恋愛から婚約まで

 最近の調査によりますと、結婚する人の八割以上が恋愛結婚だといわれます。男女交際ということばさえ陳腐化してきた現在では当然のことかもしれません。学窓を巣立ち、ひとり立ちした若者が、さまざまな交際の中からただ一人の人を見つけ、愛し合って結婚し、新しい家庭を築いていく、という過程は人間として自然であり、最も好ましい結婚への道程といってよいでしょう。
 しかし、恋愛をしたら必ず結婚するもの、できるもの、と考えるのは早計にすぎます。恋愛というのは個人の感情の問題であり、好きだという気持ちさえあれば恋愛関係の維持は可能です。でも結婚というのはそれだけではありません。生活することです。そこには感情や意思のほかに、共同生活を維持運営するためのさまざまな能力が必要とされますし、さらに生活するための諸条件がととのえられなければなりません。
 恋人と結婚したいと思ったら、まずこうした能力や条件が備わっているかお互いに検討してみることです。経済的能力があるかどうかとか、子どもを生み育てる能力があるかどうかが第一に問題になるでしょうし、社会の一成員としての権利、義務をわきまえ、協調性を持っているかどうかも問われるでしょう。また日本では法的に、男子は十八才以上、女子は十六才以上(ただし、未成年者は親の承諾が必要)でなければ結婚できませんし、重婚も認められません。

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 お互いに結婚する能力を備えていることが確認でき、共同生活のパートナーとしてふさわしい相手だという確信が持てたら結婚の約束をすればよいのです。
 かつては、プロポーズは男性からするのが常識だとされましたが、男女平等の世の中、どちらから言い出してもかまいません。ただ問題は、プロポーズするほうもされるほうも、いま述べたように、結婚とは生活をともにするものだということを念頭におき、それにふさわしいかどうかという点を判断の重要なポイントにすることです。
 当人同士の気持ちさえ確認されれば、すぐに結婚してかまわないとはいうものの、やはり、周囲の、とりわけ両親はじめ親しい人々の同意と祝福を受けるにこしたことはありません。なぜなら、結婚するということは、単に個人の問題ではなく、親の家族、家庭の一員から離脱し、自分たち夫婦が主となって新しい家庭、家族をつくることであり、家族間はもちろん、社会的にも大いにかかわりのある事柄だからです。
 そこで、結婚しようと思う相手ができたら、さっそく両親や家族に報告し、賛同してもらうことです。それにはいきなり相手を両親に紹介せずに、前もって相手の履歴書、身上書と必要ならば写真をそろえて両親に見せることです。この履歴書、身上書はなにも堅苦しく考える必要はありませんが、自分のことを相手の両親に理解してもらうための資料と心得て、ペン書きでいいですから、本人がていねいにくわしく書くことです。
 こうした書類を両親や家族に見せながら、自分たちの気持ちや決心を率直に話します。両親が理解を示し、承諾してくれたらさっそく当人に会ってもらうようにします。
 先方の両親に会うときには、服装をととのえ、ご両親の好物を聞いておき、それに合わせて手みやげを用意するとよいでしょう。ご両親と会うのが目的ですから、いつもの調子で彼と親しげに話したり、ふるまうことは慎み、両親との会話を中心に親交を深め、自分を理解してもらうよう努めます。
 それぞれに相手の家族との面識ができ、ふたりの結婚に異存がないという段階になったら、次は両親や家族を紹介し合うことです。
 昔なら、このあたりで男性側の両親なり、代理の使者なりが立って、女性側の両親のもとに出向き、結婚の申し入れをすることになります。しかし、現在のように恋愛結婚が珍しくないうえに、結婚は男女双方の平等責任において行なわれる時代では、どちらからどちらへ申し入れをするという手間はかえって不自然です。それに、双方の出身地が遠く離れている場合もあり、それぞれの土地柄、しきたりが異なる例も少なくありません。そうした実情を考えれば、恋愛結婚においての結婚申し入れは、双方の両親が、都合のいい日時、場所を選んで、顔つなぎをすることと考えたほうがよさそうです。
 しきたりどおりに、男性側が女性側の家に出向くもよし、若くて身軽な両親のほうが先輩を立てて訪問するもよし、あるいは双方の家の中間地あたりでおち合うとか、若いふたりが新生活を始める土地に双方から集まるとか、ケースバイケースできめればいいでしょう。当日は、当人ふたりが間に立って、互いに自分の両親を相手の両親に紹介するという形をとります。プライベートな会介ですから、特にむずかしいマナーとかしきたりにこだわる必要はありません。それよりも、今後親戚づきあいをするようになる人たちとの親交を深め、ふたりのために婚約はいつごろ、どのように行なうか、結婚はいつごろがいいかなど、将来の事柄について具体的に意見交換をすることがたいせつです。
 もし、どちらかの家へ出向くのであれば、訪問する側は、祝い事にふさわしく酒肴などを手みやげとし、迎える側でも簡単なもてなしの膳の用意をするのがいいでしょう。ほかの場所を借りるのであれば、合理的に割り切って費用は折半にし、土地の名産品など簡単な手みやげを交換する程度にします。
 服装は、礼装の必要はありませんが、改まった感じのドレスか小紋などが適します。

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