たとえば、小鉢、茶器ぞろい、銘々皿、食器セットなどですが、自分ではわざわざ買わないようなものか、いくつあっても邪魔にならない品を選ぶのがコツです。
 次には金属食器とかガラス器。陶器よりモダンではなやかさがあります。それにくらべて漆器は値が張る割りに地味な点が若い人に受けないようです。
 そのほかでは、特殊なべややかんなどの家庭用品や、電気製品の小型のもの、時計などが使われます。少し変わったものなら、皮製のオーバーナイターとか壁かけ、旅行セット、万年筆、ウイスキー、ワインといったところです。また自作の版画とかテーブルセンターなどを使った人もありますが、こうした品はプロ級の腕の人に限ります。
 かつては、招待客全員に同じ品を出したものですが、最近では、夫妻の場合は記念品を一つにするか、奥さん向きには違った品を出すかします。予算との兼ね合いで考えればいいでしょう。仲人夫人の場合は略すことはせずに、同じものが二つあってはむだになるものなら、夫人向きに別のものをつけます。
 水引きは紅白十本結びきりで、表書きは「寿」または「内祝」、下にふたりの旧姓を並べるか(親の名で招待した場合)、名前を書くかします。品物に名入れするのは現在はあまりしなくなりました。
 結婚後、互いに相手の家族と新しい人間関係を待つようになるのですから、そのあいさつのしるしとして、みやげ物を贈る習慣があります。贈る相手は、普通、先方の両親ときょうだいで、場合によっては親戚まで配ることもあります。それはそれぞれの家の習慣によりますから、前もって先方の親戚づきあいのしきたりを尋ねておき、男女双方で同じ範囲に同じくらいのみやげを用意するよう打ち合わせておきます。
 品物は、和装小物とか洋品雑貨など身につく趣味性の強い実用的な品、あるいは趣味に関係した品が使われます。たとえば、父親にはへこ帯とかきもの地、ベルト、スポーツシャツ、パイプ、ゴルフ用品、酒器など。母親には帯締め、きもの地、セーター、ハンドバッグなど。兄弟ならスポーツシャツや万年筆、姉妹にはアクセサリー、傘、スカーフ、セカンドバッグといったものです。親戚にはきまった配り物の習慣がある地方もありますから、その場合には習慣に従うのがよく、特になければ、茶器ぞろいなど家庭用品とかゆかた地などが無難です。
 品物は金銀の水引き十本で結びきりにし、表書きは「おみやげ」または「寿」下は名前だけ書きます。あて名を書くなら左肩に記入します。
 このみやげ物は、挙式前に新居にまで運んでおき、式後はじめて家族に会うときに直接手渡します。男性側は女性がはじめて里帰りをするとき送っていき、そのとき渡します。もっとも、結納時にみやげ物を添える習慣のある地方では、嫁からのみやげは荷物送りのときに持参して、そのとき渡します。

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