いろいろな婚約の仕方

 婚約は、若い女性にとって、世の中がバラ色に染まるようなすばらしい響きを持ったことばです。なぜなら、婚約、つまり結婚の約束をすることによって、自分の新しい人生の方向づけができた、ということであり、しかも、その人生は自分の意思で選んだ彼とともに歩むことだからです。望んだとおりの未来が確かなものとなって手中におさまるのですから、それはバラ色に輝かないほうがおかしいともいえるでしょう。
 そんなにすばらしい意味を持つ婚約とは、いったいどういうことなのでしょうか。
 婚約とは、文字どおり結婚の約束をすることですから、当人同士のロ約束でも婚約は婚約です。しかし、結婚というのは新しい家庭をつくり、ふたりの生活を始めることですから、恋愛とは異なり、社会的にも大きなかかわりを持つことです。したがって、婚約もふたりだけの約束事とせずに、広く社会的も知らせ、周囲に認めてもらうことが必要となります。また、そのほうが、ふたりにとってもより確かな約束となり、自覚も強まり、責任感も高まるでしょう。それに、ふたりだけの約束では、もしそれを解消しなければならない事態になったとき、ほんとうに約束したかどうかの証拠がなく、証人になってくれる人もいません。一方が婚約したことを否定すれば、その事実は認められなくなります。
 そこで、婚約というのは、両親や親しい人など第三者に立ち会ってもらい、ふたりの約束を広く世間に認めてもらえるような形で行なうのが正式といわれます。人前で無責任なことはいえませんから、正式に婚約をするということは、お互いが真剣に意思を確かめ合い、誓いをかわすということになるでしょう。

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 婚約をするには、第一に結婚の条件がととのわなければなりません。それにはまず、当然ながらふたりに結婚の意思があることと、結婚の資格があるかどうかが問題です。
 日本の場合、男性は十八才未満、女性は十六才未満は結婚できませんし、重婚も禁じられています。さらに生活を維持する能力があるかどうかも問われるでしょう。
 これらの条件がととのってはじめて婚約する資格ができるのですから、子どものころのいいなずけというのは婚約とは認められないのです。
 また、いくら条件がととのっていても、あまり先のことを約束するのは考えものです。お互いにその約束のために窮屈な思いをしたり、やりたいこともがまんするようでは長い目で見て人生にマイナスになるからです。
 そこで、正式婚約の時期は、結婚の条件もととのい、具体的にそのための準備を始めるころにするのが妥当です。最近の例でいえば、挙式予定の半年前ころには式場の予約をするのが普通ですから、そのころに婚約をするのがよいでしょう。
 正式の婚約というのは、ふたりの約束を公にすることです。いいかえれば、婚約という無形のものを有形にすること、たとえば、ふたりの誓いをあらわす証拠をつくるか、証人をつくることです。
 具体的にいいますと、婚約の意思をあらわす贈り物を交換するとか、婚約の誓書を作るとか、第三者の前で誓いのことばをかわすとか、これらのうち二つ以上を重ねてもいいわけです。こうした行為により、ふたりの約束事が広く世間一般にも認めてもらえることになるのです。
 現在一般に行なわれている婚約の方法を紹介してみましょう。

 結納 - 日本で古くから行なわれている婚約の方法の一つです。その起源やいわれについては、結婚の申し入れを意味するとか、新しく婚姻関係を結ぶにあたり、ともに飲食をするための酒肴だとか、いろいろの説がありますが、現代では、婚約のあかしとする贈り物の一種だと考えられています。最近の調査では、結婚する人の七割弱が結納を行なっています。

 婚約記念品の交換 - 自分の心を託すにふさわしい品を互いに贈り合い、それを受けることで婚約の承諾をあらわすものと解されます。結納もこの一種と考えていいのですが、結納のようにしきたりや形式にこだわらず、自分たちらしい品を選び、婚約のあかしとしての意味が強調されます。

 婚約式 - ふたりの誓約に重点をおいた婚約の方法です。第三者に立ち会ってもらい証人となってもらいます。キリスト教では必ず婚約式を行ないますが、ここでは、神と会衆の前で誓うということに重要な意味があるのです。

 婚約パーティー - ふたりが婚約したことを親しい人たちに報告し、承認と祝福を受けることによって、より確かなものとする方法です。欧米では婚約式のあと、パーティーを開く例が多いようですが、その際の主催者は女性側という習慣があります。日本ならふたりの共催という形がよいでしょう。

 婚約通知 - 婚約の事実を広く世間に知らせるという意味では最高の方法ともいえます。ふたりの連名で婚約したことを報告し、いつごろ結婚の予定かを知らせ、変わらぬ交情、支援をお願いする手紙を出しますが、アメリカのように新聞広告を出す方法もあります。

 以上のように、婚約にはいろいろな方法があり、これらを組み合わせることもできます。そして、どれが正式で、どれが略式というものではありません。どんな方法をとるかはふたりでよく話し合って、自分たちらしい方法を選べばよいのです。ただし、その方法や形式が両親など周囲の人たちにも理解され、賛同されるものであることが必要です。

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