花の贈り物

 花にはいろいろな表情があります。それがさまざまな心を反映し、人から人への意思の伝達に確かな役目を果たしてくれるのです。
 西欧では、自分の気持ちをだれかに伝えたいときによく花が使われます。プロポーズ、感謝、祝福、慰め、その他いろいろな場面に花が登場し、その場のムードをも高めてくれるようです。それにくらべて日本ではまだまだの感がありますが、この表情ゆたかな小道具を、もっと人と人との心のふれ合いに生かしてみたら楽しいのではないでしょうか。

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 人をたずねるとき、庭に咲いた花を切って手みやげにするなど心にくい贈り物です。街かどの花屋の店先でとてもすてきなばらを見つけたから、というのでよいでしょう。形式ばった菓子析よりずっとゆたかな気分に浸れ、しかも、気軽に受けられるおみやげです。
 お年寄は、案外ロマンチストが多いものです。やわらかい色彩、やさしい雰囲気の花束は、若い日の思い出の数々につながって、気分を若返らせるかもしれません。
 珍しい花や奇抜なものでなく、四季おりおりの花を届けてあげたいものです。自然の営みにふれ、贈り手の心のあたたかさも感じられ、なごやかな気分になるでしょう。
 特に不老長寿を意味する花などは適しますが、逆にドライフラワーはタブーです。
誕生パーティーに招かれたとき、あるいは趣昧やほしいものがわからないとき、さりげなくお祝いの心を届けるプレゼント。ぎょうぎょうしい花束より、好きな花に思いを託すのが効果的です。
 パーティーでともすロウソクの灯が相手の心に愛の灯となって燃えるかもしれません。
 愛児出産の喜びとは別に、大事業を終えたあとの妊婦は、気分も高ぶりがちです。ベビーカラーでやさしくまとめた花の贈り物は平和と幸せの使者となるでしょう。
 婚約のお祝いなどには、幸せいっぱいの友人に心からのお祝いを届けます。大地にしっかりと根をおろし、実りある生涯を象徴する花、婚約パーティーのメーンテーブルを飾ってくれるでしょう。
 おしきせの贈り物では相手の心に訴えるものがありません。中身は調味料でもせっけんでも、そこにワンポイント自分らしさをプラスさせたら、一味違った贈り物になります。ドライフラワーでもペーパーフラワーでも、あなたの日ごろのセンスの生かしどころです。
 必需品、実用品のお見舞いはありがたいけれど、それだけではちょっとさびしい、そんなとき一輪枕元を飾る花を添えてあげましょう。こんな心づかいが、めいりがちの病人の気持ちを引き立てます。ただし、香りの強いもの、どぎつい色はタブーです。
 大切な家族を失ったあとの気持ちは、どんなにやさしく、すばらしいことはでも、簡単にいえるものではありません。そんなときは無言の慰めこそありかたいものです。やさしくあたたかな花に託して、「一日も早く元気になって」と励ますのは親しい友の役目です。
 花を贈るときには、花の特つさまざまな性格、表情をよく見きわめて、贈る目的に合ったものを選びます。それには花ことばなども参考になるでしょう。そこまで気にしないとはいうものの、神経質な人、縁起をかつぐ人には注意したいもの。同じ花でも色によって花ことばが違うことが多いですからそのあたりにも気をつけます。
 誕生日や手みやげにする花には特にきまりはありません。誕生日には誕生花や好きな花を贈るのがいいでしょう。ただし、花ことばに気をつけること。恋人以外の異性に。情熱とか。愛の告白を意味するような花、たとえばピンクのカーネーションやチューリップなどを贈ってはたいへんです。
 出産祝いには情熱的な花、はでな感じの花、においの強いものは避け、やわらかい色のかわいい感じのものが適します。病気見舞いは、種類を少なくあっさりとまとめるのがコツです。そして、色や香りの強いもの、特に赤い花はタブーです。また、シクラメンとかケシなど死に通じる音の花を避けるのは常識で、鉢植えの花を寝つくといってきらう人もいますが、長わずらいの人には喜ばれることもあります。椿やお茶の花なども縁起が悪いので避けます。
 なくなられたかたへたむける花は、生花以外は使わず、故人の好きだった花の中から白やおちついた色の花を選びます。墓前にはたけの長いものを、仏壇、祭壇にはたけの短いものにします。椿やとげのあるものを避けるほか、つややかな感じの花もふさわしくありません。
 発表会とか祝賀パーティーの席上で贈る花束は大胆な花が効果的です。照明にはえるオレンジや黄色とか、反対色の花をそろえるのもいいでしょう。演し物にちなんだ花を贈るのも意味があります。花束にかけてあるセロハン紙などは渡すときにははずします。
 病気見舞いや楽屋見舞いにするときは花びんの有無にも注意し、簡単な器をつけるのも気がきいています。発表会のときなどは、カードか木札などをつけ贈り主の名を記入することも忘れないようにしましょう。
 なお、花は女性から男性へは贈らないのが常識です。ただし、芸術家や芸能人には贈りますし、お見舞いには使います。
 花屋さんで買うときは、目的と予算を伝えて、相談に乗ってもらうとよいでしょう。
 花を贈られたらすぐに花びんにいけ、その場に飾るのがエチケットです。

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